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2015/03/26

建て替え迫るホテルオークラ東京本館に泊まってみた

Okura_lobby_longホテルオークラ東京帝国ホテルホテルニューオータニと並んで東京のホテル御三家と言われるこのホテルの本館が建て替えのため今年の8月に営業を終えるとのことで、その前に一度、と宿泊してみました。

たまたまツイッターか何かで「オークラ本館建て替え」というキーワードを見て、へえそうなんだと検索してみたらその建て替えが非常に惜しまれている、という記事が続々と出てきました。

さらば伝統美 ホテルオークラ東京建て替え (日本経済新聞)

 「各地で嘆き悲しむ声」、「一時代の終えん」――。米ニューヨーク・タイムズは昨夏、「さよならオークラ」と題する記事を掲載した。それほど惜しまれるのは、「1万8000坪の芸術」と呼ばれるほど、日本の伝統美が凝縮された建物だからだ。

Farewell to the Old Okura(The New York Times)

News of the planned destruction of the Hotel Okura building in Tokyo to make way for a larger 38-story glass tower has brought cries of protest in Japan and elsewhere in the world. Monocle, the wide-ranging global magazine, has started a petition to save the old Okura on behalf of “all lovers of modern Japanese architecture.”

東京のタイムカプセル、ホテルオークラの取り壊しを惜しむ(CNN)

客室は60年代から改装されたとはいえ、現代の標準からみると窮屈で時代遅れな印象だ。100キロもある取材用のカメラ機材を特別小柄な女性スタッフに部屋へと運ばせるのは素晴らしい配慮とは思えないし、ルームサービスのメニューはアジア一値段が高いと思う。

それでも枕の上に置かれた折り紙の亀を見ると、そんな欠点などどうでもよく思えてしまう。

何でも取り壊して大きく作り直すのが主流のアジアにあって、ホテルオークラはかつて素晴らしかったものへの敬意を思い起こさせる存在だった。

なくならないで、私のオークラ! MY MOMENT AT OKURA 世界中から続々エールが。(Casa BRUTUS)

モダニズム好きの私にとってオークラは本当に気持ちよく滞在できるホテル。80年代から年に2回ずつ、いつもここに泊まってきたので、建て替えとはショックです。いつも変わらずホッとできる独特の雰囲気は、建設当初のデザインを流行に左右されず大切に保持し、年月をかけて慈しんできたからこそ。窓が開けられない客室が多い昨今、ここでは窓を開け、東京にいることが肌で感じられます。オリンピックなんて短期間のイベントのためにそれを壊してしまうなんて残念でたまりません。幸い別館はそのまま営業とのことですが、この日本のモダニズムの秀作は未来に残すべき文化財。そのことをもっと認識してほしいものです。

from:
マーガレット・ハウエル

とまあこんなにも話題になっていることに遅まきながら気づき、そう言えばオークラ東京は今まで泊まったことがなかったなあと思った訳です。(そもそも東京に住んでいるので東京のホテルに泊まることは原則ないわけですが、女子会プランなどで帝国ホテルやニューオータニは泊まったことがありまして。)

実は私は高級ホテル好き。しかも、いいホテルにお得に泊まるのが趣味みたいなもので、今回もお値打ちに泊まるプランを探してみたところ、まあこれくらいなら何とか、と思えるのが一休.comにあったので、そちらを使ってみました。本館のグランドコンフォートルームに泊まる朝食つきプラン(「スパ利用なし」×「チェックイン17:00~&チェックアウト~10:00」なのでその分割引価格になるもの)です。

