新潟の鮭、埼玉の鮭
秋が深まり、と言うよりここ数日の冷え込みは冬が近づきといった趣ですがそれはともかく、実りの秋、ということでいろんな食べ物が美味しい季節です。
そろそろ鮭も旬を迎え、江戸時代から鮭の自然ふ化増殖を行っている新潟県村上市では鮭の加工品「塩引き鮭」づくりが始まっている模様です。
村上で塩引き鮭の道場が好評(新潟日報On-Line:2006/11/22)
伝統の味・塩引き鮭(ざけ)の作り方を学ぶ講座「塩引き道場」が村上市のイヨボヤ会館で開かれ、県内外からの受講者に好評だ。来月10日までの期間中、「ほとんどが予約でいっぱい」と関係者がうれしい悲鳴を上げている。 同会館で教えている塩引き鮭の作り方は「村上市公認」で、同市役所が村上城三の丸跡の一画にあることから「三の丸流」と呼ばれ、先生役の師範の多くは同市職員のOBが務めている。「師範」が市役所職員OBとは知りませんでした。さすが鮭の町。 切腹につながるのを嫌って腹を全部割かない、というのも県内では有名な話ですね。
ところで、塩引き鮭と新巻鮭ってどう違うんだろう、とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。イヨボヤ会館公式サイト内記事「なっとく村上の鮭」によると、
新巻鮭とは、生鮭の内臓を取り除いて水洗いをし、塩をまぶして急速冷凍保存された鮭です。
塩引き鮭は、生鮭の内臓を取り除いて水洗いして塩をすり込み、1週間ほどおいてから、水で塩を抜いて、軒下などに数週間ほど乾かした鮭です。
11月末ごろから、村上市内の家の軒下や商店の店先には、「つなぎ腹」(すべて裂かない)にし、頭を下にしたこの「塩引き鮭」が下がりはじめます。
ということで、じっくり寒風にさらして熟成させた鮭なのですね。たしかに以前切り身を焼いて食べた時、鮭特有のいやな生臭さがなく、滋味あふれる美味しさだったことを覚えています。
こんな鮭名産地近くで育ったせいか、太平洋側では鮭はいないものだと思い込んでいましたが、実は利根川でも鮭が遡上してくるということを、おなじみ「日刊サイタマ」さんの記事で知りました。
シャケー もう2000匹超が遡上しました(日刊サイタマ 本日のダメ出し:2006/11/24)
大堰を管理する水資源機構がシャケの遡上調査を始めた昭和58(1983)年にはたったの21匹(年間)しか確認されなかったシャケ。それが、今年度(11月21日現在)はすでに2049匹 グフグフ
のシャケが観測されています。つまり、初調査と比較すると約100倍のシャケが上ったことになりますが、水質の大きな変化はないとのことで、約10年前に改修した魚道と稚魚放流などの効果によるものと考えられています。ちなみに平成16年度は1088匹、17年度は2063匹のシャケが確認されました。
こんなにもたくさんの鮭が利根川を遡っていたなんて、恥ずかしながら初耳でした。凄いぞ利根川。
利根川は太平洋のシャケ遡上の南限とされていますが、昭和20年代後半は産卵するシャケの姿がほとんど確認されなかったそうです。それじゃあいかん
と昭和56(1981)年に「利根川にサケを呼び戻す会」(群馬県)が誕生。前橋市内から稚魚の放流を開始し、同59年以降は群馬県水産試験場なども加わって毎年20万から30万匹が放流されているそうです。
エントリには利根導水総合管理所へのリンクもあり、魚道の様子をライブ中継で見ることができます。早朝と午後2時くらいがピークタイムとのことですので、いい時間にどうぞお試しを。私もしっかり「きゃ~、シャケ~」することができました。
見て楽しい、食べて美味しい鮭。どちらもこれからが本番です。
これでは大きすぎる方には切り身を↓
塩引鮭切身大切(1切)
※村上塩引き鮭の名店のお嬢さんが登場する「新巻鮭と塩引き鮏」収録の「おせん 5巻」です↓
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コメント
こんにちは~。最近、急に冷え込んでいますが、風邪などひかれていませんか?
TB&拙ブログの紹介をどうもありがとうございます。
>伝統の味・塩引き鮭(ざけ)の作り方を学ぶ講座「塩引き道場」が村上市のイヨボヤ会館で開かれ、
ううむ、気になる道場です。空手着でぜひ参加したいですね。イヨボヤ会館というネーミングも気になります。グフ
今日はこれから京都に行ってきます。今日、明日と非番で、以前ワシントンにいたときに世話になった方が帰国中なので、会いに行ってくるわけですが、この雨。さすが雨女の日刊サイタマ。我を憎みます・・・
また寄らせて頂きます~
投稿: 日刊サイタマ | 2006/11/27 09:16
くりおねさん、こんにちは!
日刊サイタマで刺激され、くりおねさんにも刺激され・・・
シャケ食べたい!
新巻鮭の意味って初めて知りました。単に年末に売っている一匹丸ごとの鮭を新巻鮭っていうのかと思っていました。
知らないというのは恥ずかしいことです。
投稿: 小龍景光 | 2006/11/27 14:24
お返事遅れて申し訳ありませんでした。
>日刊サイタマさん
こちらこそ、美味しい話題をありがとうございました。京都は楽しかったですか?
>ううむ、気になる道場です。空手着でぜひ参加したいですね。イヨボヤ会館というネーミングも気になります。グフ
おお、そう言えば日刊サイタマさんは空手をされるんでしたね。来年はぜひ空手着でご参加を。
ちなみに「イヨボヤ」の「イヨ」とは「ウオ」からの転用で、「魚の中の魚」であるという意味から「イヨボヤ」即ち鮭のことをさす言葉となったんだそうです。
>小龍景光さん
おいしいシャケが食べたくなったでしょ~。グフグフ。
そんな方々のために、塩引き鮭のリンクを張っておきました。ぜひお試しを。
投稿: くりおね | 2006/11/30 00:40