短期能楽教室発表会で「土蜘蛛」をやることに
今週末は半年に一度の短期能楽教室の発表会。
私は謡だけを習っているので、いつもは素謡を一曲役付きでやり、あとは他の方の素謡の地謡に入ったり、仕舞の地謡をやったりという形で参加していますが、今回は風向きが変わってしまいました。
他の方が仕舞を何にしようかと考えている時、先生は何を考えてか「『土蜘蛛』なんかどう」、と言い出し、相手役が必要なんだけど、となった時、他の方がなかなか首を縦に振ってくれず、「じゃあ○○さん(私の名前)どう、土蜘蛛の役」といきなり言われてしまったのです。
「え!仕舞ですか!」「いや、蜘蛛の巣投げるだけだから」「えーでも」「大丈夫」と言いくるめられてやることに。
私は病床の源頼光(らいこう)という武士を見舞いに行く僧(実は土蜘蛛の精)という役。
「いかに頼光。御心地は何と御座候ぞ」なんて声をかけて、「誰だこいつ」と不審がられるとじわじわ迫って行って蜘蛛の巣を投げつけ、闘いが始まります。最後は切りつけられて消えてしまう、というところまで。
「蜘蛛の巣を投げるだけ」どころか、すれ違いざまに切る真似はするわ、拍子は踏むわ、刀で足元を切りつけられたところをひょいと飛び上がるわで、大忙し!先生嘘つき!(涙)
装束はつけず、普通に着物の着流しでやりますが、とにかく心配なのが3回の蜘蛛の巣投げ。相手の頭の右上あたりを狙って投げるときれいになる、とは教わったけど、蜘蛛の巣の小道具は一個1500円と決して安くないので、練習用は2個しかもらってなく、包帯で練習してる有様。ゴダイゴのモンキーマジックのようにきれいに開いて飛ぶのか甚だ不安ですが、ここまで来たらやるっきゃない。がんばらなきゃ!
という訳で、素謡も「東北」というちょっと難しい曲のシテがついてるんですが、もうそれどころではない状態になってしまっております。
発表会の概要はこちらの通り。
日時 8月29日(日) 12:00~18:00
会場 銕仙会(てっせんかい)能楽研修所(表参道) 地図はこちら
私の出番は13:30くらいから「東北」、17:00くらいから「土蜘蛛」という見当です。入場無料、出入り自由。何分素人の発表会ですのでお目汚し、お耳汚しで恐縮ですが、もしお暇あったらお立ち寄りください。
そうそう、一期生の方は仕舞で「橋弁慶」をやります。「花よりも花の如く」で憲人が牛若を、じっちゃんが弁慶をやってたあれです。そう言えば「土蜘蛛」も「花よりも花の如く」で憲人が土蜘蛛役をやってましたね。あれが(一部ではありますが)生で見れますよー。とちょっと宣伝。
8/26追記:
先生のブログに発表会についての記事がアップされました。
第8回短期能楽教室合同発表会(能楽師・柴田稔blog)
#「土蜘蛛」をやった「遊びをせんとや生まれけり」収録巻
#「橋弁慶」をやった「大人は何でも知っている」収録巻
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コメント
お見事でした。
投稿: 静 | 2010/08/31 21:00
>静さん
暑い中おいでいただき、ありがとうございました。何とか無事投げることができて、先生からも「まあ合格」と言ってもらえて一安心です。
投稿: くりおね | 2010/09/06 23:56