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2008/07/13

BOOK 「鴨川ホルモー」 万城目 学

鴨川ホルモー先月京都小旅行から帰って来て、知人に京都土産として「御池煎餅」を渡したら、「京都好きならこの本読んでみたら?面白いよ」と薦められたのがこの「鴨川ホルモー」。
別の知人にそんな話をしたら「今まさに読んでるよ。終わったら貸して上げるから」と言われ、あれよあれよと読むことになってしまった。

※以下内容に触れているため、未読の方はご注意を。

題名を聞いて真っ先に思ったのが「『ホルモー』って何?」ということ。ホルモンじゃなくて?と聞いたら「そう、『ホルモン』じゃなくて『ホルモー』。」まあそれは読めばわかるのだろう、ということで読み始める。

作者はドラマ「鹿男あをによし」の原作を書いた万城目(まきめ)学。第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞作の作家デビュー作が「鴨川ホルモー」とのこと。

「はじめに」でこの「ホルモー」について、興味をぞくぞくそそるような描写が立て続けに書かれ、いやがおうでも読み続けずにはいられなくなる。競技から脱落して続行不能となった時、「ホルモオオオォォォーッッ」と声を限りに叫ばなければならない、というそのルールは一体何なのか。そもそも「競技」とは何をするのか。なぜ主人公はそんな「競技」に巻き込まれる羽目になったのか。

葵祭のエキストラのバイトの帰りにふと誘われた「京大青竜会」という名のサークルの新歓コンパに足を運んだのが運の尽き。主人公・安倍くんはそこで出会った一回生の女性に一目惚れ、そのナゾのサークルにそのまま留まることになる。一見のんびりお気楽なアウトドアイベントサークルと見えていたそのサークルの本当の目的が安倍くんたち一回生に明かされたのは、祇園祭の宵山の夜だった・・・。

サークルの正体、そこで行われる数々の奇想天外な営みはもちろん、安倍くんを取りまく登場人物一人一人がとても魅力的。また実名で出てくるライバルの大学やその近辺の神社、丸太町や河原町、岩倉や鴨川などの名前に京都好きとしてはわくわくするのに加えて、私のハートをわしづかみにする要素が二つあった。

それは、「さだまさし」と「レーズン」。

主人公の安倍くんは二浪して京大に入学した苦労人なのだが、彼の心の支えとなったのが「さだまさし」なのだ。「まさし」とさらっと当たり前のように口にするところに、その親しみぶりが現れている。まっさんファンの主人公なんて、もうそれだけで親近感200%だ。

そして、加えて「レーズン」。これは物語の核心に触れるアイテムなので、詳細は書けないが、サークル活動の「競技」の中で重要な役割を果たす物品として使われているのだ。
で、実は私は子どもの頃からの大のレーズン好きで、おやつがわりにぼりぼりレーズンを袋から食べていたという過去を持つ。偏食が激しかった私が普通に成長できたのはレーズンのおかげだったのだと今も本気で思っていたりするのだが、それはともかく。

そんな私のLOVEアイテムがちりばめられていて、なおかつ青春そのもののキュートなストーリーと語り口で、私はこの小説がすっかり気に入ってしまった。
続編である「ホルモー六景」含めて自分で買おうと決意。手許に置いて、何度も読み返したい、そんな作品である。

山田孝之さん主演での映画化も来年公開予定となっており、きっと観に行こうと心に決めている。映画は京都市内でロケを済ませているようであり、京都の風景と「あの連中」をどう表現するのかといったことを含めて、今から楽しみだ。

参考リンク:
都大路に青春絵巻 「鴨川ホルモー」映画化(京都新聞:2008/04/03)

「鴨川ホルモー」映画化!100匹の鬼操る大学生“鬼語”連発(SANSPO.COM:2008/04/21)

 同作は役名も陰陽師にちなんでおり、安倍晴明ならぬ安倍明を演じるのが山田なら、芦屋道満ならぬ芦屋満を演じるライバル役には、若手実力派の石田卓也(21)を起用。ほかにも芦名星(24)、濱田岳(21)、荒川良々(34)ら個性豊かな面々が共演している。

山田孝之が「鬼使い」に!「鹿男」の万城目学原作「鴨川ホルモー」映画化(eiga.com:2008/04/22)

同作は、京都大学を舞台に鬼の姿をした式神(しきがみ)を操った対戦型ゲーム“ホルモー”に熱中する、謎のサークルの若者たちの姿を描く群像劇。この鬼とは、わずか20センチほどの小鬼で、山田が演じる主人公の京大生・安倍は、「フギュルッパ(=進め)」「アギュリッピ(=突撃)」など、意味不明な“鬼語”を駆使しながら、コミカルな変態ポーズ(振付、パパイヤ鈴木)で100匹の鬼を操るという奇妙奇天烈な現代版“陰陽師”のような存在だ。

栗山千明 ダサ~い大木凡人に変身?(Sponichi Annex:2008/05/19)
 役どころは京大1年生・楠木ふみ。凡人そっくりの外見で、周囲からは陰で「凡ちゃん」と呼ばれる。無愛想かつ無口という設定で、暗い表情をさらにゆがめたりする“変顔”にも挑戦。美人女優が外見を生かせる場面はほとんどないが、「歩き方やしぐさも人に見られることを気にしないような感じにしたり、コスプレ感覚で面白かったです」と振り返る。

 栗山演じる楠木は、同サークルに入会した理由が謎。無愛想な性格のため当初、安倍と反発するが、徐々に打ち解け、入会理由も明らかになっていくなど物語の重要な役割を果たす。

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#京大というと思い出すのが、「サード・ガール」での大沢くんエピソード。

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