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2007/03/14

放送大学「演劇入門」は内容盛り沢山

かのこさんのエントリ「「笑の大学」あれこれ」で、放送大学の講座でこの三谷さんの名作が紹介されていたことが書かれていました。
その講座名は「演劇入門」。放送大学のサイトを見ると、平成19年度も開講される予定のようです。

演劇入門('06)-古典劇と現代劇-

日本の四つの古典劇―――能、狂言、人形浄瑠璃、歌舞伎を新しい視点から見るにはどうしたらいいか。そのためには第一にこの四つの古典劇を一つのものとして見ること。第二に他の現代演劇と比較しながら見ること。この二つの視点―――つまり、デジタルとアナログの視点からみることが大切である。そうすれば容易に伝統演劇を理解できるだろう。そのために今回の番組はできるだけ、作品中心、俳優中心、一番組読みきりを原則とした。
ということで、古典と現代劇両方を一気に学べるおいしい企画のようです。

テレビ放送時間は、4月から7月の第1学期は水曜7時30分~8時15分、10月から1月の第2学期は日曜15時15分~16時00分です。

シラバスからタイトルを抜き出してみます。
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1 現代演劇の展望
新しい演劇の見方を提案する。提案の骨子は二点。第一に、能、狂言、文楽、歌舞伎の四つの古典劇を一つの流れとして捉え、これを現代劇と対比して日本演劇の全体像を捉えること。第二にこれらの日本演劇の流れを世界の演劇と対比すること。以上の二点によって現代演劇の生きた姿の全体を分析する。

2 能「自然居士」
能の「自然居士」の演劇的な構造を分析する。この作品は、これまで言われてきたような単なる芸尽くしのドラマではない。一人の青年宗教家が人買いに買われる少女を救うことによって、真の宗教家として目覚め成長していく過程を描くドラマである。この構造を捉えることが、能を現代に生きる演劇として捉えることであることを立証する。梅若六郎主演。

3 能「松風」
能は「自然居士」のように一つのドラマであると同時に一方ではきわめて舞踊的な、音楽的な要素の強い曲もある。その代表的な「松風」の分析。松風はなぜ行平の遺品の衣裳を着て男装して舞を舞うのか。その演劇的な構造、変身の意味を分析することによって能のドラマを考える。故後藤得三主演。

4 狂言「釣狐」
ある山里で起きた事件。猟師に狐狩りをやめさせようと、猟師の伯父伯蔵主に化けた老狐が猟師の家を訪れる。狐の物語は実は人間の物語なのだ。この物語の陰に隠されている世代交替、自然と対立して自然を破壊していく人間の世界観を分析する。狂言はおおらかな喜劇であると同時に、人間に対する風刺劇でもある。その演劇的な意味を分析する。野村万作主演。

5 人形浄瑠璃(文楽)「道明寺」
文楽の代表的な作品「菅原伝授手習鑑」の二段目河内の国の郡領屋敷で起きる奇蹟劇を通して、文楽が人形劇として獲得した高い演劇的表現の意味を分析する。人形劇だからこそ表現される奇蹟、そして菅原道真が生きながら神に変身する神話の構造を問う。吉田玉男主演。

6 文楽と歌舞伎「すし屋」
文楽から歌舞伎に輸入された名作の一つ「義経千本桜」三段目「すし屋」を題材に、歌舞伎に輸入されることによってどういう演出上の工夫が施されたか。それによって歌舞伎の様式的な演技術の基礎がどのように作られたかを探る。いわゆる歌舞伎の「型」というものの面白さの研究である。中村富十郎主演。

7 歌舞伎「助六」
歌舞伎十八番の一つ「助六由縁江戸桜」を分析。「助六」は歌舞伎の歴史のなかでももっとも古い演目のひとつであり、それだけに多くの歌舞伎の本質を示している作品。たとえば江戸時代の二大「悪所場」であった芝居町と遊廓との関係もその一つである。市川団十郎主演。

