京都・亀屋良永さんの「御池煎餅」
さっくり軽く歯にあたり、口の中でほろほろっと一瞬の内に溶けてしまう。残るのはほのかな甘味、それもじき淡雪のように消えてしまう。京都・寺町御池の角にある「亀屋良永」さんの「御池煎餅」は、お煎餅という名前から想像するものとはあまりにも違っていました。
こちらもいつものように(?)、麻生圭子さんの「小さな食京都案内」で紹介されていたものです。御池煎餅、という名は耳に覚えがありましたが、どんなものなのかはこれを読むまで知らず、「とにかく、軽い、おいしい、あとを引く」「缶が、一晩でなくなることもあり」なんて書いてあると、これはどうしても実際に試してみたくなったのでした。
とは言え御池の本店までは足を伸ばせず、新幹線駅コンコースのおみやげ物屋さんで売っているのを見つけた時はほっと一安心。棟方志功の字で書かれた缶を無事買うことができた次第です。
昭和27年当時からこの淡い味を守っているという先見性に驚くと共に、シンプルだけどおいしいものを作り続けている京都の職人さん気質を、ここにもしっかり感じられました。
他にも美味しいお菓子がありそうなので、次回はぜひ御池の本店に立ち寄りたいと、お煎餅の味同様に淡い後味を残してくれたのでした。
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