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2006/05/30

MOVIE 「間宮兄弟」

日常を彩るさまざまなお約束と大切な人との時間を何より大切にする生活。兄弟二人のそんなささやかな幸せとちょっとした冒険、そして周りの人との関わりを暖かい目で描いた映画。
間宮兄弟」は私にとってそんな作品だった。

※以下内容に触れていますので、未見の方はご注意ください。

原作は江國香織の小説「間宮兄弟」。それを「(ハル)」の森田芳光監督が脚本を書き、監督すると言うのを聞いて、小説は未読にもかかわらず「それは楽しい映画になりそう」と思った。そして「かもめ食堂」を観に行った時に予告編を見てすっかりやられ、もう絶対観に行こうと決心。

ちょっと収集癖があって、ちょっと変わった行動(30男が二人で「パイナップルじゃんけん」はさすがに妙)を取り、雑学好きで、オタクと言うよりはマニアックな男二人兄弟の共同生活は、なんだかあったかくてほのぼのしてて、居心地よさそうだ。だから彼女ができないのだとも言えるが、日々の暮らしの中で大切なものがはっきりしていて、それをきっちり守って生きていく姿は見ていてどこかうらやましくもある。

「今日の反省会」と称して男二人枕を並べてふとんを敷き、その日のことについてだらだらしゃべるなんて実際はありえないのだろうけど、兄弟という枠組みを使ったファンタジーなのだと思うとそれも違和感はない。

一番印象的だったのは、ぼったくりバー(コーヒー牛乳2本で10万って・・・)でやられて憤懣やる方なく帰って来た弟をがっしり抱きしめ落ち着かせようとする兄が言う一言「おなかすいてないか?兄ちゃん得意の塩むすび作ってやるから」。ここで弟からはぷしゅううううううう、という空気の抜ける音がして、やっと落ち着いて着替えに向かう。
着替えている様子をちらちら見やりながら慣れた手つきでおむすびを作る兄の視線や、そのつやつやしたおいしそうな塩むすびのアップ、そしておむすびをほおばりながらぼろぼろ泣いてしまう弟のいじらしい様子。

兄の佐々木蔵之助と弟の塚地武雅(ドランクドラゴン)がまるで本当の兄弟のような息の合い方で、間宮兄弟が実在するとしたらこの二人以外ありえない、と思うくらいだった。一見冴えないのに妙に色っぽい小学校教師の常磐貴子やビデオレンタルショップの店員で間宮兄の片思いの相手の沢尻エリカが物語を彩り、そして何と言っても間宮母の中島みゆきの存在感のすばらしさ。

(ハル)」の時もそうだったが、平凡な人間の普通の日常と、その中で交わされる会話がとても心地よい作品だった。ほんの少しかっとんだ、でもいかにも本当にいそうな人達が織りなす人間模様。そんな人達を「そういうのだって、アリだよね」とあたたかく見てくれているような、そんな視線を感じるのだ。

(ハル)」で深津絵里の妹役だった戸田菜緒が出演。また、京王線が使われていて、「(ハル)」の時も京王線だったよなあ、と思い出した。そう言えば「(ハル)」の中でもシーフードカレー作ってなかったっけ。森田監督の好物なんだろうか、なんて関係ないことを連想したり。

関節がボキボキいう音とか、まばたきのバチバチした音など、いろんな「音」がくっきり使われているのは、映画館だからこそ楽しめる趣向だろう。

ちりばめられた小ネタでくすくす笑って、うまくいかないなりゆきにちょっとしんみりして、でも最後はなんだかほんわかした気分になって帰ってくる一本。
家に帰ったら、カレーを作りたくなることうけあい。

ああ、そうそう、エンドロールは必ず最後まで見ることをお忘れなく。

関連リンク:
祝・『間宮兄弟』 公開&大ヒット!!(映画「間宮兄弟」の公式ブログ:2006/05/13)

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