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2011/01/11

静かにいのちをいただきみつめる場所・「森のイスキア」の佐藤初女さん

この週末参加してきた奈良県立図書情報館の「『自分の仕事』を考える3日間」というイベント。
10 人の、職種も年齢も多種多様なゲストを呼び、その人たちの「働き方」について話を聞きわかちあい、自分にとってどうなのかをワークショップで考えていくこのイベント、詳細はリンク先をご覧いただくとして、私が一番楽しみにしていたのは実は本編よりも前日に開催されるプレイベントだった。

それは、「森のイスキア」の佐藤初女さんをお呼びして、生でお話を聞くというもの。

生で!あの初女さんの!
以前雑誌記事で、岩木山のふもとの森の中で、様々な悩みを持った人を手作りの素朴なお料理で受け入れてくれる場所があると読んだ。その主宰者だ。

詳しくはこちらに↓

【この人】憩いと安らぎの家「森のイスキア」主宰・佐藤初女さん 青森(msn産経ニュース:2010/01/24)

森のイスキアは心の悩みや問題を抱えた人たちを受け入れる「憩いと安らぎの家」。手作りのおにぎりや地元で採れた山菜を使った料理を振る舞い、一緒に食べながらその人の話にじっくりと耳を傾ける。ただそれだけのことなのだが、訪れた人たちは自然と心が癒され、新たな自分を取り戻していく。

 主宰する佐藤初女(はつめ)さん(88)は言う。「自分の体験に置き換え、共感しながら話を聞くと相手の心に通じる。とにかく相手の話をじっくり聞くことが大事。心を病んだ人が手作りの料理に接することで自然と心を開いていく。食べることによって相手に話す余裕が出てくるんです」


ところが、年末に、初女さんが体調を崩し、奈良まで来るのは難しくなったという連絡が入る。そこで予定を変更して、「地球交響曲(ガイアシンフォニー) 第二番」で初女さんのビデオ映像を観て、そのあとグループに分かれてお互い初女さんについて話し合うという企画になった。

本人にお会いできないのは本当に残念だけど、90歳という年齢を考えれば無理もない。「地球交響曲」は未見だったので、それもいいかと気を取り直して参加してきた。

実際に映像で初女さんの姿を見て、その徹底した様子に感銘を受けつつ、料理への向かい方は勝手ながら親近感を感じたりした。雪深い田舎で生まれ育った母からの教えによく似ていたのかもしれない。

地の野菜や果物を使って、初女さんが「ととのえる」お料理のたたずまいがすばらしい。おにぎりはふんわりと、ご飯の呼吸を邪魔しないように。そんなお料理と、寄り添い聞いてくれる初女さんの存在が、様々な問題を抱えて扉を叩く人々の心を少しずつ回復させていく、少なくとも回復しようとするところまでエネルギーレベルを上げて行くのだろうかと思ったりした。

弘前なまりのアクセントで訥々と話す初女さんの口調は、実は北海道の義母にもよく似ていたりする。クリスチャン特有の何かがあるのかはわからない。素朴で、清々しく、芯の強さを感じる語り口。

やはり、生でその言葉を聞いてみたかった。
いつか岩木山を尋ねるべきだろうか。ご存命の間に。

ご参考:

「地球交響曲」第二番出演者紹介にある初女さんの言葉より。

「長い冬に耐えて雪解けと共に芽ばえたふきのとうの生命をいただいて、おひたしや天ぷらをつくる。ただ“おいしく食べさせて上げたい”という心を込めて料理した時、そのふきのとうの生命が、“おいしさ”になって食べる人の生命を活かし、心を癒してくれるのです。」

「お漬物が呼ぶんです。もうこの石は重いって、だから夜中でも起きて小さい石にとりかえるんです。」

「放っておいたら腐ってゆく自然の生命に手を加えることに依って、別の生命となって生きていただく。お料理とは生命の移し替えなのかも知れません。」

「私の祈りは、“動”の祈りです。毎日毎日の生活の中にこそ祈りがあります。」

「自分が喜びに満たされると、人は必ずその喜びを分かち合いたいと思うようになります。霊的な喜びこそ、人間の最大の喜びです。」

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#「わかちあい」での初女さんへの質問とそれへの回答が掲載されている、と会場で紹介された書籍。
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