第三回短期能楽教室合同発表会 無事終了
私にとっては二度目になる短期能楽教室の発表会、先日無事終了いたしました。
(こちらの写真は終了後舞台で集合写真を撮ってもらっている様子)
今回もタイムリー・オフィスのみなさんと合同で実施した発表会、総勢30名近くで代わる代わる仕舞と素謡を披露。5時間近くかけておこなわれました。
二度目になると緊張も初回ほどではなく、全体の様子を見ながら見所と楽屋を行ったり来たりして、気持ちにも若干余裕があったかもしれません。初回は思いつきもしなかった差し入れを持っていったりしましたので。(写真は差し入れに持参した小川軒さんのレイズンウイッチです)
私の出番は素謡「橋弁慶」「土蜘蛛」そして仕舞「鶴亀」「吉野天人」の地謡。ここまでは予定通りですが、当日欠席された方の代役で三期生の素謡「吉野天人」に、急遽地頭(地謡のリーダー)で飛び入り参加も。慌てて謡をもう一度iPodで聞き直してから出ましたが、若干怪しいところがあったのはどうかご勘弁を。
こちらは私たち二期生の「土蜘蛛」素謡の様子。全員役付なので、前列にこんな風に並んでいます。地謡は役に関係なく全員でやりました(ちなみに役は古典的に「あみだくじ」で決定)。この1年ずっと一緒にやってきた仲間なので、安心感がありますね。
やや怪しい箇所もありましたが、最後まで謡い切って何とか終了。謡ってる途中から汗びっしょりです。
その直後に今度は三期生の方の仕舞「鶴亀」の地謡として登場。
出番の前後に、楽屋で丸く座って「よろしくお願いします」「ありがとうございました」と挨拶をするんですが、この時はかなり慌ただしかったですね。
初めての舞台で緊張しているであろう三期生の皆様を少しでも応援するべく、夏の自分を思い出しながら一生懸命謡ったつもりです。
この写真は一期生の方の仕舞「経正」。さすがに動きも決まっていて、きれいです。雰囲気たっぷりで、周りに蠟燭だけの闇が見えるような気がしました。詞章も美しく、古語に誘われる夢幻の世界にしばし浸って。
最後は柴田先生の番外仕舞「土蜘蛛」。地謡は一期生のみなさんです。
シテの土蜘蛛の精を子方の柴田理沙ちゃんがやって、このように見事に蜘蛛の糸を飛ばしました。間近で見ると迫力で、蜘蛛の糸はとてもきれいです。
余談ですがこの蜘蛛の糸(正確には「蜘蛛の巣」)、観世流能楽師 中森貫太さんのブログ「お能を見せますぞえ」によると
なんと手作りで、しかも最近では作る人がいなくなってしまったのだそうです。完全手作りなので、頑張っても一日数個しか作れないという、貴重なもの。
とのこと。
ここは病床の頼光と土蜘蛛の精の闘いの場面で、刀を持って頼光が土蜘蛛の精に切りかかり、土蜘蛛も負けじとさらに糸を投げかけるという動きの大きなところ。謡も修羅ノリと言われるテンポのいい謡で、おそらくお能が初めての方もここを観ればそんなにとっつきにくくは感じないのではないかと思うようなところです。
二つ目の糸もきれいに放たれて、頼光にからまるも、頼光の刀が一歩上手で土蜘蛛を切りつけ、「おうと罵る声に 形は消えて失せにけり」と消えてしまう、そんなあっと言う間の番外仕舞、とても楽しませていただきました。柴田先生&理沙ちゃんありがとうございました。(名字は同じですが、お二人は親戚でも何でもなく偶然同じだったとのことです)
さて今回舞台用に着たのは、一昨年のshu*さんの結婚パーティの時に作った飛び小紋に、新調した帯を合わせたもの。帯はデザインとお値段で選んだんですが、織楽(しょくらく)さんという西陣の機屋さんの帯らしく、軽くて締めやすく、お値段も手頃ということで人気があるのだと呉服屋さんで聞きました。
帯揚げはグリーンを使ったら春らしくなって、秋はこれを茶色にすればいいとのこと。そんなところで季節感を出せるところが着物は面白いですね。
今回も自分なりには「心をこめて、真剣に」やったつもりですが、観ている方からはどうだったんでしょう。
柴田先生の報告エントリ「第3回 短期能楽教室合同発表会 更新」では
謡いは時々自分なりに作詞作曲する方がいましたが(笑)、本人に自覚があったようなので、こちらから注意するのはやめました。何よりもみんなの真剣さが伝わってきた、気持ちのよい舞台でした。
仕舞も立ち往生する人も無く、みなさん無事にもとの場所に戻ってこられていたので、まずは大成功としておきましょう!(笑)
こんなことを書いたら怒られそうですが・・・
この会に参加されている人は初心者ばかりで、稽古を始めて長い人でも1年半、もっとも短い人は半年。月2回の稽古です。それにしたらよく出来ていると思います。いや、お世辞抜きです。ほんとに!
という若干微妙な(?)講評があったので、少なくとも真剣さは伝わったのだと思うことにします。
とは言えまだまだ至らないところが多々あることを改めて自覚しましたので、また次回の発表会に向けてお稽古に励んでいきたいと思います。
また、四期生も引き続き募集中です。気軽にお能を体験できて、半年後には能舞台に立つことができるという非常にお得な教室、興味をお持ちいただいた方はぜひご参加くださいませ。
関連エントリ:
短期能楽教室発表会(合同) 無事終了(2007/08/28)
#憲人が謹慎の覚悟を決めて臨んだ「経正」はこちらの巻収録
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コメント
今頃ですが、発表会ありがとうございました。
右も左もわからぬままにあたあたと当日を迎え、先輩方にたくさん助けていただきなんとか格好だけはついたかなぁと思いました。とても心強くありがたいなぁとしみじみ感じました。心より御礼申し上げます。
気が付けば、私たちが今度は4期の方にとって今の2期の先輩方の立場!と思うとドキドキしますが、、どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます。感謝。
#すてきな写真もありがとうございました。
投稿: たかはし | 2008/04/10 00:54
>たかはしさん
コメントありがとうございました。
当日はお疲れさまでした。
次回もお互い助け合っていきましょう。引き続きよろしくお願いいたします。
投稿: くりおね | 2008/04/12 22:57