STAGE 能「高野物狂」 狂言「栗焼」 (響の会第28回研究公演)
初冬の寒さの中、今日も青山の銕仙会能楽研修所へ。本日は「響の会第28会研究公演」。
番組概要は下記の通り。
狂言「栗焼」
シテ・太郎冠者 石田幸雄
アド・主 竹山悠樹
能「高野物狂(こうやものぐるい)」
シテ・高師四郎 清水寛二
子方・平松春満 加藤愼一朗
ワキ・高野山の僧 工藤和哉
アイ・下人 石田幸雄
「葛城」は謡の中に雪を歌う一節があり、初冬の今時分にちょうど合っているように感じる。太鼓の音がとても神聖な雰囲気を醸しだしていた。
「栗焼」はシテの演技がとにかく秀逸。炭火で栗を焼くしぐさ、「あちち、あちち」と取り出して皮を向く様子、焼栗の芳香に思わずつまみ食いをしてしまう時のおいしさに溺れる表情、もう大笑いである。こちらもつられて天津甘栗が食べたくなってしまう。
「高野物狂」は、シテが面をつけない「直面(ひためん)」であることがパンフレットに書いてあったので「へえ、そうなのか」と思っていたが、そのシテが冒頭いきなり現れてとうとうと語りだしたのに少々面食らった。今までまずワキが出てきて物語を起こすやつばかり見てたので、こういうのもアリなのか、と驚いたわけで。
物語が進んでも、要所は旋律のない普通の台詞のやりとりで進むのも新鮮だった。
「物狂・ものぐるい」とは辞書では「能で、物思いのあまり一時的に心の均衡を失った主人公がそれを自覚しながら周囲の風物に敏感に反応し、おもしろく戯れ歌い舞うこと。」とある。前回の「花筐」は「女物狂」だったのが、今回は男性が主役で「男物狂」と呼ばれているらしい。
亡き主君の遺言を守って幼い跡継ぎ・春満を大切に守ってきたのに、その春満からいきなり「出家しました」と手紙ひとつで知らされ、激しいショックに物狂となってしまうのが主人公・四郎。
手紙を捧げて再登場し、春満を探して山道をぐるぐる分け入っていく様子はどこか鬼気迫り、遠くから四郎を見つけた春満が「とりあえず様子を見よう」と言うのも、気の毒ではあるがなんとなくうなづけてしまう。
その二人がようやく最後対面を果たし、手の触れるまで近寄るところは胸がぐっと熱くなった。
今回私のお隣3人組のうちの一人が外国人の方で、どうやら能楽鑑賞が初めての様子。事前にいろいろとレクチャーしているのを聞くともなしに聞いていて、なかなか面白かった。演能中の反応はわからなかったが、彼は「Japanese Noh」を楽しんでくれただろうか。
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