訃報:銕仙会能楽師シテ方・観世栄夫さん
5月の交通事故以来どうなさっているのか気になっていたのですが、かのこさんのエントリで逝去されたことを知りました。
能楽師の観世栄夫さん死去(asahi.com:2007/06/08)
能や演劇、映画に出演し、新劇の演出も手がけた能楽師の観世栄夫(かんぜ・ひでお)さんが8日午前8時35分、大腸がんのため東京都内の病院で死去した。79歳だった。葬儀、告別式は近親者で行う。喪主は妻恵美子さん。連絡先は銕仙(てっせん)会(電話03・3401・2285)。5月2日の交通事故で負傷し入院していたが、その後持病が悪化した。
事故後ずっと舞台をお休みされていたと聞いてましたが、実は病気もお持ちだったとは。
世田谷パブリックシアターでの「翁」の時に拝見したのが、最後になってしまいました。今年に入って急に体調が弱っていそうに見えたのも、今から思えばご病気の影響だったのかもしれません。
もう少し、舞台でのお姿を見たかったです。袴能で演じられた「砧」のシテが今も忘れられません。
ご冥福をお祈りします。
※Web版には掲載されていませんが、朝日新聞紙面には野村萬斎さんのコメントがありました。以下引用します。
能楽界にあって、現代舞台芸術との橋渡しをしてきた先駆的な方。私も、現代劇への目を開かされた。細かいことはおっしゃらないが、能楽のテクニックをどう使ったらいいかなど、ご一緒させていただくことで、いろいろ学びました。
関連エントリ:
STAGE 袴能「砧」他 (響の会第26回研究公演)(2005/09/04)
参考リンク:
おくやみ 観世栄夫氏=能楽師、俳優(YOMIURI ONLINE:)
七世観世銕之丞(てつのじょう)の二男に生まれ、3歳で初舞台を踏む。旺盛な好奇心は観世流だけに飽き足らず、喜多流に移った後、1958年には能楽協会を脱退するなど、型破りな行動をとった。兄の観世寿夫(ひさお)らと「華の会」を結成し、意欲的な演能も試みた。その一方で、劇作家の福田善之さんらと青年芸術劇場を、演出家の佐藤信(まこと)さんらと自由劇場を結成し、演劇や創作オペラ、舞踊などの演出に力を入れた。
また、俳優としても、舞台「子午線の祀(まつ)り」、映画「砂の女」「鉄輪(かなわ)」「午後の遺言状」などで、存在感のある独特の演技を見せ、異彩を放った。
79年に観世流に復帰。「生贄(いけにえ)」「実方(さねかた)」などの復曲や新作にも意欲をみせた。98年に能「檜垣(ひがき)」で芸術選奨文部大臣賞、2001年に勲四等瑞宝章。
6/9追記:
柴田稔先生もブログで追悼文を書かれています。亡くなる前日にお見舞いに行かれており、関係者としては最後の対面になったとのこと。これもお二人の絆でしょうか。
観世栄夫師追悼(柴田稔Blog:2007/06/09)
この日は銕仙会の定期公演の日でもあり、開演の冒頭に銕仙会のメンバー全員が舞台に上がり、「江口」・キリ(思えば仮の宿~)の部分をお手向けとして捧げました。
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