銕仙会さんの虫干し 2007
今年も行ってきました。年に一度の真夏の恒例行事、銕仙会さんの虫干しです。
お能で使う装束や面、腰帯などの小物類を蔵から出して、冷房に当てて虫干しをするそうなのですが、一週間の間日替わりで次々と出しては片づけの繰り返しで、舞台では袴姿しか拝見しない能楽師さんたちがTシャツに短パン、タオル姿で汗だくでもくもくと働かれている様子を見ると「大変だなあ」と思います。
こんな風に能舞台の上に色とりどりの装束が並べてかけてあるのを見るとやっぱり圧倒されます。和の色合いっていいなあ、とついうっとりと眺めてしまって。
私たちが眺めていると柴田先生もいらっしゃって、「あの舞台の時に使ったのはこれ」とか、どんな風に装束を選ぶのか、といったことを解説してくださいました。ラッキー♪
出された装束は傷み具合をチェックし、修繕が必要なものを針と糸で繕うという作業もあり、こちらは主に女手の世界。私は能楽教室の一期生の先輩の方と一緒にこちらをお手伝いさせていただきました。
遠くで見ているとわからないのですが、こうやって間近に見るとけっこう満身創痍で。銕之丞さんのお姉様・葉子さんがなるべく簡単そうなものを選んでくださったのですが、お裁縫の腕前はごく普通でしかない私ですので、繕っても繕っても終わらない~。ちくちくと手許に集中する時間を過ごしました。
最終日に出される面の虫干しも今年は拝見。その様子は柴田先生のブログエントリ「虫干し最終日!」の写真をご覧いただきたいのですが、こんな風に舞台の上と客席に面をずらっと並べます。「手を触れないでください」「汗に注意」という注意書きがあちこちにあって、本当に貴重品を出しているんだと見てるこちらも緊張。同じ「小面(こおもて)」「増女(ぞうおんな)」「喝食(かっしき)」でも作者によってぜんぜん違う印象があって、興味深いです。
特に重要美術品指定の室町・江戸時代からの面は、訴えかける迫力と言うか、ただものでない表情をしているものが多かったです。静夫さん、栄夫さん、寿夫さん、銕之丞さんと四人の名前がついた翁面があったり。柴田先生が昨年の「青葉乃会」で舞った「松風」で使った面もかなり古い時代のものを使わせてもらえたそうで、たしかに艶かしさが違うような気も。先生曰く「私は美しい、ということを知っている女の表情だよね」。深いなあ~。
面の虫干しの日も、引き続き修繕をお手伝い。ふだんは触れることのできない裏方仕事をかいま見れて、貴重な時間となりました。一般非公開の行事ですので、能楽教室生徒の役得かもしれません。
参考リンク:
夏の歌仙会と虫干し(柴田稔blog:2007/08/02)
関連エントリ:
銕仙会さんの虫干し(2006/07/30)
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