COMIC 「花よりも花の如く」13巻 成田美名子
成田美名子さんの能マンガ「花よりも花の如く」最新の13巻が9月5日に発売になりました。
※以下内容に触れていますので、未読の方はご留意ください
今回の収録話は「百三十五度」と「この三つのもの」(次巻に続く)。
葉月に「好きです」と告白したあと、特に返事をもらえないまま日々が過ぎていく憲人。新しいテレビドラマ「平家最後の四百と二日」への出演依頼、「道成寺」に向けてどう経験を積み上げていくか、能楽師としての節目も重なりながら自分自身の軸に自信を持てずどこか落ち着かない。姫路公演のあと、相葉家のルーツである明石に行きたいとじっちゃんに言われ、ドラマのイメージを掴むため一ノ谷(神戸市須磨)に行きたいと考えていた憲人はちょうどいいと引き受ける。明石は子午線である東経135度の街で、それがサブタイトルになっている。須磨のロープウェイで偶然葉月とすれちがった憲人。会いたいときに会えない、微妙にすれ違いが続いてしまう憲人と葉月は…。(話の続きはぜひ単行本でお楽しみください。)
明石市立天文科学館がストーリーのキーポイントになっていて、天文好きとしては実際訪問してみたくなる。
今回の巻で特に印象的だったセリフとしては、この三つ。
「同じ出立や型にはめ込んだ方が その人自身が見えてくる」
「人間同志なら話すことができる もっと話そう 後悔のないように」
「一人の中には 宇宙に匹敵するほどの世界が広がっている」
作中で隆生先生が舞われる「井筒」はちょうど秋の曲。今年もおそらくいろんな舞台で上演されていると思うので、機会があればぜひご覧いただきたい。クライマックスの井戸を覗き込む場面では、憲人ならずともぐっと胸に響くことだろう。
#不世出の天才と言われた観世寿夫先生がシテを演じられた「井筒」
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