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2006/07/30

銕仙会さんの虫干し

先日、銕仙会の能楽師・柴田さんからお誘いいただいて、虫干しにお邪魔してきました。
能舞台バックステージツアーのお手伝いをさせていただき、そのご縁でご案内いただいたという訳です。
柴田さんからは見学だけでもいいですよ、と言っていただいたのですが、せっかくの機会なので、装束の修繕をお手伝いさせていただくことに。

成田美名子さんの「花よりも花の如く」で何度か虫干しのシーンが登場していますが、お能の世界では年に一度夏に虫干しをするそうなのです。そこでは装束や面などに空気を当てて、また装束などは修繕をしているとのこと。

※虫干しについては柴田さんがブログで写真を入れてエントリを書かれていますので、詳しくはこちらをご参照いただければ。

年に一度の「虫干し」(柴田稔Blog:2006/07/20)
#虫干しって何?どうやるの?という基本的なご説明。

年に一度の「虫干し」 ②(柴田稔Blog:2006/07/22)
#美しい扇がこんなにたくさん。うっとりしてしまいます。

年に一度の「虫干し」 ③(柴田稔Blog:2006/07/26)
#最終日は面の虫干し。ずらりと並ぶ面の数々。壮観です。

私は初めてお邪魔した虫干しの感想などを少々。
半日だけのお手伝いでしたが、とても楽しかったです。

Mushiboshi01どこから入っていいのかわからなかったので、ひとまず見所に足を運ぶと、こんな風に、舞台の上に装束がずらりと干されている様子に、「おお、これが噂の虫干しなんだ。」となぜか感動。
そちらにいらした馬野さんに声をかけて聞いてみると、裏の楽屋で修繕をしているとのことだったので、バックステージツアーで入った楽屋へ。

そこには大勢の女性の皆さんがめいめい針仕事をしてっしゃいました。
流儀がわからずうろうろしてると、初老の上品な女性から声をかけられました。おそらく観世家の方なのだろうと思いながら(のちほど銕之丞先生のお母様と判明)やり方を聞き、座る場所や裁縫箱をいただき、担当の装束とそれに合うだろう色の絹糸を渡されて、いざ修繕スタート。

Mushiboshi04とは言え針を持つのも久し振り、縫い物なんか何年していないんだろうという状態だったので、最初は不安でしたが、ゆっくりじっくり針を動かすうちにだんだん慣れてきて、心地よい集中状態に。
かなり満身創痍の装束で、最初に指示いただいた場所の他にも次から次へと繕いが必要な場所が発見されます。薄物だったので、オーガンジーの裏布を当てたりしながらちくちくと縫い続けました。

結局半日ではとても直しきれず、途中で終わってしまいましたが、久し振りの針仕事は予想以上に楽しい時間でした。ああいう風に集中して手仕事をする機会って最近なかなかないので、新鮮に感じたのだと思います。もともと編み物なんかは好きでしたから。

腰を落ち着けて間もなく、もともとお隣にいらしたらしい方が戻って来られ、ご挨拶すると、観世銕之丞先生の妹さんの麻紀さんでした。成田さんの「花よりも花の如く」2巻の巻末マンガ「花を描くのも楽じゃない」に登場されている麻紀さんですが、本物にお会いしていささか緊張。図々しく名刺などお渡ししてしまいました。

お弟子さんやご友人など、いろんな方々が装束や腰帯などを針と糸で修繕している様子はなかなか壮観でした。
またご挨拶も、きちっと正座して両手をついて深々と頭を下げるやり方を皆さん自然とされていて、立ったままぴょこんとお辞儀をしていた自分を恥ずかしく思った次第です。来年はちゃんとご挨拶からできるようにしないと。

残念ながら最終日の面の虫干しは今年は都合がつかなくてお邪魔できませんでしたが、来年はぜひ。

関連エントリ:
第一回「能舞台バックステージツアー」参加レポート(2006/07/05)

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