佳境を迎えるNHK朝ドラ「あまちゃん」 ますます絶好調!
主人公アキや北三陸の住人の口癖「じぇじぇじぇ!」が流行語大賞を「いつやるの?今でしょ!」と争う勢いで、ロケ地久慈にはゴールデンウィークに空前の観光客が押し寄せ、紹介された地元料理「まめぶ」が一時期(作り手のおばちゃんが田植えで忙しいことと重なり)品切れになり、もはや社会現象とも言えるくらいになっているNHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」が、前半折り返しを前に佳境を迎えています。
スタート時に私も「面白い!」と記事を書きましたが、あっと言う間に大人気。
視聴率は今も上昇中で、20%超えというここ数年来ない高視聴率を取っている模様。日刊スポーツの記事「あまちゃん人気加速、最高視聴率22・2%」によると、先週14日にはとうとう22.2%を記録したとのこと。しかもこの視聴率は朝8時の放送のみなので、BSでやっている7時(通称「早あま」)、23時(通称「遅あま」)、総合の12時45分(通称「昼あま」)、そして私のように録画(通称「録あま」)で見ている分も含めると、実際は30%以上は見ているのではないかと推測します。
毎日のようにあちこちで記事が出て、追いかけきれないのでGoogleアラートで記事を自動検索してメールで確認するようにしているという具合。もう「あまちゃんフィーバー」状態です。
特に今週は「三陸編」の最終週、そして来週からは「東京編」が始まるというまさに物語の大きな山場。サウンドトラックをやっている大友さんもツイッターで
今週から来週にかけて必見です。胸しめつけられます。最初のほう見てない人も、今からでもいいからぜひ。
とつぶやかれています。今まで見逃していた方、今週からはどうか見てみてくださいませ。
先週(第11週)、先々週(第10週)のダイジェストはこちらでご覧いただけます。
5分であまちゃん ダイジェスト第10週「おら、スカウトされる!?」
5分であまちゃん ダイジェスト第11週「おら、アイドルになりてぇ!」
全部アーカイブされているオンデマンドはこちら。(有料です)
いろんなところで書かれていますが、「あまちゃん」の秀逸なところは、3世代をがっちり押さえているところだと思います。夏ばっぱ役の宮本信子さんはじめ「北の海女」たちと彼女たちのパートナーは60代周辺、春子役のキョンキョンや杉本哲太、尾見としのり、薬師丸ひろ子、そして何度も挿入される春子の青春時代である80年代風俗はアラフィフからアラフォーを、主人公のアキやユイなどの若手で若年層という3世代漏れなくつかまえる構成となっています。特に朝ドラを今まで見なかったアラフィフからアラフォーを呼び戻した80年代アイドルパワーの使い方が絶妙。ここをコアにして「え、今年の朝ドラってそんなに面白いの?」と口コミで伝わり、いつの間にか毎日楽しみにしている…そんな様子なのだと思います。「共有したくなる話」なんですよね。ホントにクドカン上手いです。
また、音楽もいい、というのもいろんな方が言っているポイント。スカのビートでチャンチキをやる明るく楽しいオープニングテーマはもちろん、劇中曲もそれぞれどこかユーモラスであたたかく、物語のトーンにぴったりです。明日サントラの発売日(もちろん予約済)なので、届いたらじっくり聴くのが楽しみです。
ところで、「あまちゃん」を見ると、マンガ家さん達は何か描かずにはいられなくなるようで、「あまちゃん絵まつり」としてこんなまとめまでできていました。
プロ漫画家が本気出した!【あまちゃん】絵祭りTwitterで絶賛開催中!!<随時更新>
特に私が好きなのは青木俊直さんという方が書かれる「本日のあまちゃん」。facebookページで公開されています。最初のうちは登場人物一人二人を描かれていたのが、いつのまにかその日のハイライト人物とセリフがぎっしり描かれた盛りだくさんのものに。(例えば昨日 6/17の絵はこちら)毎日一日の終わりに青木さんの「本日のあまちゃん」を見て、その日の「あまちゃん」を反芻するのがとても楽しみになってしまいました。
最後に、毎週秀逸なレビューを載せている木俣冬さんの「エキサイトレビュー」on exciteニュースをご紹介。これは見てからの方が楽しめるかとは思いますが、ざっと雰囲気を文字でつかんでおきたい、という方にはいいと思います。はクドカンの小ネタや俳優さんたちのこれまでの経歴などをこれでもかとあたかも回転レシーブで丹念に拾っているようなすばらしいレビュー記事です。
◆超絶面白い朝ドラ「あまちゃん」の2週間を、9つの魅力で振り返るじぇじぇじぇ!(2013年4月15日)
小池徹平が海に落ちたアキを見て動転して、なぜか雑誌をめくりはじめ、違う違うと慌てるところなんかも朝ドラ史上いまだかつてない珍場面であろう。
