「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015」に初参加
周囲にリピーターのファンが多く、ずっと気になっていたけれどなかなか行けなかった「越後妻有大地の芸術祭」 。トリエンナーレの開催年の今年、機会があってようやく行くことができました。
この芸術祭の概要、公式サイトにはこのように紹介されています。
「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、過疎高齢化の進む日本有数の豪雪地・越後妻有(新潟県十日町市、津南町)を舞台に、2000年から3年に1度開催されている世界最大級の国際芸術祭です。農業を通して大地とかかわってきた「里山」の暮らしが今も豊かに残っている地域で、「人間は自然に内包される」を基本理念としたアートを道しるべに里山を巡る新しい旅は、アートによる地域づくりの先進事例として、国内外から注目を集めています。
またコンセプトとして下記の7項目が挙げられています。
1.人間は自然に内包される
2.アートを道しるべに里山を巡る旅
3.世代、地域、ジャンルを超えた協働
4.あるものを活かし、新しい価値をつくる
5.ユニークな拠点施設
6.生活芸術
7.グローバル/ローカル
とはいえ、こういった説明を読んでも、アートにあまりなじみのない私は正直「田舎の田んぼに唐突によくわからない物体が現れる」程度のものしか想像することができず、何がそんなにあの山の中の田舎の街にわざわざ足を運ばせるのか、何がそんなに楽しいのかがどうにもわかりませんでした。
でも気になることには変わりなく、たまたま今回仲間が何人かでまとまってレンタカーに乗って行こう、という企画を立ててくれたので、そちらに参加させてもらうことにしました。日帰りで少々強行軍でしたが、結論から言うと、それは予想を遙かに超えてとても楽しく刺激的な時間でした。
感じたことを順不同で列挙してみると
・地域にある様々なものへのリスペクト
・風景の中になじんでいるアート
・そこにあたりまえにあるものの価値に光を当てて違う形で見せてくれる
・子どももばあちゃんもみんな一緒
・いろんな人たちが一緒になって何かをしている楽しさ
・アートが確実にこの地域に溶け込んで、地域全体をパワフルに世界に押し出している
今回あの場所に行ってみて、芸術って、五感を使って何かを刺激するもの/コトなのかな、と自分なりになんとなく納得。
全部ではないですが撮ってきた写真で雰囲気だけでも。
最初の目的地・うぶすなの家に向かう案内板
解説板
1924年築、越後中門造りの茅葺き民家を「やきもの」で再生しました。1階には、日本を代表する陶芸家たちが手掛けたいろり、かまど、洗面台、風呂、そして地元の食材を使った料理を陶芸家の器で提供する作品兼レストラン。2階は3つの茶室から成るやきものの展示空間。温もりのあるやきものと茅葺民家、集落の女衆たちの溌剌とした笑顔とおしゃべりが人気を集めています。
お昼のおむすびセット(お目当てだったうぶすな定食は既に売り切れでした)
2009年に閉校した小学校を活用した、土を体感する美術館。土の魅力を知る9組の作家、左官職人、写真家、陶芸家が手掛ける作品と、二つのプロジェクトが展開。3階建ての学校が土の空間に変貌を遂げる。
日陰棚~土からの染め色の心地/星名康弘
廊下の天井を覆う40mにおよぶ、新潟県十日町市の土を絞りの技法で染めた布。教室は、この周辺で採取したブナ、クルミ、ドクダミなど78種類の植物を、作家が生まれ育った十日町市川西の土を使って染めた布を展示。この地域の産業の一つであった撚糸(ねんし/糸をよる)道具「トンボ」に、それらを巻いている。(パンフレットより)

原子へと続く道
下条地区の14種類の土に接着剤を混ぜて絵の具とし、和紙に描いた。それぞれの色は、採取した土そのもの、土の色の多彩さは、その土地が永きにわたり水が豊富であり春夏秋冬を通してさまざまてな植物が生え、動物が生きてきたことの証しでもある。(パンフレットより)
土壌モノリス--日本の土・1万年のプロフィール
水とともに動植物が生きる地球ではその生死がくり返されることで、砂や岩の粒が1cmで100年の歳月をかけながら「土」になっていく。1mのモノリスは1万年の時間を刻印した絵画でもある。国連の定める「国際土壌年」を記念し、新潟県十日町市と日本、そして世界の代表的な土壌を展示。(パンフレットより)
越後妻有地域の伝統的な家屋、重要文化財星名邸がモデル。屋根がスライドして天井が開き、日没後徐々に変化する空の光を眺めることができる。四角く切り取られた空は、淡い青から群青、そして漆黒へと移り変わり、私たちが普段気に留めていない光の変化を実感する。風呂や床の間、寝室など随所に光ファイバーが仕込まれ、風呂に浸かると幻想的な光に体が包まれる。大人気の宿泊施設だ。
開閉する屋根
外廊下から見た河岸段丘の風景
光の館に向かう途中にあった田んぼと稲穂
越後妻有は豊かな自然にめぐまれているが、この敷地の環境は、街なかであり、特殊な条件下にある。まず施設自体が空間的魅力を持つこと、そして自らが集客力を生み出すという建築的特性を持つことを目指した。そこで建築それ自体が自然を包括したものとして存在するより他にないと考え、自然のひとつとして「池」を選択した。囲い込みプランとした場合に純粋幾何学形態である「正方形」は他の形態よりも圧倒的に美しく、この敷地において雑然とした街並みの中で景観の調整子としての役割を果たす。また、表現としてコンクリート打放し仕上げとガラスを多用し、「静かなたたずまい」を呈した様相は、外界から切り離された別世界を実現し、内部空間に配置された幾つかの室は、「建物の中の建物」となり、「入れ子」の構造になっている。これは日本の伝統として寺や神社の聖なる場所に見いだされる建築の造り方でもある。
2003年十日町ステージ 「越後妻有交流館・キナーレ」として誕生した同建築が、2012年、越後妻有里山現代美術館[キナーレ]として生まれ変わった。
キナーレ正面の芝生広場に地下スタジオを開設。開発自らメインキャスターのモグラ君に扮し、地域住民やアーティスト、美術関係者など多様なゲストを招いたトーク番組を制作し、毎日、Ustreamによって放映する。
ありえたかもしれないもう一つの場所 目《憶測の成》(通称「コインランドリー」)
※体験型アートでした
東京に帰る前にいただいたへぎそば。小嶋屋本店さんにて。
3年後もまた行きたいです。いや、そこまで待てないので、常設展など何度か足を運ぶかもしれません。
参考リンク:
「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015」レポートの巻<1日目:キナーレ~憶測の成立~もぐらの館~うぶすなの家~みしゃぐち>
夏に行きたいアートの旅! 「大地の芸術祭」オススメ10選 ① (bitecho)
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