お部屋の中。

Okura_room_long

ベッドとシャワールーム。

Okura_room_bed_and_bath

記事中にもあった、ベッドの枕元にある折り鶴と亀。英語の説明で「鶴は千年、亀は万年生きると伝えられており」と書いてあるのがいい感じです。

Okura_room_origami_tsurukame

バスルームの洗面台部分。

Okura_room_wash

シャワーとバスタブ。写真では狭く見えますが、実際はゆったりひろびろしています。

Okura_room_shower

コンパクトで落ち着いていて、とても居心地のいいお部屋でした。ベッドは固さがちょうどよくて、枕の高さもいい具合でぐっすり眠ることができました。

翌朝、「テラスレストラン」にて朝食。

カトラリーがきれい。紅茶がポットでたっぷりいただけるのがうれしいです。

Okura_breakfast_table

窓際の席と外のお庭。

Okura_breakfast_window

スタッフの方が、何と言うかとてもきれいな日本語を使われていて、それが一番印象的でした。
外国人のお客様の割合が高かったです。

絶賛されていたロビー。桃の節句の前だったので、ひな人形が飾られていました。

Okura_lobby_long_bright

本館玄関。

Okura_entrance

神戸のオークラのロビーも似たような感じで、和風の意匠だったような記憶があるなあと思ってホテルサイトの写真を見たら、やっぱりそうでした。こちらは障子を使っていましたが。オークラとしての統一感でしょうか。

なるほど、こういう造りが外国からはとても貴重に見えてファンが多いのか、と思いながらホテルのあちこちを見てきました。たしかに最近建てられた新しいホテルにはない、ゆったり時間が流れる不思議な空気感がありました。

反対する声は多くとも、これから粛々と建て替えられていくのだろうと思いますが、2019年春にはどんな風に生まれ変わるのでしょうか。
8月31日まで「『This is Okura』 300 Days Project」と銘打った記念事業が開催されているようですので、ご興味お持ちの方は足を運ばれてみてはいかがでしょうか。

参考リンク:
「ホテルオークラ」建て替えに反対の声 ── そうはできないホテルオークラの事情とは?(THE PAGE)

オークラはなぜ今、建て替えを決めたのか(東洋経済オンライン)

日本のモダニズム建築 Bottega Veneta® / ボッテガ・ヴェネタ

2020年の東京オリンピックに向けて準備が始まろうとする今、国内外で高い評価を得ているホテルオークラ東京(2015年に建替を予定)をはじめ、日本のモダニズム建築の逸作と言われる複数の重要建造物が、危機的状況におかれています。

トーマス・マイヤーはこうした文化的、歴史的価値を持つ建造物に対して一層の考慮がなされなければ、これらの建物に宿る美や匠の技は永遠に失われ、未来の世代に引き継ぐこともできなくなってしまうと考えています。

ホテルオークラ東京 創業50年の伝統に培われた格別のおもてなし(ホテルコンシェルジュ)

国内における都市型大規模ホテルの草分け的存在であり、日本を代表する老舗高級ホテルとして知られるホテルオークラ東京。1962年5月20日の開業以来、半世紀にわたり国内外の要人や数々のセレブリティを迎え続けている。

近代的な建物が建ち並ぶ都心にあって、日本的で優雅な外観が歴史を物語るとともにホテルを特徴付けており、外壁には外光によってその色調を変える日本独特の「海鼠壁」が使われている。また「日本的建築美の創造」をテ ーマにした内装には、格子や石畳紋、鳥紋といった日本古来の紋様に加え、竹やイチョウ、あるいは麻や藤など日本の植物をデザインに取り入れ、スタイリッシュながらも落ち着いた独特の雰囲気を作りだしている。

格調の高さの中にぬくもりを感じさせる本館ロビーは、「帝国劇場」などを手掛けた名匠・谷口吉郎の手によるもので、ロビー中央の天井には「オークラ・ランタン」の愛称で親しまれている「切子玉形の照明」が取り付けられ、その柔らかな光が開業以来ロビーを照らし続けている。また本館7階には木々と白砂で水の流れを表現したという空中庭園「曲水庭園」が造られ、日本的建築美を見ることができる。

ホテルオークラ東京でフレンチトーストの朝食を。甲斐みのり「コンフォート雑貨のある暮らし」(exciteニュース)

フレンチトーストは1日に提供できる数に限りがあるため、確実に味わいたい方は予約必須。牛乳、砂糖、バニラエッセンスを溶き混ぜた卵液に、厚切りのサンドイッチブレッドをまる1日漬け込み、低温のオーヴンで全面がふっくらこんがりキツネ色に染まるまで、約15分ほど焼き上げます。添えられたメイプルシロップなしでも十分に甘く、ぷるんとした弾力はまるでプリンのよう。手間をかけた贅沢な味だけれど、姿は潔く素朴。にこやかな笑顔ときりりと軽快な身のこなしのウェイターと会話を交わしながら、朝のひとときを過ごしました。

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