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2008/12/12

COMIC 「3月のライオン」1巻・2巻 羽海野チカ

3月のライオン (1) (ジェッツコミックス)前作「ハチミツとクローバー」があまりに素晴しく、印象的だったゆえに、次の作品の主人公が棋士と聞いて「ええ、なんで?!」という戸惑いが大きかった。
それが今の今まで「3月のライオン」を読まなかった理由だった。
でも、ふと読みたくなり、一気に2冊読み切った今の感想は、「やっぱり読んでよかった」。

何かを失った者の物語に私は弱い。
ましてやそれが家族だったりするともうストライクゾーンど真ん中だ。
家族を失い、居場所を失い、ぽっかりと空いた大きな穴を胸の中に抱えて生きていく少年(しかもメガネ男子)の物語となると、ツボ満載で、どう歩いても地雷を踏むことになる。そして私は地雷を踏みまくった。

主人公は、史上5人目の中学生プロ棋士となった桐山零。現在五段・C1クラスの彼が養父母の家を出て一人で暮らし、高校に通いながら棋士として闘い続ける日々と、彼の過去と現在を取りまく人々が織りなす物語。

ハチクロ・ダークサイドとも言えるが、ハチクロな絵がえぐさを緩和している。それにしてもウミノさんはふっくらした人やじいさんばあさんをとても楽しそうに描く。それにお料理の美味しそうなこと。カレーライスに唐揚げと温泉卵、すぐにでも作りたくなってしまった。

個人的には水辺の空気が感じられるのがいい。勝どきのあたりの、海辺の水辺。潮の香りが薄く漂う日常とか。
そして相変わらずメガネ男子が多いのもいい。名人・宗谷冬司さん、超好み。零くんとの対局が早く見てみたい。

2巻まででネガティブネタふりがさんざんされたこの作品、これからどこに落としどころを持っていくのか。新刊が出たばかりなのに、もう続きが気になって仕方ない。またしてもウミノワールドにやられたようだ。

「読んでよかった」と思ったのは、闘ってるのは私一人じゃない、と思えたから。おこがましいが。
しんどい思いが続くと、ついこんなに苦しいのは世界中に自分たったひとり、みたいな寂寥巻に襲われるが、そんなことはないと勇気をもらえた。当たり前のことではあるけれど、ついつい忘れてしまう大事なこと。

余談だが、コミックスを読みながら、最近さだづいてる私の脳内でかかりつづけるBGMは「風に立つライオン」「春雷」「道の途中で」。なぜかこの3曲が入れ代わり立ち代わりかかってしまう。なぜだろう。


3月のライオン 2 (2) (ジェッツコミックス)
羽海野 チカ
白泉社 (2008-11-28)

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