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2006/08/13

地元民として 「がんばれ北越製紙」

北越製紙」イコール「地元新潟の(地味な)製紙工場」というイメージしか持ってなかった私は、こんなローカルな会社の名前をトップニュースで新聞一面などで見ることになるとは、まったく思ってもみませんでした。
7月23日に王子製紙が北越製紙へのTOBを発表して以来、この社名を見ない日がないくらい。おまけに日本製紙や大王製紙など次から次へと登場プレイヤーも増えていき、もう何だか大騒ぎです。

金融や経済の分野はまったく素人なのですが、日々Webで出る記事は一応チェックする毎日で、元地元民として「いやあ、どうなっちゃうんだろう」とハラハラしながら見ています。
新潟日報に出た記事を見ると、北越製紙社長は地元新潟でのアピールを強力に行っているようですね。

三輪社長、最新設備の優位性訴え(新潟日報On-Line:2006/08/11)

 王子製紙による敵対的な株式公開買い付け(TOB)の開始後、初めて本県入りした北越製紙の三輪正明社長は10日、報道陣に新潟工場(新潟市)を公開し、同社の最新鋭設備の優位性を訴えた。三輪社長と下越典彦常務新潟工場長が直々に説明を行うという力の入れようで、効率性に優れる設備を背景に、「自主独立路線」は十分維持できることを印象づけようとする意図がうかがえた。
ネクタイはずしてヘルメットをかぶり、報道陣を自ら先導して案内する社長の姿を見て、北越は一貫して泥臭さで責めてるなあ、と思いました。

とは言え、王子製紙の言う「グローバルに優位性を持つためには業界再編が必要。北越独立ではダメ」というのも、一応正論ではあるのですが、じゃあなんで王子との合併なの?というところにいまひとつ説得力を感じません。

やはりここはプロの目から見てどうなのかを知りたい、と山崎元さんが書かれている読売新聞サイトの記事を読んでみました。

北越製紙めぐるゲームの観戦ガイド」(YOMIURI ON-LINE:2006/08/10)

まず北越製紙、三菱商事、王子製紙のキープレイヤー三社の現状の立場に関する概略は以下の通り。

 まず北越製紙の経営者は、三菱商事による増資及びその延長線上の提携で、北越製紙の株主が、これがなかった場合に王子製紙のTOBに応じて株主が得られたはずの株価である、一株860円以上の株価を得られるであろう事を、合理的に説明できなければならない。余程素晴らしい経営計画があることと、これが三菱商事との連携で確実に達成されることを、具体的に説明しなければならない。

 現実の株価の攻防が800円台に移っている時に、一株607円で北越製紙に増資できる三菱商事は、株式市場の参加者から見ると大変うらやましい立場だ。同社の株主の利益のためには、このチャンスを有効に生かす必要があるだろう。
 ただし、単に増資を引き受けただけでは、北越製紙の既存株主に損をさせていることになるし、今後たとえば王子製紙なり別に現れた買い手なりに、北越製紙の株式を高く売る展開になると、同社としては短期間に大きな利益を手にすることになるが、ビジネス界での評判としては、かなりの不評を買うことになるだろう。また、日本の製紙業界第1位である王子製紙とのビジネス関係をどう考えるのか、といった問題もある。三菱商事の今後の動きは、日本のビジネス界の現状を探る上で、大いに注目できる。

 王子製紙は、ビジネス的にはいささか強引な買収者だが、資本市場の論理としては、今のところ「正論」の立場にある。どの当事者とも話し合う用意を見せており、自分の側は、具体的な株価を提示して問いかけている。またTOBは、期間中に売り手にとって不利な条件変更が出来ないが、状況によっては、買い取り価格を上方修正するような追加的な手を打つことが、同社には可能だ。

そして、国内シェアという視点で、公正取引委員会というプレイヤーも存在するとのこと。
 一方、一つ気になるのは、王子製紙が北越製紙を傘下に収めようとしていることの理由が、実質的に日本の製紙業界内の生産調整にあるのではないかという点だ。経営統合による生産の合理化とは、統合しなければ起きていたような、自社の設備と北越製紙が予定する最新の設備との競合を回避することを意味するし、大きなシェアを持つことによる価格支配力の強化は、王子製紙にとってのビジネス上のメリットではあっても、紙のユーザーにとってはデメリットとなる。仮に、北越製紙の株式の過半数を制することになっても、王子製紙が希望するような経営統合を公正取引委員会が認めるのかどうかが、次の焦点になろう。実は公正取引委員会は、このゲームの隠れた主役の一人なのかも知れない。

確かに大王製紙が既に公正取引委員会に上申書を提出するという報道もあり、北越製紙のプレスリリースにも「王子製紙の提案における問題点」として指摘されています。

地元の二大地銀・第四銀行と北越銀行を押さえ、県知事や新潟市長への社長陳情で北越支持を取り付けている現状では王子製紙は苦しい立場になっているのは間違いありません。
東京新聞の記事「苦境王子 どう対抗 『北越に統合効果』強調」では、

印刷会社の業界団体である日本印刷産業連合会も、寡占化による紙価格上昇を懸念。篠田社長は、これほど多方面からの反対は「当初は友好的に経営統合するつもりだったので、想定していなかった」と打ち明ける。

とあり、TOB反対包囲網に包まれて孤軍奮闘している様子が感じられます。

でも、ここで終わるとはあまり思えません。山崎さんも読売記事の中で

北越製紙を巡るゲームには、新たな買収者が現れる可能性もあるし、各プレーヤーのアドバイザーとなって、利益の確保を目指す証券会社同士のアイデア勝負も、別の業界内では「見所」であるといえる。
 お楽しみは、まだまだこれからだ。

と書かれています。お盆明けにはさらなるサプライズがある可能性もあり、予断を許しません。

何にせよ、北越製紙は地元で数少ない地場の大きな会社です。そういう会社が自分達の知恵と工夫で第三勢力として生き残っていく方を、私は応援したいです。株主のみなさんにもそういう提案をし、納得していただけるといいのですが。どうやら今の事業計画は「根拠の乏しいもの」と一部みなされているようですので。
東京本社の大手会社の出先ばかりでは、地方経済はますます細くなってしまうでしょう。太くたくましく、地元とともに成長する会社であってほしいと思います。

北越製紙の新潟工場は、実は私の実家から市街地に出る時の通り道にあります。バスや車で街に出る時は、必ず敷地の横の道路を通らなければいけません。昔はかなり臭いがきつくて、横を通るたびに閉口していましたが、母によるとここ最近は臭いもほとんどなくなったとのこと。そういう改善を続けてくれる限り、「がんばれ北越」とエールを送り続けます。

参考リンク:
第3極つぶしは許さない 三輪正明・北越製紙社長がTOB拒否の論理を激白(NBonline:2006/07/31)

「額に汗して働く社員の気持ちは買えない」北越製紙の三輪社長が地元入り、新潟工場を報道陣に公開(NBonline:2006/08/10)

完全子会社化ほぼ不可能 記者会見での一問一答(中国新聞:2006/08/11)

北越製紙 支持固め 王子けん制狙う(新潟日報On-Line:2006/08/09)

#この記事は「週刊!木村剛」の「[週刊!岡本編集長] ホリエモンのアドバイザーに聞いてみた」にトラックバックしています

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