丸の内によみがえった明治の洋風建築・三菱一号館美術館とカフェに行く
昨年4月にオープンして話題になっていた三菱一号館美術館、ようやく足を運んできました。
開催されていた美術展は「カンディンスキーと青騎士展」。この日が最終日で、何とか間にあって見ることができました。
三菱一号館という建物についてはこんな解説がありました。
「三菱一号館」は、1894(明治27)年、開国間もない日本政府が招聘した英国人建築家ジョサイア・コンドルによって設計された、三菱が東京・丸の内に建設した初めての洋風事務所建築です。全館に19世紀後半の英国で流行したクイーン・アン様式が用いられています。当時は館内に三菱合資会社の銀行部が入っていたほか、階段でつながった三階建ての棟割の物件が事務所として貸し出されていました。この建物は老朽化のために1968(昭和43)年に解体されましたが、40年あまりの時を経て、コンドルの原設計に則って同じ地によみがえりました。
今回の復元に際しては、明治期の設計図や解体時の実測図の精査に加え、各種文献、写真、保存部材などに関する詳細な調査が実施されました。また、階段部の手すりの石材など、保存されていた部材を一部建物内部に再利用したほか、意匠や部材だけではなく、その製造方法や建築技術まで忠実に再現するなど、さまざまな実験的取り組みが行われています。
こういう古い様式の建物が大好きな私は、美術館としてオープンした当初からとても気になっていたのですが、なにせ東京は人の混み方がハンパなく、混雑が苦手なのでしばらく落ち着くのを待っておりました。
そうこうしているうちにふとツイッターで、@ChiyodaCityPR(千代田区観光協会)さんが、三菱一号館美術館の「カンディンスキーと青騎士展」の招待券をプレゼント、というpostをされていたのです。
私が修士論文を書くのに使った論文で登場するカンディンスキーという画家の絵を実は知らないままだったので、どんな絵の人なのだろうと何となく気になり続けていたその名を冠した展示があるというなら、これも何かの縁と申し込んでみたところ、運良く当選。晴れて今回観に行くことができました。
シックで落ち着いた建物の3Fから1Fに降りてくる形で順路は作られており、コンパクトながらなかなか見応えのある展示でした。
カンディンスキーという画家については展示会サイトにあるように、「モスクワ出身の画家。抽象絵画の先駆者として、また美術理論家として知られる」方なのですね。初期はペインティングナイフを使ったモネに近いタッチの風景画でしたが、途中から絵筆を使うようになり、そして抽象表現に変化していきます。ただ色使いはきれいなので、ピカソほどシュールでなく、単純な抽象化、イメージ化という印象でした。森村泰昌さんが感想として「半抽象」と表現されていましたが、まさにそんな感じ。
ちなみに私が参照した論文は「クレーとカンディンスキーの絵をどちらか選ばせてグループ分け」という手順が入ったものでしたが、実はクレーも同時代の仲間として展示されており、グループとしては近い人だったのでした。なんだ、そういうことだったのか、つまりあまり意味を持たせないグループ分けだったんだな、と妙に納得。まあ心理学の実験ですからね。
さて、美術展を見たあと、併設のカフェ「Cafe1894」に。こちらも雑誌などでオープン前から紹介されていてずっと気になっていた場所でした。と言うよりむしろこちらの方が強く来てみたいと思っていた、というのが正直なところかもしれません。
カフェについてはウェブサイトにこんな利用案内が。
明治期には銀行の営業窓口として使われたフロアが、二層吹き抜けの開放感を生かしたカフェ。ランチタイムは、江戸東京野菜を中心に使った各種ランチプレートがあるほか、4種類の料理が楽しめる週替りのランチプレート(写真)にはデザートが付きます。夜は、ワインやビールと一緒に本格的な肉料理などもアラカルトで楽しめます。また、三菱一号館が英国人ジョサイア・コンドル設計の建物ということもあり、ギネスビールやフィッシュ&チップスといった英国のメニューも楽しめます。
休日は19時までですが、平日は22時までなので、パブ的使い方もできるんですね。カウンターでさくっと飲んで帰るもよし、友人と気軽に談笑するもよし、なんて光景を勝手に想像してしまいました。
少し遅めの時間に入ってしまったので、デザートプレートにしましたが、美術展の半券を持っていると、食事につけるドリンクが半額になるサービスがあるらしいです。今回は使えず残念。
休日の午後だったので20分近く待ちましたが、カウンター席なら待たずに入れた模様。また待合にあるテーブルでさっと立ち飲みすることも、声をかければOKのようで、私の後ろで待ってた女性の方が「急ぐから」とそうされていました。
丸の内近辺に行った時、また立ち寄りたいステキな美術館とカフェを見つけられて大満足です。
尚、美術展の展示替え期間中はお休みとのことなので、事前に確認して行かれることをお薦めします。
スタッフブログにこんなご案内あり。
2/7~2/28の間、休業となります。3/1より、通常の営業を開始致します。
次回の展示は「マリー=アントワネットの画家
ヴィジェ・ルブラン展」です。新たな展覧会限定メニューもご用意してお待ちしております!
二玄社
売り上げランキング: 153006
| 固定リンク
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 「神田日勝回顧展 大地への筆触」at 東京ステーションギャラリー(2020.06.27)
- 「みんなのTARO 2016」@TOBICHI2(2016.02.07)
- 「松尾たいこ×千年陶画 ふたつの出会い」@谷中・韋駄天 に行ってきました(2015.12.12)
- 「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015」に初参加(2015.09.14)
- 松尾たいこさん初の陶画展「ETERNAL HAPPINESS 色あせない幸せ」に行ってきました(2015.05.27)
「tea」カテゴリの記事
- ルピシア冬の福袋2017、到着しました(2017.12.26)
- ルピシア夏の福袋2017、到着しました(2017.06.21)
- ルピシア夏の福袋2017 オンライン予約受付中(2017.04.28)
- ルピシア冬の福袋2017、只今予約受付中(2016.10.29)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント