「パティシエ世界一」を読んでモンサンクレールでケーキを買ってきた
内容は、辻口さんのお店・モンサンクレールで作っている様々なお菓子のことと、辻口さんご自身のこれまでのキャリアについて。石川県七尾市でお祖父様の代から和菓子店を営んでいたご実家が倒産し、裸一貫で東京で「成り上がる」ためにコンクールで世界一を取って自身の付加価値を上げていくことを考えた辻口さんは経験のすべてをコンクールで優勝し、その後自分の店を持つためのものとして積んでいったとのこと。
僕がコンクールに強いといわれるのは、成り上がるため、生活をつかみ取るため、そういう明確な目的を持って取り組んでいたからだと思います。ある程度の生活の保証がある人たちとは違って、「飢える」っていうことがどんなに恐ろしいことかわかっていたから。(p.32)
様々な国内のコンクールで優勝し、パリでの修行のあとクープ・ド・モンドという国際コンクールでも優勝した辻口さんが帰国後開いたお店が自由が丘のモンサンクレールでした。
そこでの定番のお菓子について、レシピも含めて丁寧に解説してあるのがこの本のすばらしいところ。
ご自身の原点になってるショートケーキ、日本人になじみの深いシュークリーム、プリンから始まって、マドレーヌやフィナンシェ、クッキーなどの焼き菓子(ドゥミ・セックとフール・セック)、ショコラ、コンフィズリー(マカロンやジャムなどパン以外の甘いもの)、ヴィノエワズリ(クロワッサンのようなパティスリーで売っているバターたっぷりのパン)、トゥレトゥール(パティスリーで売っている甘くない惣菜系のもの。キッシュなど)、代表作の「モンサンクレールの栗」やモンブランについて、その他オリジナルのケーキについて、、、と少々マニアックなお菓子談義がしばらく続きます。特に卵やバター、砂糖、ショコラ、小麦粉などの材料やその配分、仕上げの焼き加減等へのこだわりは、ここまでこだわるからこそ多くの方がおいしいと喜ぶお菓子ができるんだなあ、と納得できるものでした。
その後、パリでの修行時代、そしてこれからの夢について語られている、本のページ数としては普通ですが内容はとても濃厚な一冊でした。
これだけお菓子について語られると、実際のものを食べてみたくなるじゃないですか。
で、モンサンクレール自由が丘本店にケーキを買いに行きました。文中にある通り、自由が丘の駅からはしばらくゆるい坂道を登っていきます。たしかに少々不便といえば不便ですが、めちゃくちゃ遠い訳でもなく、日常をプチリセットするのにちょうどいい距離かもしれません。
自由が丘学園を過ぎると見えてきました。
お店外観 遠景
お店外観
エントランスドア
さすがに平日の夕方だったので、生菓子は5種類くらいしかありませんでした。ちなみに辻口さんによれば、大雪の日、台風の日、土砂降りの雨の日はケーキが多く残ってる可能性が高いそうで。あとは月曜日が比較的余裕があるとか。
著書で紹介されていたプリンとシュークリームはまずは買いたいなあ、あとはドゥミ・セックとフール・セックも少し…とあれこれ考えながら何種類か購入。
今回はこんなお菓子を買ってきました。(お店の公式サイトに説明があるお菓子はそちらを引用してご紹介)
食材を厳選し、低温で長時間焼くことでなめらかに仕上げた、モンサンクレールこだわりのプリン。
文中にある通り、「崩れるほどトロトロではないのに固くなくて、とてもなめらか」な食感に驚きました。
フルーツシュークリーム(シュー ア ラ クレームの説明を引用)
アーモンドをかけて焼きこんだシュー生地の中には、バニラをたっぷり使ったカスタードクリームを詰め込んだスペシャルシュー。
これも文中にある通り、「バリバリにしっかり」焼いてるシューがとてもおいしいです。クリームとフルーツとの相性も抜群。
キルシュ風味のパイナップルとクリームチーズの組み合わせが爽やかなレアチーズケーキ。
ケーキの下の方にあるフルーツがおいしいなあ、何だろうなあと思って食べてましたが、パイナップルでしたか。とてもすっきりした味わいでした。
アーモンドクリームにジューシーな洋梨をのせて焼き上げたタルト。
洋梨のタルト、大好きなんです。次回は森瑤子さんに倣って、カルバドスとの組み合わせでいただきたいところ。
ここからは焼き菓子。こちらは賞味期限10日で、これからゆっくりいただきますのでご紹介のみ。(辻口さんはなるべく早く食べてほしい、と書いてましたが…)
・【ケーク オ テ】
紅茶の香り漂うパウンドーケーキです。(左)・【ケーク ア ロランジュ】
オレンジのコンフィがたっぷりと入った、爽やかなケーク。(右)
ガレット ブルトンヌ(左) /フロランタン(右)
バターの香りにこだわったさくさくとした食感のお菓子。(左)
サブレ生地の上にアーモンドスライスのヌガーの組合せ。(右)
プチ マドレーヌ(左)/ フィナンシェエラブル(右)
・【プチ マドレーヌ 】
小さな貝の形をしたかわいらしいマドレーヌです。しっとりとした食感に、爽やかなレモンとバニラの香りが合っています。
3種類のナッツを合わせたサクッとしたサブレです。(左)
かわいいハート型の苺のクッキーです。ブライダルにもぴったりの大人気商品です。(右)
※公式サイトに「まれ記念」という通販コーナーもありました。
この本が出版されたのは2002年。それから13年たち、自由が丘ロール屋にショコラや和菓子など様々なお店を出され、製菓スクールも開催されて、ますますご活躍の辻口さん。これからもおいしいお菓子を楽しませていただけるものと期待してます。「まれ」にはどのくらいお菓子の秘密などストーリーに反映されてるのか、こちらも楽しみです。
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