心に残る5曲-10代後半編
1.潮騒(THE WHISPERING SEA))/山下達郎
[「GO AHEAD!」収録]
私の通っていた高校は海が近くて、15分も歩くと防風林の向こうが水平線。
10代後半はただでさえ憂鬱で不機嫌な季節。自分でも理由のわからないまま気持ちが塞いでしまってしんどくなると、ふらっと授業をサボって海へ向かいました。
潮風に吹かれながら、日本海をただぼんやり眺めている時間に、ふと口ずさむのは決まって山下達郎の「潮騒」。
「君の心は傷つきやすいから いつも僕が包んであげたい 君のこと」なんて言ってくれる人がほしいなあ、なんて思っていたら、本当に現れてしまいました。
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2.HONG KONG NIGHT SIGHT/松任谷由実
[「水の中のASIAへ」収録]
体育祭がきっかけで知り合った先輩と、生まれて初めての両思い。
告白されてお互い気持ちを確かめあった後も、信じられない信じられない信じられない、と夢の中にいるようで実感の持てない中誘われた初デートが、ユーミンのコンサートでした。
リリースされたばかりの「水の中のASIAへ」とその前年のアルバム「時のないホテル」を中心とした選曲でしたが、その中でもとても印象的だったのがこの「HONG KONG NIGHT SIGHT」。
どこか現実味のないオリエンタルな曲調が自分の気持ちとシンクロしていたのでしょうか。
3.FAREWELL,MY LOVE/NATIVE SON
[「SAVANNA HOT LINE」収録]
彼からはいろんなジャンルの音楽を教えてもらいましたが、その中の一曲。
NATIVE SONはフュージョングループで収録曲はすべてインストゥルメンタルの曲なのですが、「FAREWELL,MY LOVE」というこの曲をこう解釈してくれました。
サックス→エレピ→サックスと、メイン楽器が入れ替わりながらテーマを繰り返す様子を、
「一組のカップルが夜の道を二人で歩いている。サックスは男性。やっぱりやり直さないか、と彼女に語りかける。次にエレピが女性。困ったようにそれはできない、と答える。そしてまた男性のサックス。別れに向けて、別れる瞬間まで、とりとめもなく話し続ける。」
そんなことを照れもせず言える彼は、今から思うと相当ロマンチストだったんでしょうね。
そんな彼の言葉を「ふうん、そういう聴き方もあるんだ」と妙に感心して聞いていた記憶があります。
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4.神話/さだまさし
[「印象派」収録]
ところで私は元々は中学生の頃からのさだまさしファン。
彼ができて音楽世界が広がりましたが、やっぱりさださんが一番であることは変わらず。
この頃のコンサートで、曲の途中でさださんが絶句してしまい、最初から歌い直す、という珍しい事件が起きました。その曲がこの「神話」です。
のちに著書の中で、彼にとって大切な友人が亡くなってしまったその喪失感で一瞬いっぱいになってしまい、歌が止まってしまった、とこの時のことを書いていました。彼にとってそんなできごとはあとにもさきにもこれっきりでしょう。
淡々と「もう一度歌います」と言い、全部歌いきった彼を、一緒に行った友人が「この人、本当に強い人だね」としみじみ感心していたのを覚えています。
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5.よどみ萎え、枯れて舞え/サザンオールスターズ
[「人気者で行こう」収録]
さて時は過ぎ、高校を卒業して大学入学。
ハタチの誕生日も近い秋に、「長崎BREEZE」で取り上げた恋をしました。
生まれて初めての東京でのデートに向かう新幹線の中で聞いていたのが「人気者で行こう」。
その中でもこの曲のテンポが、その時の期待と不安に妙に合っていたのでしょうか、この時のことを思い出す時必ずこの曲が脳内BGMになってしまいます。
ちなみにその時は渋谷で待ち合わせてから六本木で食事、といったコースだった記憶が。
初めての六本木にどきまぎしながら、一生懸命ついていった19の秋。
ビクターエンタテインメント (1998/05/21)
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続く・・かどうかは決めていませんが。気が向いたらまた書くかもしれません。
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