日刊スポーツで鈴井貴之さんが語る「韓国映画の作り方」
ミスターが語るのは韓国映画撮影現場のあれこれで、入っていた作品名はチャン・ドンゴン主演最新作「台風」。昨年11月のクランクインから撮影に参加してきたとのことで、これまでOFFICE CUE公式の「社長室」では題名は明かされずに裏話などを少しずつ教えてくれてましたが、ようやくどの作品だったかわかったわけです。
見出しと、印象に残った部分を少々紹介。
・プロローグ 修行の経緯
「3本撮った。さあ次は・・・」
「銀のエンゼル」を取り終えたミスターが、あらためて映画の作り方を勉強したいと思い、勢いのある韓国を選んだ、という話。
・シーン1 撮影時間
「12時間以上は撮らない」
韓国では撮影監督はカメラを回さず、カメラを回す技術者は別にいるハリウッド方式を取っているとのこと。メーンスタッフはみんなハリウッドで学んだ人たち、というのに驚き。
・シーン2 俳優
「仕事を掛け持ちしない」
これも驚きました。撮影期間中、俳優さんは仕事の掛け持ちを一切しないんだそうです。「それだけのギャラをもらっているからなんでしょうけど」とミスターも言ってましたが、集中して役に取り組めるのはとてもいい環境ですよね。
・シーン3 宿舎
「半年ラブホテルだった」
これは「社長室」でも書かれていましたが、スタッフの宿舎は監督、プロデューサーまでみんなラブホテルなんだそうで。3棟貸し切りで半年ラブホ暮らしなんて、想像を絶する世界です。
・シーン4 食事
「真っ赤なご飯を食べる」
ロケ弁ではなくケータリングなのはいいなあ、と思いましたが、「ご飯にキムチ3種、メーンに肉か魚をコチジャンで煮込んだもの」で、スタッフの皆さんはさらにチューブ入りのコチジャンをご飯にだーっとかけて真っ赤にして食べているとは。想像するだけでお尻が痛くなりそうです。もちろんミスターも「今は地獄」と。
・シーン5 現場の雰囲気
「1人こもる俳優いない」
・シーン6 映画館
「予約なしでは入れない」
韓国映画の勢いは製作者サイドの方もあるけど、何より韓国人が韓国映画を見ることからきてる、とはミスターの弁。土日は予約しないと入れないというのはすごいです。料金も800円と安いのはうらやましいですね。
・シーン7 日本映画
「あいさつは中山美穂?」
韓国での日本映画の人気作品は、岩井俊二監督の「Love Letter」と宮崎駿作品だそうです。やはり強いですね、宮崎駿。「Love Letter」では中山美穂が「お元気ですか~?」と叫ぶ、胸を締めつけるいい場面があるんですが、その「お元気ですか~」で声をかけられるらしく。元を知ってると複雑な気分。(そういえば「Love Letter」もロケ地は小樽で、北海道つながりでした)
また、「映画を撮る時は僕を使って」と撮影助手から言われたそうで、韓流ブームで俳優・女優は日本でも仕事をしているけど、スタッフも日本で仕事をしたいと思っているようです。
・エピローグ
「学んだ。でもどこで・・・」
予算をきちんと取り、妥協しない韓国の作品作りはまさに「仕事」をしているという感じで、これを見習おうとすると日本ではそう簡単にできない、とミスター。次回作は少し時間がかかりそうでしょうか。
以上、普段なかなか知る機会のない韓国映画製作の現場についてのレポートはとても貴重なものだと感じました。いやー、熱いですね、韓国。「ハリウッド」「ボリウッド」に続いて「コリウッド」なんて呼ばれる日も近そうな勢いです。
エントリでずっと「ミスター」と書いてきましたが、お読みいただいてわかる通り、新聞記事は「水曜どうでしょう」のミスターではなく、あくまで映画監督・鈴井貴之の言葉が載っています。半年間の「留学」はかなり刺激が多かったようで、帰国してからそれをどのように消化して次の作品にしてくれるのかが楽しみです。
参考リンク:
海洋大作『台風』で新たな境地を開く俳優チャン・ドンゴン(朝鮮日報 japanese.chosun.com:2005/05/27)
関連エントリ:
MOVIE 「銀のエンゼル」(2005/01/07)
幻冬舎 (2004/12)
売り上げランキング: 7,735
その後の銀のエンゼル
鈴井貴之の世界
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