BOOK 「いのちの森の台所」佐藤初女著
以前「静かにいのちをいただきみつめる場所・「森のイスキア」の佐藤初女さん」という記事でご紹介した佐藤初女さんの著書「いのちの森の台所」をようやく読みました。
佐藤初女さんの著書は数多くありますが、この本は初女さんの「わかちあい」の様子が書かれている、ということで、こちらを読んでみました。
初女さんのさまざまな言葉は、森の中のさわやかな空気のようにすっと胸にしみ入ってきます。
中でも特にこんな言葉が響きました。
人に何か言われたり、諭されたりすることは、正しいことだとわかっていても、なかなか受け入れがたいものです。それに、悩みを多く抱える人も、本当はどうすればいいのか、自分でわかっているものなんです。癒しとは、自らの気づきによってこころを解放したときに得られるものだと思うのです。人は誰かに“受け止められた”“認められた”と思えると、心底安心するんです。
相談相手の話をとことん「受け入れて」「聴く」ことの大切さを現しています。
食べものほどストレートにこころを伝えるものはありません。「大事にしていますよ」「とか「あなたを好きです」と言葉にしなくても、その人の好きなものをつくって、一緒に食べるだけで通じるものです。透明になるときは、野菜のいのちが私たちのいのちとひとつになるために生まれ変わる瞬間、いのちのうつしかえのときです。いのちが生まれ変わる瞬間には、すべてが透きとおるんですよ。
食べものをつくること、それを一緒に食べることの持つ力を改めて実感できます。
また私も野菜を煮るとき、「透明になる時」を目安にしていたので、ああやっぱり理に適っていたんだな、と安心しました。
これはダメだと簡単にあきらめないで、こころでしっかり思っていればいつかそのようになると信じて、乗り越えていってほしいんです。結果を急がないことだと思います。必要なものは、必要なときに与えられますから。
直感というものは突然ぱっと出てくるものではなくて、日頃の蓄積が、必要なときにぱっと出てくるんだそうです。
私もたびたび悩んだり迷ったりしていますけど、それを切ってしまわないで、苦しいときにはその苦しみをじゅうぶん受けるようにしています。中途半端に頭で考えて自分で解決しようとしないで、苦しむときはじゅうぶんに苦しみます。自分の頭の中で考えたことは、現実にはそのようにいかないことが多いんですね。だからとことん苦しんで苦しんで、自分の力ではどうにもならないときに、おまかせの状態になるんです。そのときに、苦しみから這い出していくように思います。
「とことん苦しみぬく」すごい言葉ですが、苦しみを簡単に切ってしまわないでいけば這い出していける、とこんな風に言ってもらえると、今の苦しさも無駄にはならないのかもしれないなあ、と気持ちが少し救われます。
親戚に、「十年若ければなにかできるんだけど」というのが口癖の人がいましたが、そう言い続けて年だけ重ね、結局なんにもできないまま亡くなりました。
何事も始めるのに遅いことはない、ということですよね。思い立ったらできることからやってみればいい、そう思います。
そんな小さなことでも、ひとつひとつ実践していくと、それがひとつひとつ積み重なって、一年、二年、五年、十年と経ったとき、大きなものがそこにできてくる。それが“成長”ということではないでしょうか。
私もそんな風に小さいことを重ね続けて、振り返ってみたら少しでも進んでいた、そんな生き方ができればと思います。
※もし佐藤初女さんにご興味お持ちいただけたら、初女さんのインタビューと、森のイスキアの様子を見れる「地球交響曲第二番 [DVD]」もご覧ください。
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