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2008/07/06

7/8放映 大泉さん出演作 「あの日、僕らの命はトイレットペーパーよりも軽かった-カウラ捕虜収容所からの大脱走-」

直前になりましたが、忘れないようにという意味もこめて。

大泉洋さんと小泉孝太郎さん出演、そして中薗ミホさん脚本という「ハケンの品格」チームがお届けする、第二次世界大戦での知られざる事件をもとにしたドラマが7月8日(火) 21:00から日本テレビで放映されます。

あの日、僕らの命はトイレットペーパーよりも軽かった-カウラ捕虜収容所からの大脱走-」(公式サイト)

執筆の経緯については、東京新聞記事「“虜囚の恥”が招いた悲劇 戦時中の『カウラ事件』描く」に詳しく書かれていました。

 ドラマは、ニューギニア東部で連合国側の捕虜となり、シドニーの西方三百三十キロにあるカウラ捕虜収容所に収容された憲一(小泉孝太郎)と二郎(大泉洋)を中心に、収容所生活の中、望郷の思いと戦陣訓とのはざまで揺れた末、脱走を選択せざるを得なかった捕虜たちの姿を描く。日テレの次屋尚プロデューサーは「戦争物というよりも人間ドラマを前面に出したかった」と語る。

 憲一のモデルとなったのが、今回脚本を手がけた中園ミホさんの伯父・佐藤憲司さん(87)。中園さんは二十八年前、佐藤さんのオーストラリア旅行に通訳を兼ねて同行し、佐藤さんが捕虜だった事実を知った。収容所跡地で慟哭(どうこく)する佐藤さんの姿に、中園さんは「いつか自分の手で書かなければ」と決意したという。

 中園さんは佐藤さんが昨年脳こうそくで倒れ、「元気なうちに書かなければ」と昨年末から本格的に取り組み、十時間に及ぶ佐藤さんへの取材と、佐藤さんが書いていたノート二冊分の手記を基に物語を構成。憲一は佐藤さんの実体験をほぼ忠実に再現。二郎役は佐藤さんの戦友のエピソードを集約した。制作上最大の配慮は「実際に約八百人が復員し、今も収容所生活を隠して生きる人々がいる。地上波放送でその人々を傷つけてはいけない」(次屋さん)ことだった。


また日刊スポーツさんの完成披露記者会見の記事では、出演者二人からこんなコメントが。
 死を決意して脱走しながら生き残った日本兵を演じた小泉は「見終わった後に放心状態になった。この作品と出会えたことに感謝したい」。生きて帰ることを願いながら、脱走に巻き込まれ命を落とす日本兵役の大泉洋(35)は「生きることが、どれだけ素晴らしいことか、あらためて実感した。全身全霊で演じました」と話していた。

この事件のあったオーストラリアのカウラという場所について、また事件について、WONDERFUL AUSTRALIAというサイトでも「1カウラ(Cowra)  第二次世界大戦中、日本人捕虜の脱走 事件があった。」と紹介されていました。
 カウラは、シドニーの西約250㎞にある町です。このカウラは日本とオーストラリアの関係を語る上で忘れることのできない場所です。1944年8月5日つまりあと1年で太平洋戦争が終わろうとしていた冬のある日事件は突然起こりました。このカウラには、カウラ捕虜収容所があり、太平洋戦争で捕虜となった日本人やドイツ人イタリア人が収容されていました。戦争が長引くにつれ捕虜の数も次第に増え、一部を他の収容所へ移送することが決定しました。それを聞いた日本人捕虜の間で脱走の話が進み、1944年8月5日午前2時南忠男(仮名で全ての人は本名を名乗っていません。日本人捕虜の第1号でダーウィンを空襲したときに撃墜され捕虜になりました。南忠男とは日本の南へ行って天皇に忠誠を尽くす男という意味を込めて付けたそうです。)のラッパの合図で集団脱走を試みた。捕虜である彼らには当然武器らしい武器を所持しているはずもなく、食事用に供給されたナイフやフォークを持って監視兵の機関銃座や守備兵の兵舎へと押し寄せていった。この脱走事件でオーストラリア人4名を含め合計234名の死者と108名の重傷者を出しました。捕虜収容所跡は、今は牧草地が広がり、建物は残っていない。この捕虜収容所跡から南西に数㎞行ったところ日本人墓地があります。
 この脱走事件でオーストラリア人4名を含め合計234名の死者と108名の重傷者を出しました。捕虜収容所跡は、今は牧草地が広がり、建物は残っていない。この捕虜収容所跡から南西に数㎞行ったところ日本人墓地があります。この脱走事件で亡くなった234名はここで眠っている。

