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2006/03/27

PLAY 「決闘!高田馬場」 PARCO歌舞伎

三谷幸喜さんが初めて手がけた市川染五郎さん主演の歌舞伎「決闘!高田馬場」が、25日にWOWOWでPARCO劇場より生中継放映されました。

※以下内容に触れていますので、未見の方はご注意下さい。

タイトルロールの後会場後方のカメラへ。やがて三谷さんが登場するといきなりアンケート。初めて歌舞伎を観る人、初めて三谷さんのお芝居を観る人、どちらも観たことのない人、と質問。最初の二つはパラパラと、最後は一人二人くらい。「珍しい方ですね」のコメントに会場爆笑。

その後、「歌舞伎を初めて観る方のために特別講師を呼んでの解説します」ということでキャストの一人の市川亀治郎さんが登場。「PARCO劇場10年使ってるけど、盆回りがあったなんて知らなかったよ」と三谷さんが言えば「ここのは『蛇の目』と言って表面ともうひとつ奥と二段あるんですよ」と妙に詳しい亀治郎さん。普通のお芝居にはない歌舞伎独特の柝(き)打ちや附け打ち、長唄さんや竹本(義太夫)さんに鳴物さんをご紹介。舞台の奥上部で板を見下ろす感じでずらっと並ぶ様子はとても斬新。

即興で合わせてみましょう、と言ってTシャツにジーンズの勘太郎さんが登場。携帯を驚いて落とし、拾い上げるというしぐさに効果音やBGMをつける、という趣向で、オチは「携帯は電源切ってね!」といういかにも三谷さんらしいもの。

爆笑の解説が終わると、いよいよPARCO歌舞伎の始まり始まり。

すると。

「PA PA PA PA PA PA
PA PA PA PA PA PA
PARCO歌舞伎見参!」

って、こんな歌詞長唄さんに唄わせていいんかい!とつっこみながらもう三谷ワールドに。

のちに赤穂四十七士の一人として討ち入りを果たす、飲んだくれの浪人・中山(のちの堀部)安兵衛が、策略にはまった叔父の助太刀に駆けつけるという人気の史話「高田馬場の決闘」をモチーフにして、長屋の住人と安兵衛のからみを中心にストーリーは進んでいく。

三谷さんらしい対話の妙と歌舞伎の決まり事を逆手にとった演出が、役者さんの達者な芸と融合して、まあとにかく面白いったらありゃしない。
セットの中にちんまり座り、盆に乗って回る長唄さん、シュノーケルをつけてる附け打ちさん、義太夫さんがマイク持って解説など、役者さん以外の皆さんもフル稼働。真面目な顔して淡々と自分の仕事をしている様子がたまらなくおかしいのだ。
途中で突然人形劇まで始まり、いや何だかやりたい放題。

勘太郎さんは果たし合いに使おうとしている棒を手にして突然「イエス、イエス、イエース、ウォーウォーウォーウォー、イエースイエースイエーース!」とカーリングのスウィーピング始めるわ、そこに入ってきた染五郎さんがのけぞってぼそっと「イナバウアー」。ここは朝日新聞のコラムで三谷さんが書いていたので、こちらは「イナバウアーキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!」状態。

ラストは長屋の仲間を巻き込んで、高田馬場に助太刀に走る、走る、走る!「助太刀いたす~!」

と、ここで幕。笑って笑ってハラハラして、最後はほろりと泣いて。いやあ、すごい勢いの歌舞伎。こんなの見たことないくらい。
会場もスタンディング・オベーションで、アンコールも5回も。さすがに役者さん達もふらふらして。

今回は大向こうさん(「高麗屋!」「音羽屋!」「中村屋!」など声をかける人達)の声が聞こえなかったのがちょっと残念。

しかし歌舞伎役者さんというのは、なんと鍛えられた人達なんだろう。声色も表情も体の動きも実に多彩で、素晴しいの一言につきる。長年の稽古の積み重ねと、何より芝居が好きでたまらない気持ちが、彼らの動きすべてを「芝居」にしていくのかもしれない。しかもアドリブ好き・新しもの好きらしいし。そして何より華があって、観ていてとても楽しい。

ところで、同じく3月に渋谷のBunkamuraで上演している「コクーン歌舞伎」。勘太郎さんの父・勘三郎さん主演で「東海道四谷怪談」をやっているのだが、3月20日にこの二つの舞台のコラボレーションが実現したらしい。本職の附け打ちさんが書いているブログ「附け打ちエッセンス」のエントリ「渋谷歌舞伎両対決!サプライズ!」でその様子がこのように紹介されていた。

PARCOでは、中村屋丈が客席から登場!染五郎さんが舞台には上げさせないぞ!と踏張ってついに敵討ちの助太刀を断るっていう演出。中村屋丈そのままコクーンへ帰っていきました!

コクーンでは、染五郎丈、大ハシャギでした。あのPARCO歌舞伎のテーマ曲にのって登場!一瞬にして舞台を走り去ったあとは、じらして客席から登場!レッドツェッペリンの曲がかかっての本水の立廻り…客席には、串田和美さんと三谷幸喜さんがいまして…。


なんと美味しい演出。客席の盛り上がりも相当だっただろう。うらやましい・・・。

おまけ:
舞台放映終了後、いきなり勘三郎さん登場。なんとコクーン歌舞伎もWOWOWでやるとのこと。
おまけに「労働者M」が6月、さらにベガーズオペラも4月28日に放映。
もうWOWOWさん、舞台放送激しく充実。舞台好きの方は加入しておいて損はなさそう。

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あたりが闇につつまれると古畑任三郎のテーマを一節、篠笛が奏す。軽いざわめきの中、期待感が膨らむ。舞台上の和楽器ピット(ワガピ?!)には御簾が降りて間接照明にて個々の奏者が薄っすら観て取れる。(舞台背後中上段に位置し、客席にダイレクトに音が伝わる三谷流黒...... [続きを読む]

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