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2010/10/09

MOVIE 「おにいちゃんのハナビ」

「おにいちゃんのハナビ」オリジナル・サウンドトラック新潟県小千谷市片貝の片貝まつりで上がる花火を中心にした兄妹のお話の映画「おにいちゃんのハナビ」を見てきた。

※以下内容に少々触れていますので、未見の方はご注意を。

片貝まつりはギネスブックにも載った四尺玉が有名だが、花火は基本的に奉納花火で、子どもの誕生や成人、結婚、初孫、還暦などさまざまな願いをこめられていると言う。また地元の片貝中学校を卒業と同時に同級生で結成する「会」単位で花火を打ち上げるとのこと。今回のストーリーの横軸はその「地元の仲間」でもある。

ストーリーの概略は下記の通り。
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白血病で長く入院していた高校生の華が退院してきたのは片貝まつりの日。ところが彼女が帰宅すると、仲の良かった兄・太郎はひきこもってしまっていた。太郎は本来ならば来年二十歳の記念花火を仲間と上げる準備をしているのだろうけど、中三で転校してきて、高校も遠距離通学した太郎には地元には友人はいない。そんな太郎に何とか外に出てもらって、二十歳の花火を上げてほしいと、華は少々強引に太郎にバイトをさせ、地元仲間の「会」に入会させようとする。華の病気の再発を機会に、太郎は「会」に自分から入会して少しずつ苦手だったコミュニケーションに慣れていき、わだかまりのあった両親とも自然に会話ができるようになっていった。しかし運命は残酷な試練を彼らに課してきたのだった…。
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製作のきっかけは、新潟県中越地震の1年後を描いたテレビドキュメンタリーで紹介されたエピソードだったという。そのドキュメンタリーも片貝まつりを軸にしていたが、成人を迎える兄が亡き妹のために1年をかけて準備し、まつりで花火を打ち上げる話だった。その話に心打たれた監督がぜひ映画化したいと持ちかけたのが今回の作品となった。

実話をペースにしているせいもあってか、ひとつひとつエピソードを丁寧に積み重ねて、兄妹をはじめとする登場人物の繊細な気持ちの移り変わりがとても自然に描かれている。ひきこもりの時代の太郎のひりひりするようないらだち、あきらめ、孤独感から、外に出ていき、華のために花火を上げると決めてからの生き生きした表情と体の動き。携帯などの小道具のうまい使われ方。ぐんぐん引きこまれて見てしまっていた。

もちろんこれは主役二人のみずみずしい演技あってのこと。二人とも適度な距離感を持った兄妹をとても自然に演じていた。特に華役の谷村美月は自ら坊主頭になる体当たりぶり。彼女のウィッグがはずれているシーンが何度かあったが、まさか本当に坊主になっているとは思わず、パンフレットを読んで驚いた。

そしてもうひとつの主役は片貝の花火。尺玉だけでなくスターマインもばんばん上がる。これを映画館の大きい画面といい音響で楽しめるのはラッキーだ。大画面いっぱいの花火とそれを喜ぶ人達の思いを合わせて味わっていただければ。

参考リンク:
片貝まつり(小千谷市サイト)

三尺玉発祥の地として知られる片貝の花火は、400年に及ぶ歴史があります。昭和60年には四尺玉の打ち上げにも成功し、ギネスブックに掲載されるなど、名実ともに世界一の打ち上げ花火として知られています。 片貝まつりは浅原神社の秋の例大祭で、花火はこの浅原神社への奉納を意味します。
片貝のまちでは、朝から浅原神社へ花火の玉を奉納する「玉送り」や、花火打ち上げの成功と無事を祈る「筒引き」は、などの古式ゆかしい伝統行事の数々や花火の迫力で会場は熱気にあふれます。
四尺玉を地上800メートルまで打ち上げる高さ5.2メートル、厚さ1.8センチメートルの鋼鉄製の筒へ、重さ420キログラムの玉を慎重に入れていきます。
四尺玉は、直径が800メートルもの大輪の花を夜空に咲かせます。ここ片貝では明治24年に三尺玉を4発打ち上げた記録も残っており、三尺玉発祥の地とも言われています。

片貝まつり(新潟県・片貝町)浅原神社秋季大祭奉納花火大会(日本の花火)

どうも大玉の話題や評判ばかりが先行してしまうが、この祭りの在りように目を向けてみると面白いし片貝まつりの本当の姿が理解できると思う。ここ片貝では花火のスポンサーは殆どこの片貝町の町民なのである。奉納のかたちをとり身銭を切って打ち上げられる花火には、それぞれに「祝還暦」「祝成人」「初孫誕生」「先祖供養」のほか結婚、新築、長寿祈願、家内安全など人々の思い思いの願いが込められている。そんな人々の生活が息づく花火祭りである。ここでは花火は、親と子、親戚、先祖、友人、仲間などここに生まれ、住み、共に働き、あるいは巣立っていった全ての人々の心と心を結ぶ絆、架け橋の象徴であるのだ。この点からも観光、または納涼をうたった花火大会とは性格が異なるといえる。いわば内輪の祭りなのだが、町民の花火への熱狂はいつしか多くの観覧客をも呼び寄せることになったのだろう。花火を通して老若男女町民の心がひとつになる熱い祭りである。



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