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2012/03/13

MOVIE 「PRAY FOR JAPAN ~心をひとつに」

P4j_poster_final_small_20120203何度かご紹介した「PRAY FOR JAPAN」という東日本大震災のドキュメンタリー映画を見に、シネマート六本木に行ってきた。

※以下、内容に触れているため、未見の方はご注意を。

舞台は石巻。どんな風に撮られているのだろう、と思ったが、避難所、学校、ボランティア、家族という4つのストーリーから、それぞれのキーマンの証言が入れ替わり何度も繰り返されるという構成。時間の経過に従って、被災者のみなさんの置かれた環境がどんな風に変わり、どんな風に変わらずにいたのかというのがよくわかるものになっていた。
ストーリーの切替の時には和合亮一さんの詩の朗読(朗読は鈴木京香さん)が入る。そしてこちらにあるイメージイラストが入り、次のストーリーに移る。青い鯉のぼりの「家族 family」、黄色いボールの「ボランティア volunteer」、大鍋の「避難所 shelter」そして緑の硯の「学校 school」。それぞれストーリーのシンボルとなるものが配されている。

それぞれのストーリーのキーマンは「ヒーロー達」として公式サイトでも紹介されている。ボランティア、家族を失った被災者、中学校の校長・教諭、市議会議員等々実に多くの人たちが、石巻がこの苦しみを耐え、再び力を得て立ち上がるための様々なアクションを起こしている様子が描かれている。
特に被災直後は電気や水道などのインフラが寸断され、津波で一瞬にして何もかも失った人たちには苦難が多い。それをひとつずつ地道にクリアし、昨日より今日、今日より明日は少しでも「よくなっていこう」とすることを目指していく姿。いかに少しでも人としての尊厳を持って過ごしてもらうか、に腐心している避難所のリーダー(石巻市議)の志にただただ頭が下がる思いだった。

また、今回雄勝中学校という場がストーリーのひとつの軸に据えられたが、ここの校長先生を始めとする「学校をコミュニティの中心として復興に向かう」という取り組みがまた素晴らしい。まったく幸運なことに子どもたちは全員無事だった。この無事をありがたい奇跡として受け止め、自分たちが地域を支えて何かをしなければならない、そんな思いから、瓦礫の中から学生がつくった作品を探し出し、入学式を整え、授業で学びを継続していく。先生だって生徒だって被災者だ。でも明日のために、今自分たちができることを毎日精一杯やるという姿。雄勝中学校のウェブサイトには今も全国から寄せられる支援へのお礼が日々掲載され続けている。彼らの新しい校訓は「たくましく生きよ。」

オープニングとストーリーの合間に入る鈴木京香さんによる和合亮一さんの詩の朗読。自らも被災者である和合さんの、被災地と被災者の思いを短い言葉であまりにも見事に切り取った詩を、鈴木京香さんが実に効果的に読み上げる。朗読にこんなに心ふるえることは近年なかった。言葉とアートのすばらしい融合。

随所に入ったアニメーションはアニメーションというよりは切り絵的で、色彩も伝統色を使ったやわらかいものだった。絵で表現されるテーマのスナップショット、的な。「TOKYO POP」を運営してきたリービー監督ならではのアニメへのこだわりがあったようだが、実写ドキュメンタリーの世界を壊すことなく、むしろ実写では表現しきれないシンボリックな思いや日本人的(と言われる)つつましさ、控えめなやさしさなどがうまく表現されているのではないかと感じた。(このあたりは人によって好みが分かれるところかもしれない。)

リアルな被災地の人たち、被災者と彼らを支える人たちのそのままの物語が描かれているこの映画、ぜひ多くの方に見てほしいと願う。

ここからは余談。
◆すっかり失念していたのだが、エンドロールに出資者として自分の名前が!Kicksterterというマイクロファンドで資金集めをしたこの映画は、一定金額以上出資した人の名前をクレジットするということになっていて、最後の最後に「Kicksterter Buckers」ということで名前が一覧で流れた中に、私の名前もあったのだ。ああ、本当に寄付だけでここまでやったんだなあ、と何だか感無量になってしまった。

◆ロビーで休んでる時にスタッフらしき人たちの話が耳に入ってきて、フィルムはアメリカでの公開を想定されたものなので本来英語字幕が入っているはずが、なぜか11日に公開されたものは字幕が入っていないものが届いてしまった、と言っていた。そしてたしかに英語字幕は入っていなかった。次回の週末からの公開には字幕入りのものが来るそうなので、どうかご安心を。あの日本語をどんな風に英訳したのかちょっと興味もあったが。そこは残念。

関連リンク:
オススメ映画:米国人監督が東日本大震災の被災者とボランティアを追った『Pray for Japan~心をひとつに~』(たまプレ!)

14日からは米国、カナダ、英国での公開を控えている本作。日本での大々的な上映は4月以降になるようですが、その前に、シネマート六本木で3月11日から限定ロードショーが急遽決まりました。3月11日(日)、17日(土)、18日(日)、24日(土)、25日(日)の5日間、各日とも14:20~と16:20~の2回上映だそうです。

東北にはこんなにヒーローがいた!スチュウ・リービーさんのドキュメンタリー映画が北米で公開(日経ビジネス×復興ニッポン)

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