日本では歴史の教科書にも登場せず、存在すらほとんど知られていないこの捕虜収容所とそこで起きたことを、オーストラリアでは今でも忘れずに慰霊祭が行われているとのこと。10月に桜が咲く中開催されるのだそうです。

戦争を知らない世代の30代の二人にとって、生死をかけて仲間と脱走する捕虜役を演じたことは相当重い経験だったようで、東京新聞の記事で

 小泉は「オフの時も一九四四年にいるようだった。今でも満月の夜になると、思い出してしまう」。大泉も「(トイレットペーパーに脱走の賛否を示す)○×を書くシーンは、朝から夜まで泣き続けた。その時代に生きた人々の力を借りていたようで、忘れられない。五年、十年たっても自分の心から離れない作品」と沈痛な表情を浮かべた。

という感想を述べています。

身近な俳優達が演ずる、64年前の戦時中の、しかもオーストラリアという国で起きた事件。
しっかりと彼等の物語を見届けて、次の世代に伝える義務が私たちにはあるような気がしてなりません。

7/8追記:
「まさタローなんでも徒然日記」さんから「カウラ・ブレイクアウト!」というトラックバックをいただきました。
この事件について、昔オーストラリアで石田純一さん主演で映画化されていたそうなのです。そしてこの筆者の方は、実際にカウラにも行かれたとのことで、その時のことを書かれている貴重な記事です。

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コメント

この事件、15年以上前に、仕事で調べたことがありました。その当時で、すでにご存命の当事者の方を探すのが非常に難しく、仕事は成立しなかったのですが・・・。

中野不二男さんという、科学技術系を得意とされるノンフィクション作家の方が『カウラの突撃ラッパ』という本を書かれていて、それがこの事件を知るきっかけでした。

ドラマ、ぜひ拝見しようと思います。

投稿: みつひめ | 2008/07/07 11:03

>みつひめさん
なんと、みつひめさんがこの事件のことを調べられていたとは。どこでどうつながるか、わからないものですねぇ。
記事中でご紹介した「WONDERFUL AUSTRALIA」さんで『カウラの突撃ラッパ』を紹介されていましたが、Amazonで在庫切れだったので別の本を紹介させていただきました。

昨日の放映は録画してあり、週末にゆっくり観ようと思っています。

投稿: くりおね | 2008/07/09 22:28

録画予約をうっかり忘れ・・・(^_^;)
再放送がきっとあるでしょうから、その時こそ!です

中野さんの本は、版元品切れだか、絶版だかみたいですね。

投稿: みつひめ | 2008/07/10 12:13

>みつひめさん
私の周りでも驚くくらいたくさんの人達がリアルタイムで見ていました。だからきっと再放送やりますよ。信じて待ちましょう(^^)

投稿: くりおね | 2008/07/10 23:03

遅ればせながら、拙ブログのご紹介ありがとうございました。

この事件についてのオーストラリア映画『BROKEN SUN』が日本で上映されることになったそうです。
(「KAWASAKI しんゆり映画祭」にて)

映画についてまたブログに書きましたので良かったら覗きにきてくださいませ。
http://masataro.buzzlog.jp/e98566.html

投稿: まさタロー | 2008/10/10 02:30

>まさタローさん
はじめまして、くりおねと申します。
コメントをありがとうございました。
また、「BROKEN SUN」のしんゆり映画祭での上映情報もありがとうございます。主演俳優の宇佐美さんをゲストでお迎えして日本で上映される機会があるとのこと、貴重な情報をいただき感謝です。
残念ながら当日はお伺いできませんが、どうか盛会になりますよう陰ながらお祈りしています。

投稿: くりおね | 2008/10/13 00:47

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