「あまちゃん」の北鉄のモデル「三陸鉄道」の被災と復旧のあゆみを描いたコミック「さんてつ」
今日の「あまちゃん」は東日本大震災当日となり、北鉄で宮古に向かっていたユイちゃん、運転で同乗していた大吉さんたちが車両に閉じ込められてしまう様子が描かれていました。
実際の震災の時には、北鉄のモデルの三陸鉄道も2両列車が走っていましたが、どちらも奇跡的に被害をまぬがれました。
その時のことを描いたコミック「さんてつ: 日本鉄道旅行地図帳 三陸鉄道 大震災の記録」をツイッターなどで紹介いただき、早速kindle版をダウンロードして読みました。
震災の後、途切れ途切れにニュースとしては見ていたのですが、正直記憶は曖昧になっていました。
こうやって三陸鉄道の当事者の皆さんの証言から再現された3月11日とその後の様子を拝見すると、列車が間一髪で事故を免れたこと、駅舎や線路、架橋を襲った津波のすさまじさ、現地を視察して一日でも早い復旧に力を尽くした社長を始めとする三鉄職員さんたちの奮闘振り、そして震災発生からわずか5日後に限定再開した列車に向かって手を振る沿線住民の皆さんといったエピソードの数々、すべてがすごい迫力で、ただただ胸が熱くなりました。
被災のことだけでなく、第三セクターの地域での役割、全国から応援する人達の思いなども描かれていて、これは今こそ読むべき作品だと思いました。大吉さんじゃないけど、「第三セクターなめんなよ!」的な。
丁度先日自分が乗ってきたあの路線、あの列車、あの風景に起きていたことだと思うと、ますます胸に迫るものがありました。
「あまちゃん」ファンの皆様、大吉さんのこれからの八面六臂の活躍(おそらく)のモデルになっていると思われるエピソードがぎっしり詰まってる本書、ぜひお試しくださいませ。
尚、印税の一部は復興支援のため三陸鉄道へ支払われるとのことです。
※作者の吉本浩二さんもこんなツイートをされていました。
今日の「あまちゃん」、当時の三陸鉄道の状況をドラマ的に忠実に再現されており、とても胸が熱くなりました!…なぜ、“奇跡”なのか?僭越ながら、自著漫画『さんてつ』に詳しいデーターとともに実際の運転士さん、駅員さんたちの奮闘を描いていますので、よろしくお願いします。
— 吉本浩二 (@yoshimotokoji) September 2, 2013
9/3追記:
町山さんのツイート。「今日の車両を押すシーンは吉本さんの「さんてつ」の表紙へのオマージュ」とのこと。
宮藤官九郎さんに直接聞いた話ですが、今日の車両を押すシーンは吉本さんの「さんてつ」の表紙へのオマージュだそうですよ! RT @yoshimotokoji: 今日の「あまちゃん」、当時の三陸鉄道の状況が再現されており、とても胸が熱くなりました!僭越ながら、自著漫画『さんてつ』に
— 町山智浩 (@TomoMachi) September 3, 2013
参考リンク:
あまちゃん、大吉とユイが見た衝撃の景色(Web日本鉄道旅行地図帳 BLOG 悠悠自鉄 | 新潮社)
大吉が運転する北三陸鉄道の列車は、地震によって畑野トンネル内で急停車しました。東京に向かうためにこの列車に乗車していたユイ。前方に見えるトンネル出入口に向かって歩いて行く大吉。そして出入口に立ち尽くします。目の前には津波によって何もかもが破壊された景色がありました。大吉に続いてその景色を見たユイも呆然と立ち尽くしました。
ここで使われていた変わり果てた景色は、実際には島越(しまのこし)駅付近の景色です。
証言3・11:東日本大震災 三陸鉄道南リアス線運転士、乗客励まし誘導(2011/06/30:毎日jp)
岩手県釜石市と大船渡市にまたがる三陸鉄道南リアス線の鍬台(くわだい)トンネル(全長3906メートル)内を走行中、東日本大震災が発生して緊急停止した1車両が6月24日、3カ月半ぶりにトンネルの外へ出た。運転したのは震災発生時もこの日も、三陸鉄道運行部の休石(やすみいし)実さん(40)。震災時は余震が続く中で乗客2人を誘導、避難先へ送り届けた。「素直に怖かった。いろんな運が重なったおかげで助かりました」
写真特集:三陸鉄道 津波逃れた奇跡の車両がラッピング車両として再出発(2013/04/04:毎日jp)
「キット、ずっと2号」は2012年に北リアス線の陸中野田ー田野畑間の再開を記念して走った「キット、ずっと号」に続く第2弾で、ネスレ日本などが行っている「キット、ずっとプロジェクト」の一環。36−105号は震災発生時、南リアス線=盛(さかり)−釜石間36.6キロ=の吉浜ー唐丹間の鍬台トンネル内で停止したことで、車両や乗客らは津波から逃れた。同線では、車両3両が津波で使用不能となり、36−105号は「奇跡の車両」と呼ばれた。
けっぱれ、三陸鉄道(jiji.com)
今回の大津波では、魅力だったはずの海への近さが逆にあだとなり、甚大な被害を受けた。その一つ、北リアス線の島越(しまのこし)駅を訪れた。バスを降りると、ツアー参加者から「駅もレールも何もない」と悲痛な声が上がった。
(復興 三陸鉄道:4)走ってつなぐ安心感(朝日新聞デジタル)
#「さんてつ」のことも書かれています
「震災学習列車」のご案内 (25.9.2 UP)(三陸鉄道)
2011年3月11日14時46分、三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の巨大地震は想像をはるかに超える大津波となって東日本沿岸を襲い大きな爪痕を残しました。
あの日から2年、岩手は、東北は、日本は、どう歩み、どう変わったのか・・・。
被災地を走る小さな鉄道、三陸鉄道は地域の復興のため走り続けなければなりません。また過酷なこの現実を次世代に伝え残すことも使命だと考えております。
2012年6月から、列車で移動しながら震災・防災について学ぶことができる「震災学習列車」を運行しております。この列車で、自然の猛威、命の大切さ、人と人のつながりなど様々なことを学んでいただきたい・・・。遠慮せず、三陸海岸にお越しください。お待ちしております。
新潮社 (2012-03-09)
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