8 歌舞伎「髪結新三」
河竹黙阿弥の代表作「梅雨小袖昔八丈(髪結新三)」を題材に歌舞伎の世話狂言の面白さ、その近代的な自然主義リアリズムに接近した世話物の芸の面白さを分析する。黙阿弥とチェーホフは年齢的に親子ほど違うが実は同時代人である。黙阿弥はチェーホフとどう違うのか。そこに歌舞伎の芸の秘密があり、限界もある。中村勘三郎主演。

9 歌舞伎舞踊「道成寺」と「鏡獅子」
歌舞伎全体の演目のなかでも舞踊は大きな比重を占める。そればかりではなく歌舞伎の芸あるいは歌舞伎役者の身体には舞踊の要素が強い。能の身体の伝統を含めて歌舞伎の身体とは何かを問う。歌舞伎舞踊の二大名曲「京鹿子娘道成寺」と「春興鏡獅子」を題材に、歌舞伎舞踊とは何かを分析する。故中村歌右衛門主演。

10 芸の構造 ---武原はんと井上八千代
能、狂言、文楽、歌舞伎の四つの古典劇に共通している芸の構造の背景には「素」という特別な思想がある。能の仕舞、文楽の素浄瑠璃、舞踏の素踊り。これらは演者が素顔で行うものであり、全ての芸の根底にはこの「素」の思想がある。素踊りに近い座敷舞の名人二人を題材にその思想の意味を問う。故武原はん、故四代目井上八千代主演。

11 リアリズム演劇「炎の人 ―――ゴッホ小伝」
近代劇は自然主義リアリズムをその出発点としている。その代表的な作品の一つである三好十郎作の画家ゴッホの伝記劇を扱う。この作品において名優滝沢修がそのリアリズム演技の頂点に立ったからである。その名演技を題材に近代劇の原点、それから発展した現代劇の一つリアリズム演劇の世界観、人間の捉え方、表現の仕方が古典劇とは方法論的に違うことを分析する。故滝沢修主演。

12 現代劇「別冊 谷崎潤一郎」
現代劇の代表作の一つとして鈴木忠志構成演出の「別冊 谷崎潤一郎」を取り上げ、世界的な演出家の一人鈴木忠志独特の方法と思想、そして演劇的に極めてレベルの高いこの舞台の構造を分析する。そのことによって今日の演劇の持つ意味、対社会的な役割―――いかに演劇が現代社会を写し出しているかを検証する。

13 現代喜劇「笑いの大学」
三谷幸喜の傑作であり、かつ現代喜劇の代表作でもある「笑いの大学」を題材に、演劇の基本構造、そして喜劇がどのようにして作られるかを分析する。さらにこの問題は人間にとって果たして笑いとは何か、笑いは人間が生きていく上に必要なものかにまで進展する。西村雅彦、近藤芳正主演。

14 ミュージカル「マイ・フェア・レディ」
「マイ・フェア・レディ」は日本ではじめて上演された翻訳ミュージカル。イギリスの劇作家バーナード・ショウが大正元年に書いた近代劇「ピグマリオン」を原作としている。近代劇がミュージカルになることによってなにを得、なにを失ったかを分析することによって、ミュージカルの特性を研究すると同時に日本の古典劇との違いを明らかにする。

15 21世紀の演劇
古典劇と現代劇との比較を通して、演劇の本質を分析する。近代劇を超えるために東洋の古典劇に注目した三人―――アルトー、ブレヒト、ヤン・コットの三人の業績を考えながら、彼等が東洋―――とりわけ日本の古典劇に発見した演劇の構造こそが将来の21世紀の演劇の指針になるのではないか。その可能性を探る。
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梅若六郎さんの「自然居士」!野村万作さんの「釣狐」に井上八千代さんの座敷舞!文楽に歌舞伎、そして三谷さんの「笑の大学」まで、伝統芸能から現代劇を網羅。これを見れば日本の演劇のエッセンスをきっちり知ることができます。すばらしいコンテンツ。永久保存版ですね。

テキストも販売されています。始まると入手しにくくなるので、ご予定の方はお早めにどうぞ。

演劇入門―古典劇と現代劇
渡辺 保
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