◆まさかの海女失格! ますます面白い「あまちゃん」三週目の「ヒロシです」(2013年4月22日)
「何言ってんだこの子は。開いた口がふさがらないとはこのことです。バカなのか。
毎日あんな分厚いステーキばっか食べてるからどうかしちゃったのかしら。とりあえず、アキは聞こえてないふりを装いました」
というナレーションが、勝手に今週の名台詞賞。
「聞こえない作戦失敗です」も良かったです。
◆「もう甘ちゃんじゃなく海女さん」大人の階段を上り始めた「あまちゃん」4週目(2013年4月30日)
さらに秀逸だったのは、アキが安部ちゃんのことを「まるで落ち武者だべ」と言ったあとの放置。
「落ち武者」? なんのことだ?とテレビの向こうでは誰もが「?」と思ったでしょう。ところが何事もなく話が続いていきます。
ずいぶんあとになって漁協の組合長・六郎(でんでん)が「影武者じゃねえか 落ち武者じゃなくて」と唐突にツッコミます。
◆アキとユイの同人誌も登場。アイドル&胸キュン恋愛モード「あまちゃん」5週目(2013年5月7日)
ヤンキーを知らないアキですが、母の80年代の青春がつまった部屋に入り浸るようになります。そして、種市との恋の夢のBGMはYMOの「君に胸キュン」。
◆主要登場人物11人で徹底おさらい「あまちゃん」6週目(2013年5月13日)
朝ドラといえば、ザッツ・ドラマという印象ですが、「あまちゃん」はドキュメンタリーのニオイも若干感じます。それは、訓覇圭プロデューサーの個性でもあるし(「ハゲタカ」「外事警察」「TAROの塔」などのリアリズム)、ドラマや歌に実在の人物を登場させることが多々ある作家クドカンの個性でもあるのかなと(今週は岩手出身の福田萌が本人役で登場)。
◆ついに歌った「潮騒のメモリー」。歌詞もすごい「あまちゃん」7週目(2013年5月20日)
なんてったって小泉今日子週。
ヒロイン・アキ(能年玲奈)が地元・北三陸市でアイドル扱いされていることに危惧の念を抱いていた母・春子(小泉今日子)。彼女自身のアイドルを目指していた過去が、ついに明らかになった上、封印していた歌が唄われたのですから、ドラマとしては相当大きなブースター週であります。
◆「潮騒のメモリーズ」は三途の川のマーメイド?「あまちゃん」8週目(2013年5月27日)
今年の紅白歌合戦で唄われるに違いないと誰もが想像している話題の曲は、連続テレビ小説「あまちゃん」(NHK)8週「おら、ドキドキがとまんねえ」(5月21日〜26日)でも大きな役割を果たしました。
◆「潮騒のメモリー」が最強パワーを発動「あまちゃん」9週目(2013年6月3日)
あんなに最初は苦笑させられた「南部ダイバー」で友情を確かめ合うところは、それがラブでなく友情だってところも含めて泣きそうになりました。
◆AKB48総選挙にぶつけてきたのかGMT47「あまちゃん」10週目(2013年6月10日)
人気脇役たちの個性を改めて強調するエピソードやいろいろな番組や社会現象のパロディなどがまんべんなく散りばめられ、全体的にどこか牧歌的な雰囲気すら漂っておりました。
◆小泉今日子、古田新太、杉本哲太……65年〜66年生まれが大活躍「あまちゃん」11週目(2013年6月17日)
ただ、そんじょそこらのアイドル願望ではなく、「歌って踊って潜ってウニとって上がって食わせる そんなアイドルになりてぇ!」(金曜日65回)という欲張りなものです。
ちなみに、ドラマの副読本ドラマ・ガイドは前半期のものは4月半ばにはあっと言う間に売り切れてしまい、私はAmazonマーケットプレイスで買いました。後半期のものは7月27日発売とのことですので、お早めに押さえておくことをお薦めします。
参考リンク:
映画評論家 町山智浩 『あまちゃん』を語る(miyearnZZ Labo)
#ラジオの書き起こしですが、これがめっちゃ面白いです。
★2013年5月の第13位★(売上額) 連続テレビ小説「あまちゃん」で話題沸騰の「まめぶ」です。 旧山形村周辺に伝わる郷土食。 山ぐるみと黒砂糖入りの団子を醤油で味付けした具沢山の汁ものです。
#東京でまめぶ汁(冷凍)が変える、岩手県のアンテナショップ。一時は品切れしてましたが、再入荷されたとのこと。
NHK出版
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ビクターエンタテインメント (2013-06-19)
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#「グッモーエビアン」にも、主人公の友人役で能年ちゃんが出演してます
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