« 人形アニメーション映画「死者の書」に観世銕之丞さんが声の出演 | トップページ | 「コカ・コーラCMソング集Super More」3/24発売 »

2006/03/19

MOVIE 「シムソンズ」

大泉洋さん出演の青春カーリング映画「シムソンズ」、やっとやっと観ることができました。
以下感想やら何やらなど。

※内容に触れていますので、未見の方はご注意下さい。

まず、最初に一言。いつもはレビューは「です」「ます」では書かないのですが、この作品に関しては「です」「ます」の方が自然に書けるので、例外として文体を変えさせていただきます。

また、私は家族が北海道、しかも舞台になっている常呂と佐呂間町をはさんでお隣の遠軽町出身であり、オホーツクエリアが大好きなこと、また大泉洋さんのファンでもあることから、どうしても「身内な」評価となってしまっている可能性が高いです。そのあたり、ひらにご容赦いただきたく。

前置きはここまでにしておいて。

一言で言えば、キラキラした、ほかほかの青春ストーリー。
なんにもない田舎で暮らす、なんにもない自分自身にうんざりしている高校生の女の子が、ひょんなことで知らない世界に一歩踏み込むことになる。そこで仲間を得て、見守ってくれる大人達がいて、やがて彼女達は思いがけない「キラキラしたもの」を一緒に見つけていく。王道といえば王道のストーリーですね。
そこに大泉さん演じる大宮コーチの「一度はプロの世界からドロップアウトした人間の再生ストーリー」をからめ合わせて、常呂という自然の中であったかいひとつの物語にしていきます。

キラキラは外の世界でも他の人間でもなく、なんにもないと思っていた田舎と、なんにもないと思っていた自分自身の中にあったんだ。それを実感し、見えない明日に悩むのではなく「今」を精一杯生きていこうとした時、彼女達の人生は未来に向かって生き生きした時間を刻み始めます。

個人的に一番印象的だったのは、一度四人がバラバラになりかけた時、自宅で受験勉強する史江の家に牧場の娘・菜摘が訪ねて行ったシーン。門前払いを食らうけど、史江の部屋の窓に向かって菜摘は「ありがとう!私を見つけてくれて!」と呼びかけます。いつも家の仕事で忙しくて、学校で友達もいなかった菜摘のブラシさばきを買ってメンバーに誘おうと言ってくれた史江に対して、菜摘はきっと心から感謝し続けていたのでしょう。彼女のそれまでの孤独さと、仲間ができて本当にうれしかった気持ちがあふれていて、ぼろぼろ泣いてしまいました。

初冬の常呂の澄んだ空気。光の加減がとても美しく、夕暮れ前のどこかあやうい陽射しの色は、傷つきやすく不安定な彼女達の心情を一瞬切り取っていたように感じました。
サロマ湖のほとりにいつの間にか集まる4人。海のような大きな湖に包まれて、彼女達は「再生」するのです。
銀のエンゼル」もそうだったのですが、私が観た北海道を舞台にした映画はなぜかとてもあたたかいものが心に残ります。スクリーンを通して伝わってくる寒さが逆に人のあたたかさを際立たせてくれるのでしょうか。
そういう意味では北海道の風景や空気そのものも、大切なキャラクターのひとつと言えるかもしれません。

大泉さんはいい役をもらいましたね。「銀のエンゼル」の時もそうでしたが、ガテンな職業の役がなぜかとても似合うし。ホタテ漁のシーンなんかハマりすぎてて、どれが大泉さんか一瞬わかんなかったくらい。チャラチャラ軽くていいかげん風だけど、どこかさみしがりの素朴な人を演じたら、彼の右に出る人はなかなかいないでしょう。北海道弁が加われば最強。
ただ、「紳士的に勝てないなら、敢えて負けを選べ」というカーリング精神を守った彼がなぜ「常呂の恥」と言われなければいけないのかが、どうも納得できなかったけれど。

また、肝となるカーリングシーンが、トリノオリンピックで一流の素晴しいプレイをさんざん見てしまっただけに、試合のシーンでまだよたよたバランスが取りきれずにいるのを見ると、ちょっとがっかりしてしまうところは正直ありました。素人高校生がどんどん上手くなっていく、という設定なので、決して間違ってはいないんですけどね。こういうのを見ると、カーリングというのは見ているほどには決して易しくないスポーツなのだと思います。

オフィシャルグッズとして販売されている「シムソンズ フォトブック」にはイラストマップがついていて、ロケ地も書いてありますので(もちろんcafe「しゃべりたい」も)、これを機会に常呂を訪れてみようと思われている方はこのマップを元にロケ地巡りをされるのも楽しいでしょう。レンタカーを借りて、ぜひ一度。

パンフレットにはリアルシムソンズの皆さん(もちろん4年前の小野寺さん・林さんも)の写真もあり。エンドクレジットには彼女達はもちろん、近江谷さんや敦賀さんなどの長野オリンピック出場者たちの名前も。彼らだけでなく、おそらくすべての常呂近辺在住の皆さんと、カーリングを愛するみなさんの協力があったのでしょう。そういう「あったかさ」もどこかにあらわれていたのかもしれません。

最後は大泉さんが演じた大宮平太風に。「したっけ!(またね!)」。

おまけ:
渋谷で現在上映中のシネ・ラ・セットと同じビルに入っているCINEAMUSE EASTで3/25(土)~4/7(金)期間限定レイトショーがあります。時間は21:20~23:15。座席数も多く、椅子がちゃんとしてるので、まだご覧になってない方は、レイトでもよろしければこちらを待って観られるのもいいかもしれません。


シムソンズ
シムソンズ
posted with amazlet on 06.03.19
森谷 雄
ポプラ社 (2005/12)

|

« 人形アニメーション映画「死者の書」に観世銕之丞さんが声の出演 | トップページ | 「コカ・コーラCMソング集Super More」3/24発売 »

「OFFICE CUE」カテゴリの記事

「北海道」カテゴリの記事

「映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/14483/9162831

この記事へのトラックバック一覧です: MOVIE 「シムソンズ」:

» ★シムソンズ@テアトル池袋:平日午後 [映画とアートで☆ひとやすみひと休み]
テアトルの鑑賞ご招待券#63889;が手許にあった。 『力道山』か『シムソンズ』かとしばし悩んでいたが、結局、作品としての評判とカーリングに対する興味と話題性が、私の中でマッチョマン力道山をノックアウトしてしまった。 というわけで昨日(3/24Fri)、『シムソンズ..... [続きを読む]

受信: 2006/03/25 01:08

» シムソンズ [日っ歩~美味しいもの、映画、子育て...の日々~]
トリノオリンピックで活躍し、大きな話題ともなった女子カーリングチーム「シムソンズ」。その結成の物語を実話を基に描いた作品です。 青春スポーツ物として、王道をいっています。 ダラダラと生活をしていた女子高生たちがふとしたきっかけからスポーツをすることになる→... [続きを読む]

受信: 2006/03/25 09:18

« 人形アニメーション映画「死者の書」に観世銕之丞さんが声の出演 | トップページ | 「コカ・コーラCMソング集Super More」3/24発売 »