MOVIE 「君の名は。」
「シン・ゴジラ」を4回見たとき、予告編を4回見たアニメ映画「君の名は。」。周囲の評判が非常に良く、「シン・ゴジラ」ばかりに偏った頭を修正するべく見てきました。
※以下内容に若干触れていますので、未見の方はご注意を
予告編はこちら。
概要はこちら(東宝「君の名は。」ページ「INTRODUCTION」掲載情報)
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この夏、日本中が恋をする
アニメーション映画の新時代、到来。『秒速5センチメートル』(07年)、『言の葉の庭』(13年)など意欲的な作品を数多く作り出してきた気鋭のアニメーション映画監督・新海誠。
精緻な風景描写とすれ違う男女の物語を、美しい色彩と繊細な言葉によって紡ぎ出す“新海ワールド”は、世代や業界、国内外を問わず人々に大きな刺激と影響をおよぼしてきた。
新海誠監督の待望の新作となる『君の名は。』は、夢の中で“入れ替わる”少年と少女の恋と奇跡の物語。
世界の違う二人の隔たりと繋がりから生まれる「距離」のドラマを圧倒的な映像美とスケールで描き出す。
作画監督を務めるのは『千と千尋の神隠し』(01年)など数多くのスタジオジブリ作品を手掛けた、アニメーション界のレジェンド、安藤雅司。
また、『心が叫びたがってるんだ。』(15年)などで新時代を代表するアニメーターとなった田中将賀をキャラクターデザインに迎えるなど、日本最高峰のスタッフがスタジオに集結した。
そして、主題歌を含む音楽は、その唯一無二の世界観と旋律で熱狂的な支持を集めるロックバンド・RADWIMPSが担当する。
声の出演として、三葉が夢の中で見た男の子・瀧役に同世代の中でひときわ異彩を放つ演技派俳優、神木隆之介。また、自らの運命に翻弄されていくヒロイン・三葉役を、オーディションでその役を射止めた上白石萌音。更には長澤まさみ、市原悦子ほかアニメーションと実写の垣根を越えたまさに豪華キャスティングが実現した。
誰もが経験したことのない、アニメーションの新領域。
新たな“不朽の名作”が誕生する!
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予告編を見ていたときは「男女高校生の入れ代わり」で「田舎と東京」?と、正直それほど興味は持たなかったのだが、前述したように周囲の評判がかなり良く、そんなにいいのなら見てみようかと、思い立ったのがちょうどレディースデーだったこともあり足を運んだ。シネコンで一番大きいスクリーンで上映されていてほぼ満席。これはすごい。しかも男子二人連れとか、レディースデーにもかかわらず結構男性が多い。
知人が「何を言ってもネタバレになってしまう」と言っていたが、その気持ちがわかる気がする。少しでも物語についてあれはどうだ、ということを言おうとするとそれはネタバレになり、これから見る人の楽しみを激しく奪ってしまいそうなのだ。予告編に情報量があまり多くなかった理由がわかった気がする。「男女高校生の入れ代わり」「田舎と東京」「星の降る夜」これしか共有できることがなさそうで、したがって感想も内容にはほとんど触れないものにならざるを得ない。
新海誠監督の作品は初めて見たが、光の美しさ、風景の切り取り方の大胆さが印象的だった。アニメでこれだけ自然を大きなスケールで描ける人は私は他にはあまり知らない。「おおかみこども」もすごいと思ったが、あれを遥かに超えていると感じた。物語の関係もあるかもしれないが、とりわけ空がすごいのだ。昼の空、黄昏時の空、夜の空。プラネタリウムの中にいるような錯覚を感じる瞬間が何度もあった。
主人公のひとり、女子高生の三葉(みつは)の声を演じているのが、「ちはやふる」で和歌オタクのかなちゃんを好演していた上白石萌音さん。オーディションでこの役を射止めたとパンフレットにあったが、ただかわいいだけでない深みと幅のある演技で、まさに役にぴったり。あと男子高校生の瀧があこがれる先輩役が長澤まさみさんで、えらく色気のある「憧れのセンパイ」になっててちょっと驚いたが、それは最近「真田丸」のきりをずっと見ていたからであり、よく考えてみたら「海街diary」では肉感たっぷりのよっちゃん(佳乃)役をやってたのだからもともとこういう引き出しのある人だったのだ、と改めて気づかされたり。
予告だけ見るとただの「ボーイミーツガール」ものに思えてしまうが、それだけの話ではない。「シン・ゴジラ」と同じ時期に公開されたのは単なる偶然だろうが、これをほぼ同じ時期に見ることができる私たちはとても運がいいと思う。「シン・ゴジラ」とは違う角度から魂をゆさぶる作品である。
ネタバレに触れないうちに、できるだけ早く劇場に行くことをお薦めする。
映画が終わったあと、お隣は男性二人(サラリーマン風)連れだったが、ひとりが「うわあ、これ、こういうものだったの!すげえよ、なんか、すげえ!なんて言えばいいのか…すげえ!」と興奮状態だった。別の所の女子グループからはある登場人物について「こうなってほしかったのよ!」と熱く語るのが耳に入った。終映後こうやって映画そのものについて席を立ったその瞬間語らずにいられない作品というのはそうそうない(最近では「シン・ゴジラ」くらい)。そういう周りの反応を見ていても、ああこれはヒットするな、と感じるのだった。
参考リンク:
『君の名は。』感想 (note)
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