DRAMA 「火の魚」(NHK広島局)
何度も予告で見ては気になっていたけれど、放送時には録画しそびれ、ようやく再放送を録画して見ることができたNHKドラマ「火の魚」。
53分の短い作品ですが、鮮烈な印象を残すドラマでした。
あらすじはこちら。
広島のある島で暮らす老作家・村田(原田芳雄)と、村田を新しく担当することになった若い女性編集者・折見(尾野真千子)。
島で単調な生活を送る村田の目に、折見の一挙一動は新鮮で生き生きと映り、やがて惹かれていくが、そんな自分にうろたえて逆に彼女に厳しく当たるようになる。それに怯まず堂々と立ち向かう折見。ところが彼女は突然島に来なくなった・・・。
原田芳雄と尾野真千子の息詰まるようなやりとり、生と死のぎりぎりでの人間同志の思いの重なり。老い、病。きれいごとではない「生」に向かい合う重み。そんな登場人物の営みを愛しいものとして暖かい目で描く渡辺あやさんの脚本。素敵でした。
普遍的なテーマを描いたこの作品は国際的にも評価が高く、放送番組の国際コンクール「第62回イタリア賞」で最優秀賞である「イタリア賞」を受賞しました。
NHKドラマ「火の魚」最優秀イタリア賞を獲得(YOMIURI ONLINE)
NHKのドラマ「火の魚」(広島放送局制作)が、イタリア・トリノで開かれた第62回イタリア賞(イタリア放送協会主催)の「テレビ単発ドラマ及びミニシリーズドラマ部門」で、最優秀賞にあたる「イタリア賞」を受賞した。現地時間の24日夜、授賞式が行われる。「火の魚」はある島に住む偏屈な小説家(原田芳雄)と、東京から来た編集者(尾野真千子)との交流を描いた53分の作品。芸術祭賞大賞などを受賞している。
この時の評価について、NHKのスタッフ日誌にはこのように書かれています。
“人間描写がすばらしく、心地よいテンポでありながら、見るものの感情を揺さぶり、また深く考えさせる。繊細な脚本、演出と編集により、生と死を見つめる詩的かつ普遍的なすばらしい作品”との高い評価をいただきました。どうもありがとうございました。
私の周囲でもかなり評価の高いドラマですので、またNHKで再放送があるかもしれません。その時はどうかお見逃しなく。派手なストーリーはありませんが、人間をしみじみ描いた傑作です。
※参考リンク:室生犀星の原作に関連して
『火の魚』室生犀星(中央公論社)(読書百篇)
室生犀星の絶版本。函つき。美本。函から出すとこれまたすごい!
何と装丁は室生犀星自身!
装画は山口蓬春しかも中身。内容の小説がすごい!
栃折久美子(とちおり・くみこ) さんをモデルにした本の題名にもなっている『火の魚』が読み応えがある。
(中略)
この実在のモデル栃折久美子(とちおり・くみこ)は室生犀星とおぼしき作家から金魚の魚拓を作るよう頼まれる。金魚の魚拓とはまったくもって残酷で悪趣味。頼まれた彼女の心理はいかに?というようなもの。実際は本当に金魚の魚拓をとらされて、それは後に他の本の装丁に使われたという逸話をもつお話。栃折久美子(とちおり・くみこ)は本好きにとって知る人ぞ知る人物なのである。
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#脚本・渡辺あやさんのデビュー作。私も大好きな作品。
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