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2013/08/14

MOVIE 「風立ちぬ」

風立ちぬ (ジス・イズ・アニメーション)スタジオジブリの最新作で久しぶりの宮崎駿監督作品「風立ちぬ」を見てきた。

※内容に触れていますので、未見の方はご留意を。

今回は、私の周囲で賛否両論見事に真っ二つに分かれていたので「これは自分で見てみないといけないなあ」と思い、早めの時期に映画館に行ってきた。

実際見てみると、絵の美しさと主人公の心象風景を追いかけるのに夢中になっていて、あっと言う間にエンドロールを迎えていた。
私は、好きだと思った。しみじみとかみしめる作品だと感じた。

冒頭から出てくる着物に袴姿の次郎少年。おかっぱの妹。緑豊かな日本の田舎の風景。空気感を感じる風の描写。こういう絵はやっぱり宮崎監督の独壇場だ。

そして、夢の中でのイタリアの飛行機設計者・カプローニとの邂逅。カプローニの声を野村萬斎さんがやっているが、この配役が映画の成功に大きく寄与したと思った。「狂言回し」的な役割を、まさに本物の狂言方がやっているのだから。
狂言そのものを演じることのみならず、能の中で「アド」としてストーリーを解説したり前後をつなげたりするのが能楽での狂言方の重要な役割なのだが、まさに主人公・堀越二郎の「美しい飛行機づくり」への憧れの象徴としてカプローニは登場し、会話を通してそれを観客に雄弁に伝えていく。萬斎さんのどこか現実離れしたような朗々とした声が、夢であることを不自然に感じさせない。まさしく適役である。カプローニに説得力がないと、話に入り込めなかっただろう。

「ものづくり」をしている人達にとっては、二郎の生き方はたまらなく魅力的だろう。飛行機という天使にも悪魔にもなるもの、発注元は軍なのだから殺戮に使われるのはわかっていても、それを胸に留め置きながら少しでも「美しく飛ぶ」一機を作るべく工夫に工夫を重ねる姿は、ものづくりをする人達にはたまらなく共感できるだろうし、そこまで夢中になって作れるものに出会いたい、と思うのではないか。

個人的には二郎が「丸眼鏡男子」であることが非常にポイントが高かった。まあ当時の眼鏡はみんな丸眼鏡なのかもしれないけど、眼鏡をかけてる顔の様子が妙にリアルに描かれて(屈折で顔や眼の輪郭が角度によって歪んで見えるところとか)、ちょっと不器用でどこか飄々としたキャラクターを描くのに重要な小道具になっている。こういう「丸眼鏡男子」、最近人気急上昇の松田龍平さん演じる「あまちゃん」のミズタクこと水口琢磨がやはり似たようなキャラクターで、かなりぐっと来た。これから公開予定のスティーブ・ジョブズの自伝を映画化した「スティーブ・ジョブズ」も丸眼鏡だし、今年はきっと丸眼鏡男子が脚光を浴びる年なのだ!

・・・閑話休題。

ストーリーを追いかけていくとあまりに二郎に都合がよかったりするのだろうけど、なぜだろう、あまりそれも気にならずに、すごく純度の高い「思い」の応酬を心地よく見てしまっていた。ここがこの映画を受け入れられるかどうかの分かれ目なのかもしれない。

軽井沢のホテルでドイツ人カストルプが歌った「ただ一度だけ(原題:Das gibts nur einmal)」。映画「会議は踊る」の主題歌で、明るいメロディとは裏腹に「ただ一度だけ、今一度だけの恋」を歌った曲である。まさに二郎の菜穂子への想いを現していたのだろう。菜穂子の病を知っているからこそ、今、生あるこの瞬間、という。

徹夜で設計を仕上げて明け方に離れに帰宅して、菜穂子が横になっている布団の隣で安心して眠りこけてしまう二郎の満足そうな顔。そんな二郎を引き寄せて、布団をかけて一緒に横になる菜穂子。こういう瞬間ってすごくすごく愛おしくて幸せなんだよなあ、ああいいなあ。幸福の絶頂。一番好きなシーン。

そしてあの関東大震災。まるで巨神兵でも来たような、王蟲の大群が押し寄せてるようなうなり。地響き。みるみる変わる空の色。逃げまどう人々。あちこちで起こる火の手。まさに地が吼えるような恐ろしい出来事として描かれていた。

100年近く前の、まだ貧しかった日本。技術も欧米に劣り、後塵を拝していた日本。その光景を、当時の思いを、どうかこれを見た子どもたちは実感してほしい。あなたたちのおじいさん、おばあさんが子どもの頃は、日本ってこういう国だったんだよ、と。

いつもの如くとりとめない感想になったが、私は好きだ。ただし人によっては拒絶反応も大きいかもしれないので、映画の感覚が似ている人の感想を参考にして見るかどうか決められてもいいかもしれない。

参考リンク:

女子釘付け! あまちゃん“ミズタク”の倒置法

「なぜ出ない? 電話に君は」

 この倒置法で一瞬にして女子は釘付け! NHKはこれを着ボイスにしないかしら? ほかにも「君のことを考えていた」とか、意外と少女マンガ的だったり。

 体温低そうな風貌で彼なりに頑張る姿に、萌えます。ストーブさんこと小池徹平も今までにない役。イケメンの無駄遣いという感じが、またおもしろいんです。

映画「スティーブ・ジョブズ」公式サイト

知っておくと『風立ちぬ』が断然面白くなる10のポイント(エキサイトレビュー)

主人公の堀越二郎は、メインビジュアルにもあるように分厚い瓶底メガネをしています。
で、この絵だけで、光の屈折の関係で、メガネによって顔の輪郭が歪んで見えているのがわかります。
これが全編に渡って描かれています。顔の輪郭、目、眉毛がメガネ部分、ずれています。
すごく地味ーな演出なんですが、これほとんどのマンガ・アニメでは行われない手法。
なんせめんどくさい。いちいちずらさないといけないし、角度によって変わるし。
しかし、堀越二郎というキャラを見る時にこれ、割と重要なパーツになっているので要チェックです。
特に菜穂子と会ってから。メガネを外すのはあるシーンだけです。


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