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2014/10/05

BOOK 「望郷」 森瑤子

望郷 (角川文庫)NHK朝ドラ「マッサン」が始まる間際に、友人がfacebookか何かで森瑤子さんの「望郷」についてふれているのを見て、そうか、この作品はリタさんのことを書いたものだったのか、これは読まねば、と思いました。

森瑤子さんは大好きな作家のひとりで、彼女の作品は主に文庫本でほとんどを持っているのに、なぜかこの「望郷」だけは未読のままだったのです。

マーケットプレイスで文庫本を入手したあと、kindle版もあったことを知り、ええもう両方買ってしまえ、とkindle版をダウンロードして読みました。

竹鶴政孝氏の妻・リタさんを主人公として、彼らの実話を元に書かれたフィクションですが、イギリス人のご主人がいらした森さんだからこそ描けるリアルなスコットランドの暮らしや料理、風景描写をバックボーンに、政孝氏と出会う前のリタ、出会ってからのリタ、日本に移り住んでからのリタ、と、まさに彼女の波瀾万丈の人生を一気に読ませてくれました。

政孝氏のウィスキー造りを支えるということも大きな軸ですが、物語を貫くテーマのひとつは「赦すこと」「相手の視点からも見てみること」「不完全な者同志が助け合って生きていくということ」そして「容赦ない排除」などかな、と感じながら読みました。森さんらしい繊細な表現と人間を多面的に見る視点、そしてどこかどうしようもない「人間」というものへの愛情に満ちた作品だと思います。

この後は、昔日経新聞の「私の履歴書」に掲載されたものを編集したという政孝氏の自叙伝「ウイスキーと私」で、夫の視点からのストーリーも読んでみたいと思いました。

そしてドラマ「マッサン」も、政孝氏と妻リタさんをモデルにしながらもフィクションとして話を進めていくので、同じところと違うところを楽しませていただこうかと。

ところで、書名で検索したら、森瑤子さんの長女であるヘザー・ブラッキンさんのブログで、この「望郷」について書かれている記事を見つけました。

母、森瑤子の「望郷」 (Home・Life・Style)


最近、自分にとってもっとも嬉しいことの一つと言えば、
母が書いた小説「望郷」が今月末についに復刊することでしょう。

この「望郷」の他にも絶版になっていたと思われる作品が、全部ではありませんがkindleになってきているのがうれしい限りです。

森さんがご存命なら74歳。どんなシニアぶりを見せてくれていたのでしょう。お亡くなりになったのが52歳。あまりにも早い逝去でした…。

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