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2010/09/12

PLAY 「表に出ろいっ!」 NODA・MAP 番外公演(東京芸術劇場 小ホール)

野田秀樹さんと中村勘三郎さん共演の舞台「表に出ろいっ!」を観てきた。なんと勘三郎さんはこれが初の現代演劇への出演とのこと。

※以下内容に触れていますので、未見の方はご注意を。

公式サイトにあるあらすじは以下の通り。

信じるとは何なのか?これは一夜にして崩壊する家族の物語。
人間のレゾンデートル(=存在理由)を思索する哲学という学問が廃れてしまった。けれども、人間は何かしら生きる意味を見出さないと、生き難い。その空白を埋めるために、自らの趣味嗜好に過剰な価値を置く。「はまる」という現象。何かにはまってないと生きてる気がしない。

換言すれば、偏愛。しかも、その歪みにも気付かない。疑うことすらない。これはすでに信仰に近い、ただの趣味嗜好なのに。アミューズメントパークを偏愛する父、アイドル系を偏愛する母、ファーストフードを偏愛する娘。そんな3つの偏愛が混在する、鎖でつなぎ合わないと成立しないほど、バラバラな家庭の物語である。


しかし野田さんのお芝居、これだけで済むはずもなく、相変わらずの情報量と展開の速さで話は二転三転していく。マシンガントークとすさまじい運動量、3人出ずっぱりの舞台は相当大変だろう。

冒頭いきなり「隅田川」の謡に合わせて舞う勘三郎さん。どうやら能の宗家、という設定らしい。さすが伝統芸能の人、なかなか様になっていると思ったら、パンフレットに能所作指導で津村禮次郎先生のお名前が。指導されている時の写真も収録。

パンフレットの勘三郎さんとの対談で野田さんが「『ザ・キャラクター』が重い内容で書いててつらくなって、その箸休め的に書いてたところがある」と話されているように、久々に軽妙で笑い続けながらちくっ、ちくっと刺さる野田節を堪能できる作品だった。

アミューズメントパークやアイドル系、ファストフードの名前などひとつひとつが、たった一文字足しただけなのにあまりにもイメージぴったりで、なおかつその意味するところをいろいろと考えてしまうような絶妙なネーミングがされていて、それを耳にするだけで吹き出してしまう。もう、野田さんって本当にこういうのが上手い。

お互いが自分の偏愛にこだわるほど、家族は家族としての形をどんどん崩していき、最後は実質的にほとんど終わってしまったのではないかと想像する。あの人達はあのあとどうなってしまうのか。

1時間20分程度で観れる小品だが、中身はぎっしり。当日券もあるようなので、未見の方はぜひどうぞ。9月28日まで。

※当日券は「開演の1時間前、14時公演の場合は13時から、19時公演の場合は18時から、東京芸術劇場小ホール1前にて販売」とのこと

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