超今さらながら「サマーウォーズ」をようやく見た
2009年の夏に公開され、非常に好評だった映画「サマーウォーズ」、気になってはいたがなかなか見ることができずに今に至っていたが、CATVで放映されて録画しておいたものを今さらではあるけれどようやく見ることができた。
公開時の高い評判が納得できる、非常にいい作品だった。
作品の舞台は長野県上田市。ラグビー合宿で有名な菅平への入口でもある信州の中規模都市だが、少し郊外に出ると山が広がる風光明媚な場所である。
ひょんなことから先輩女子高生・夏希の上田の大家族家庭への帰省に同行させられることになった、少し引っ込み思案で気弱な理系少年・健二。彼らが到着した夜に健二の携帯に届いた謎の暗号メールを解読して回答すると、翌朝彼は現実と密接に結びついたコンピューター上の仮想世界「OZ」をハッキングした犯人に仕立て上げられる。健二のなりすましはOZのアカウントを次々と乗っ取って現実世界のコントロールを崩していき、社会インフラに重大な混乱を巻き起こす。しかしそれはその後起きる世界の危機の序章に過ぎなかった。健二と夏希、親戚一同でその危機に立ち向かう様を描く。
キーマン(ウーマン)となる栄ばあさまを初めとしてキャラが立っていて、見ていて気持ちいい。また一人一人が「こういう人、いるいる!」と感じるリアリティがあり、根っからの悪人がいないというのも安心感がある。そして何よりひとりひとりの力は小さくても、信頼を持ってひとつに集まると大きな力になるということをとても象徴的に現してくれることが、こんな時代だからこそ胸にとても響く。上田の美しい自然とゆったり流れる時間と、OZの中のとても人工的で目まぐるしく動く世界の対比も興味深い。デジタルな世界で勝負を決するのがあんなアナログなもの、というのもまたいい意味での裏切りで楽しめた。
実は毎年夏に、菅平に旅行に行っていて、その入口として上田にも行っていた。ここ数年大学院やらいろいろあったため行ってなかったが、久しぶりに昨夏上田に行ったら、駅前にでかでかとサマーウォーズポスターが。イトーヨーカドーから山下達郎の歌うテーマ曲も聞こえてくる。
探してみたらこんなサイトがあった。
ロケ地マップも。ここに出てくる「伊勢山」バス停は、菅平高原行きのバスで本当に通過するバス停なので、乗ってる時はとてもわくわくしてしまった。
アニメではあるけれど、とても丁寧に作り込まれた上質なエンターテインメント作品として、きっと年代を問わずに楽しんでいただけると思う。若い人は若いなりに、年配の方は年配の方なりに、それぞれきっとぐっと押されるツボがあるだろう。ぜひDVDでご覧いただけたら。
#ラストに流れる山下達郎作のテーマ曲「僕らの夏の夢」も胸に迫る名曲。
ワーナーミュージック・ジャパン (2009-08-19)
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