MOVIE 「3月のライオン」前編
運良くチケットが取れたので、舞台挨拶つき上映に行きました。
挨拶があったのは主演の桐山零役・神木隆之介さん、川本ひなた役の清原果耶さん、そして大友啓史監督。
上映前の挨拶だったので、ネタバレのないように注意深くお話されていました。
特に印象的だったのが、みどころを聞かれた神木さんが「駒音」を挙げられていたこと。
棋士によって違う、それぞれの性格を表している駒音を一緒に楽しんでほしい、とのことでした。
前編は島田八段と宗谷名人の対局まで。
役者さんは神木さんを始めとしてナイスキャスティングでしたが、特に佐々木蔵之介さん演ずる島田八段がとにかくすごかったです。なんでも原作者自身が島田八段のキャラクターのモデルにしたのが佐々木さんだったとのこと。
【インタビュー】神木隆之介×佐々木蔵之介 原作ファン熱望の2人が語る勝負師の孤独、敗者の横顔
原作漫画の島田を見ればわかるが、雰囲気も含めて佐々木さんそっくり…。それもそのはずで原作者の羽海野チカさん自身が「島田開八段のモデルは佐々木蔵之介さんです。漫画を描くときは、蔵之介さんの頭蓋骨を頭の中に思い浮かべて描いています」と明かしている。佐々木さんは島田さながらの落ち着いた口調で語る。
「映画化の話が決まる前から、そんな(ファンの)声は何となく聞いていました。『映画化するなら佐々木蔵之介』と。実際にそうなって、ありがたいことこの上ないです。(原作のモデルになったことも)そう描いていただいてありがたいし、裏切らないようにしたいという気持ちでした。まあ、そう仰っていただいたからには、誰にも文句は言わせないぞ! という気持ちですが(笑)。『違う!』って文句言うほうがおかしいですから(笑)」。
そして、そこには、まごうことなき「島田八段」がそこにいました。くたびれぶりも、落ち着きも、ふとかいま見せる鋭い眼光も、そして静かな、でも意志の強さの込められた駒音も。
他に強く印象に残った人を挙げるとしたら、「あの」香子を演じた有村架純さん。モモちゃんに「まじょ」と言われてしまう我の強さと、その裏にある父親に見捨てられ、夢を捨てさせられた挫折感、その屈折した感情が生身の姿を通されることで、原作より痛々しく実感されました。これまで「ふわふわしたいい子」役(「あまちゃん」の若春子は例外として)が多かった彼女の新境地を開く役となったと言えるでしょう。朝の月島駅に向かい細い細いピンヒールで歩く彼女の、潔く、でもどこかにあぶなっかしさも感じる足どりを映したシーンは素晴らしい映像でした。
後編ではひなちゃんの受けるいじめとあの「妻子捨男」が出てくる様子(予告編の捨男役の伊勢谷友介が見事に捨男でびっくり)。しかも羽海野チカ先生がその時点で考えていたラストまで大友監督に伝えて作られたとのこと。ということは、まだ単行本で私たちが読んでない結末が出てくるということなのでしょうか。ドキドキします。(ちなみに羽海野先生は「その先を描く腹を決めて」ラストを提供したそうです)
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