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2013/09/15

COMIC 「花よりも花の如く」12巻 成田美名子

花よりも花の如く 12 (花とゆめCOMICS)成田美名子さんの能楽マンガ「花よりも花の如く」、最新刊・12巻が出ていたことをお稽古仲間の方に教えていただき、慌てて本屋さんに行きました。9月5日に発売されていたようです。いやはや。

※以下内容に触れているため未読の方はご注意を。

今回は11巻からの続き「戒」と、「紐頓(ニュートン)の林檎」を収録。

「戒」の前巻では、自分自身がいわゆる「『お家』(祖父・父と能楽をやっている家)の子ども」ではないことで、いわゆる暗黙知的な技能や心構えの伝授がされていないのでは、という劣等感を憲人が感じてうじうじと悩んでいたのですが、出演ドラマテレビドラマ「星に願いを」をようやく見て、共演者で今はお弟子さんの藤井琳と話すことで、「弱法師」のシテの演技にヒントを得、舞台に。見た人達からの反応に手応えを感じ、「お家」で育たなくても、曾祖父から脈々と自分自身の中にたしかに「在る」伝承されたものを実感。

「紐頓(ニュートン)の林檎」では前半で懐かしい青森の実家での「弓引きの神事」に憲人が参加することになり、弘前での薪能のあと合流するのだが、そこで思わぬトラブルの種を拾ってしまう。
自身の会の立ち上げの演目「葵上」の内容とオーバーラップさせながら、人間の多面性、それでも「鬼」ではない人の心への思い、あはれを、「ゴスロリ」になってしまった少女との関わりを通して描く。
謡のお稽古で最初に習う「鶴亀」。まさかこの曲で涙するとは、思いませんでした。
このお話の中で、2001年9月11日の同時多発テロが取り上げられます。
タイトルは、ニュートンが万有引力を発見したリンゴが「フラワーズ・オブ・ケント」という品種ということから。実が落ちやすいけど落ちてからが甘くなる、という、打たれ弱い人間には励みになるようなお話でした。

そしてそして、最後の最後に、憲人がとうとう!うわどうなるんだ!いうところで12巻終了。

巻末に、これまで作中で取り上げた曲をまとめて紹介してくださる新企画が始まりました。これはありがたいです。今回は「羽衣」から「土蜘蛛」まで。はみ出しで「土蜘蛛」の蜘蛛の巣を投げる時のことを書かれてましたが、これは私自身も仕舞で「土蜘蛛」をやってまさに経験したことです。止めているテープを手の中でぷちっと切って、なるべく上をめがけて放るのですが、けっこう難しいんですよね。私は二度目で地謡の方にもろにかぶせてしまい、糸まみれのまま謡っていただく羽目に。いや申し訳なかったです。

弘前での薪能のシーンは、おそらく昨年柴田先生がやられた弘前城薪能の様子をヒントに描かれたのかな、と推測。(成田さんもツアーに同行されていたので)

単行本巻末の広告を見ると、愛蔵版 CIPHER発売を記念して、メロディ10月号と12月号で成田美名子さんの特別付録が付くとのこと。こちらもノーチェックでした。うーんファンとして情けなさすぎる。
こちらの愛蔵版については、また別途記事を書きたいと思います。

参考リンク:
メロディに清水玲子の14年ぶり新作、成田美名子の画集も(コミックナタリー)

今号には、成田美名子のイラストを集めた別冊が付属。「エイリアン通り」「CIPHER」「NATURAL」などのカラーイラストが収録されている。また本誌には「CIPHER」愛蔵版1巻に収められた成田へのインタビューの冒頭が掲載された。

成田美名子「CIPHER」が愛蔵版に、インタビューなど収録(コミックナタリー)

白泉社の40周年を記念した愛蔵版シリーズが、4カ月連続で刊行される。その第1弾として成田美名子の「CIPHER」1・2巻が、本日8月5日に発売された。

「CIPHER」は1980年代にLaLa(白泉社)にて連載されていた、ニューヨークの美術学校に通う活発な少女と、彼女が秘密を知ることになる双子の兄弟を中心に描いた作品。愛蔵版はB6判の全7巻で、カラー口絵のほか作者インタビューやゲストを招いた対談など、貴重なページが各巻に収録される。

花よりも花の如く 12 (花とゆめCOMICS)
成田美名子
白泉社 (2013-09-05)

愛蔵版 CIPHER 1 (花とゆめCOMICS)
成田美名子
白泉社 (2013-08-05)

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