EXIBITION 京都・相国寺「若冲展 釈迦三尊像と動植綵絵120年ぶりの再会」
遅ればせながらのご報告ではありますが、6月3日まで開催されていた京都相国寺 承天閣美術館にて開催された「若冲展 釈迦三尊像と動植綵絵120年ぶりの再会」に行ってきました。
前2回のエントリでの京都行きの最大の目的はこれだったのです。
かなりの混雑と聞いていたので、土日を避け平日に休暇を取り、10時開場の直前に相国寺に到着したのですが。
大甘でした。
既に入場口まで長い列ができていて、4列に並んでいます。
当日券を購入するまで25分。そのあと展示会場である相国寺承天閣美術館のエントランスに着くまで約10分。
ようやくたどりついたエントランスはこんな感じで、青を基調にしたクールな雰囲気。
会場は第一展示室と第二展示室に分かれており、第一展示室は鹿苑寺の障壁画の葡萄図や芭蕉図などが再現展示されていたりして、昨年東京では見ることのできなかった「京都の若冲」を観れたのがよかったです。
そして第二展示室が、いよいよメインの「釈迦三尊像」とそれを取り囲んで全部が揃って展示される「動植綵絵」の邂逅。なのですが。ここも混雑のため入場制限中。さらに15分ほど待つことに。
疲れて少々うんざりした気分になりつつようやく入場したのですが、入った瞬間目を奪われました。人はものすごく多くて頭越しにしか絵は目に入らないのですが、それでも「釈迦三尊像」と「動植綵絵」すべてが一同に揃って展示されているこの空間は特別なものでした。これらの絵はこうやって揃って並べられるのが元々のあるべき姿なのだと、一目見てすとんと納得。あの絵に「囲まれて」そこにいることができることに、大げさでなく感謝してしまいました。
展示の様子はWebでも「パノラマプレビュー」としてご覧いただけます。もちろん肉眼で見たものには及びませんが、雰囲気だけでも。
尚、京都新聞記事「奇才・若冲画、精密複製へ 上京・相国寺 4年後に完成」によると、すべての複製を4年後に完成させ、一般公開する予定とのこと。
複製品は京都市中京区の美術印刷「便利堂」(中京区)に発注。等倍のフィルムで撮影し、顔料を多く含むインクで木版画のように1色ずつ手作業で色を重ねる「コロタイプ」と呼ばれる印刷技術で精密に仕上げる。自然な濃淡表現ができるという。すでに宮内庁の許可を得て作業を進めており、釈迦三尊像の複製画は完成。相国寺に納められた。お寺によると1枚700万円以上の経費がかかる。全三十三幅の完成後は年に1度は公開。22日間で12万人もの入場者を集めた「若冲展」を再現する。また「観音懺法」で掲げる計画もある。
相国寺の有馬頼底住職(相国寺派管長)は「釈迦三尊像と動植綵絵は三十三面そろって初めて意味がある絵画だ。しかし本物のそろうのは今世紀中はないと思う。高い技術で複製し、少なくとも年1度はみなさんに見てもらいたい。コロタイプの技術維持にも貢献できる」と話している。
もちろん本物に優るものはないのですが、それでもあの美しい絵に触れるチャンスを増やすという意味では重要な取り組みだと思います。こういったことに寄付したりするのが本当の「メセナ」(死語?)のような気もするのですが。
それにしても22日間で12万人。確かに私が行った時、係員の方がその前の週末は土日とも8000人入っていたと話しているのが聞こえました。展示を見終わって外に出ると受け付けまで60分待ちで長蛇の列。平日なのにこの混雑、若冲人気おそるべし。
参考リンク:
「若冲展〜釈迦三尊像と動植綵絵120年ぶりの再会」の衝撃(かのこの劇場メモ~半券の余白:2007/05/27)
#かのこさんもかなり近い時期に京都に行かれていたことにびっくり。
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コメント
ここ数年の、若冲の人気は何だか凄いですよね。
くりおねさん、京都まで見に行った甲斐があって本当に良かったですね。人気の展覧会ですと 人ごみの中をぬって見回るだけで気疲れしてしまうので、それが難ですけれど、日本美術&奈良・京都好きの私としては羨ましい限りです・・・
先日、藝術大学美術館で開催中の『金比羅宮・書院の美』展に行ってきました。襖絵が主、作品は少なめでしたが、応挙ほか、若冲の花の作品も観てきました。
投稿: りんか | 2007/07/21 12:06
>りんかさん
コメントをありがとうございます。
京都まで行くのはさすがにちょっとやりすぎかしら、なんて思ってしまいましたが、もうこの組み合わせで生で見る機会はないと言われて思わず行ってしまいました。
芸大の展覧会、行かれたんですね。あれも貴重な襖絵が出展されているとのことで、機会を見てお邪魔しようと思っているにわか若冲ファンです(笑)。
投稿: くりおね | 2007/07/24 00:38