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2011/08/12

山下達郎 6年振りの新譜 「Ray Of Hope」発売

Ray Of Hope (初回限定盤)山下達郎さんが6年振りに発表した待望の新譜「Ray Of Hope」。
いつにも増して素晴らしい作品でした。

実は昨年、「山下達郎、デビュー35周年を飾るニューアルバム制作中」なんていうニュースが出たのですが、長年のファンとしては、いやいや彼の場合はちゃんとAmazonに商品登録されるまでは油断できないぞ、と思っていたところ、やはり発売延期となったという経緯があったりするのですが、そんな事情などどうでもよくなるような、待った甲斐のある傑作アルバムに仕上がっています。

ナタリーで今回のニューアルバム発売に合わせた山下達郎特集をやっていて、本人へのインタビューもあるのですが、その中でも震災を経て少しアルバムテーマも変わった、ということを言っています。

昨年の段階では、明るいアルバムにしたいと思ってたんですよ。震災が起こる前も、もう既にリーマンショックとかそういうものがあって世の中は不況でね。ツアーをやってても、ファンの人の表情にそういう閉塞感とか危機感っていうのが出てたんですよね。だからそれをもうちょっと明るく和やかにしたいなって。

──暗いムードを盛り上げようと?

うん、「WooHoo」なんてナンセンスなタイトルもそういうつもりでつけてたし。でも、地震が起こっちゃったんで、そのタイトルじゃ軽薄だなと思って、「Ray Of Hope」に変えたんです。

──アルバムのテーマにも変化がありましたか?

ちょっと変わりましたね。やっぱりちょっと静謐な、落ち着いた感じにしようと思って。チャラチャラしたところは削って、いくつかの曲は若干詞も変えたり、いろいろマイナーチェンジはしましたね。


Ray Of Hope、つまり「希望という名の光」がアルバムを貫くテーマになっていて、この曲のコーラス部分がPreludeとPostludeとして使われており、とても効果的。

実は4月6日にオンエアされたNHK「SONGS」の「歌にこめた祈り」特集で、達郎さんのコメントと共に「希望という名の光」が流されました。ナインティナインの岡村くん主演映画「てぃだかんかん~海とサンゴと小さな奇跡~」の主題歌として作られたこの曲が、震災後あちこちのラジオでオンエアされているらしいということを知った達郎さんが選んだ曲だったわけですが、あの今よりずっと不安定な世情の中で聴いたこの曲にとても力づけられ、涙したのを今でも覚えています。

ちなみに、震災直後の「サンデー・ソングブック」では震災特別プログラムを流された達郎さん。残念ながら私は外出していてオンエアは聴けませんでしたが、テキストで書き起こししてくださった方がいらっしゃるのでリンクを掲載しておきます。今見ても、あの頃の空気や気持ちが蘇ってきます。

山下達郎さん サンデーソングブック 2011年03月20日「震災特別プログラム」(未来の自分が振り返る)

曲としてはタイアップなどでどこかで耳にした曲が圧倒的に多いのですが、数少ないオリジナル曲で「おっ」と思ったのが「俺の空」。「TAXI DRIVER」みたいなぎゅんぎゅんした音で、しかも声に少し加工してあるように聞こえる。これはもしかしてPerfumeでも使われているオートチューン?と思っていたら、ナタリーの菊地成孔さんのインタビュー記事にも取り上げられていて、うわぁやっぱりそうか、と納得。


──バリエーションは多彩ですよね。サウスロック調の曲も入ってますし。

「俺の空」ですね。この曲はまあ、さっきちょっと出た、軽い「ジョン・レノン病」みたいなものだと言えなくないと思いますが、そんなことより、腰抜かしたのは、ProToolsを手に入れた山下達郎の新趣向ってことだと思うんですが、ボーカルにオートチューンがかかってますよね。

──ええ。なのに……。

なのに“ケロらず”、という(笑)。元歌のピッチが余りに合いすぎてて、ケロってないんだよね。(注:オートチューンはPerfumeなどが使用していることでも知られるボーカルエフェクターで、元来は音程補正ソフト。ずれた音程を補正処理する際にデジタル的な“ケロケロボイス”に変化する)

──あれはちょっと衝撃的でしたね。

まあ、この“ケロらず問題”とさっきの“3拍子4拍子問題”は、音楽批評でもあまり指摘されないんじゃないかと思うので強調しますが、「ケロらず」はけっこうヤバいよ。オートチューンの歴史に新しい1ページを刻んだかもしれない(笑)。この曲の詞のテーマである都市開発という社会問題の告発とか、まあ1曲ぐらい重いの入れとこうかといったポップマニアックな側面なんか、ギンガの彼方に吹き飛ばす衝撃です。


ちなみに、たまたまラジオで達郎さんがこの曲について話していたのを聴いたのですが、テープからハードディスクに媒体が変わって音の扱いにここ数年えらい苦労し続け、ようやくこういう音が出せそうだと思ったので作った曲とのこと。メロディが先で、こういう音を出したいからそれに合わせて歌詞を作ったのだそうで、別に社会問題を歌いたいと思って作ったわけではないそうで。なかなかファン的にはニヤリとしてしまう一曲です。

それから、初回限定版にはライブ音源を理マスターして収録した「JOY 1.5」付き。これは以前出した唯一のライブ盤「JOY」のパート2「JOY2」を長らく出したいと思いながらなかなかかなわず、今回せめてその中間盤ということで、という意味合いで「1.5」なのだとか(笑)。達郎さんらしいネーミングです。個人的には名曲「砂の女」が入ってるのがとても嬉しいですね。

この夏のヘビーローテーションの一枚です。きっとこの夏の記憶とこのアルバムは結びついて思い出されることでしょう。
秋から予定されているツアーも楽しみです。

山下達郎全国ツアー、11月から全国64公演を開催(ナタリー)

参考リンク:

インタビュー 山下達郎100Q(ぴあ)

CD収録曲

1. 希望という名の光(Prelude)
2. NEVER GROW OLD
3. 希望という名の光
4. 街物語(NEW REMIX)
5. プロポーズ
6. 僕らの夏の夢
7. 俺の空
8. ずっと一緒さ
9. HAPPY GATHERING DAY
10. いのちの最後のひとしずく
11. MY MORNING PRAYER
12. 愛してるって言えなくたって(NEW REMIX)
13. バラ色の人生~ラヴィアンローズ
14. 希望という名の光(Postlude)

初回限定盤付属ライブディスク「JOY 1.5」収録曲

1. 素敵な午後は [1985/2/24 @神奈川県民ホール]
2. THE THEME FROM BIG WAVE [1985/2/24 @神奈川県民ホール]
3. ONLY WITH YOU [1986/10/9 @郡山市民文化センター]
4. 二人の夏 [1994/5/2 @中野サンプラザ]
5. こぬか雨 [1994/5/2 @中野サンプラザ]
6. 砂の女 [1994/5/2 @中野サンプラザ]
7. アトムの子 [1992/3/15 @中野サンプラザ]

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