イナバウアーは反らさない
荒川静香選手のフリー演技で一躍有名になったフィギュアスケートの技と言えば、「イナバウアー」。
でも、マスコミ報道を見ていると、間違った理解がしばしば見受けられ、「え、ちょっとちょっと~」と言いたくなります。
たとえばこんな記事。
永田氏謝罪は逆イナバウアー(Sponichi Annex:2006/03/04)
「フィギュアスケートの荒川静香選手がトリノ五輪で反り返った技を披露したが、衆院本会議場では昨日、武部幹事長の周りが逆イナバウアー状態だった」。自民党の中川秀直政調会長は3日夜、福島市での会合で、民主党の前原代表や永田氏らが2日に「送金指示」メール問題をめぐり、武部氏の議席に歩み寄り相次ぎ謝罪したことを皮肉った。「逆イナバウアー」ってあなた。
またこんな記事も、イナバウアーイコール「上体反り」というイメージから書かれているのでしょう。
『イナバウアー』ブーム 素人ムリまね厳禁(東京新聞:2006/03/01)
この記事の中に、実は
ちなみに、イナバウアーは「上体を反らす」技ではなく、片方の足を曲げ、もう片方を伸ばして滑る「足技」。体を反らす人が多いが、荒川選手ほど反らすことは技の条件ではない。
とあります。そう、イナバウアーという技の定義は「足を前後に広げ、つま先を外に向けて銀盤を横断する技。」(nikkansports.com:TORINO2006アラカルト「荒川静香の得意技は…」より)。
また、「A Whiter Shade of Pale」さんの「イナ・バウアー」という記事でも
特に上体をそらす必要はなく、
片方のひざを曲げ、もう片方の足は後ろに引いて伸ばした姿勢で
両足のトウを外側に大きく開いて横に滑るもの
のことをイナ・バウアーと言います。
とあります。
ちなみに、「資料室ノート」さんの記事「観戦レポ:五輪・女子(2)/荒川静香」によると、荒川選手の「トゥーランドット」でのイナバウアーは2回入っていたそうです。
序盤3S+2Tの6秒後、左から右に前傾姿勢で滑っています。時間は1秒もないぐらいの短いものですが、これもれっきとしたイナバウア
とのこと。
そんなわけで、イナバウアーは本来は「足の技」だということを、どうそご記憶におとどめいただければ。
フィギュアスケートは華やかな上半身に目が行きがちですが、実は足が重要なのだということを、槇村さとるさんの「白のファルーカ」で読んで知り、それ以来そちらも意識して見てみるようにしています。
蛇足ですが、「イナ・バウアー」ですので、100人乗っても大丈夫な物置の会社やB'zのボーカリストとはもちろん無関係です。
参考リンク:
フィギュア:イナバウアー 静香の究極美、新しい名を
(Mainichi INTERACTIVE:2006/03/03)
#あまりの話題沸騰ぶりに、こんな声も出てきているようです。
おまけ:
「かのこの観劇メモ」さんに、エキシビションで使われていた曲「You raise me up」は、「Celtic Woman」というアルバムに収録されているとありました。日本盤のAmazonの開設によると、「アイルランド出身、女性5人組ユニットの日本デビュー盤。フィドルやハープの音色が印象的なケルト音楽テイストのサウンドと澄み渡るようなピュアな歌声が魅力。」だそうで、今回のメダル効果でチャート急上昇。いやあ、すごいです。
また、「You Raise Me Up」だけを聴きたい方、アルバムをすぐに聴きたくてiTunesを使える方は、「Celtic Woman」がiTMSで購入できます。一曲単位で買えるので、よろしかったらどうぞ。
Manhattan (2005/03/01)
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