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2005/09/04

STAGE 袴能「砧」他 (響の会第26回研究公演)

銕仙会の同人・清水寛二さんと西村高夫さんが主催する響の会第26回研究公演「袴能の夕べ」に行ってきた。

「袴能」とは面・装束を用いず紋付袴のみを着用する上演形態で、最近は機会が少なくなったけれども、かつては夏の時季に催されたらしい。
響の会では2000年から袴能上演を試みていて、今年で4回目を迎えるのこと。すでに夏の行事と言えるだろう。

今回の番組は清水寛二さんの「舞囃子『天鼓 盤渉』」と観世榮夫さんシテ・西村高夫さんツレの「袴能『 梓之出』」。前回に続き、脇正面席での鑑賞。銕仙会の能舞台は、見所(客席)と舞台が近くてうれしい。

舞囃子とは、パンフレットによると「一曲の舞所を紋付袴姿で舞うもの」ということで、装束や演出ではなく役者さんそのままの表現力が見えてくるものだと感じた。うまく言えないが、清水さんが目の前を扇を真横に差し出しながらぐいぐいぐい進んで行ったのを目にした時、一瞬すうっと魂が引きこまれそうになる感覚を感じた。その中に自分が入ってしまいそうな感覚。あれは一体なんだったのだろう。

「砧」は「花よりも花の如く」第二巻で取り上げられた曲なので、あらすじは一応知っていた。しかし装束なし、面なしでどんな風になるのか、そもそも初心者の自分に理解できるのか期待半分不安半分で臨んだが、結果的に言えば役者さんのむき出しの演技をシンプルに楽しめた、と言える。
そういうつもりで観ているからかもしれないが、普通に見ればどう見ても初老の男性と中年の男性が、田舎で夫の帰りを待ちわびる妻と都から遣わされた侍女に見えてくるのだからすごい。夫が今年の暮れも戻らぬと知った時の砧の前での妻の絶望の様子はずっしりと胸に刺さった。

シテが観世榮夫さんだったためか、ワキや囃子方もかなり重みを感じる配役だったように感じた。少し調べてみたらワキの宝生閑(ほうしょう・かん)さんはワキ方で唯一の人間国宝とか。

公演の写真を公式サイトで公開しているので、興味をお持ちいただいた方はこちらからどうぞ。

これで能楽を生で見たのは4回目。わからないまま観ているのには変わりなく、途中必ず意識が飛ぶのだが、それでもなぜか楽しいのが自分でも不思議。普段見ることのない和の世界にどっぷりひたれる貴重な機会だからなのか、自分の中の「日本」が喜んでいるのか。はたまた大好きなマンガ家成田美名子さんが描く世界をリアルに感じられることがうれしいのか。

いずれにしても、今月はあと一回薪能を観れるし、来月もチケットを入手した。せっかくの能繁期、よさそうなものがあったらどんどん観に行って、少しでも深くあの世界を理解できるようになりたい。

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