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2005/04/12

子宮筋腫手術体験記 (1)発見から入院まで

実は3月の後半、手術を受けるため入院しておりました。
病名は子宮筋腫。筋肉と線維組織からなる良性の腫瘍(しゅよう)です。
今では30歳以上の女性は5~6人に一人が持つという、とてもポピュラーな病気です。

多くの方がかかっている病気なので、私の手術/入院経験が何かのお役に立てばと思い、体験記を簡単にまとめさせていただきます。
ただし、この病気はその種類と本人の年齢や妊娠・出産などのライフスタイルによって対処がまったく変わってくるものです。あくまでこれは私個人の体験として、参考程度にお読みいただき、もしもご自身に思い当たることがある場合には受診され、医師に相談されるようにしていただければと思います。

子宮筋腫という病気の概要は、こちらのリンク先をご参照ください。

子宮筋腫について(武田製薬ホームページ・生活習慣病情報・女性のコーナー)
メルクマニュアル医学百科家庭版(萬有製薬)

発見したのは昨年10月。偶然でした。
少々無理を重ねたら体調を崩し、下腹部痛と微熱が続いた時期があったのです。
前エントリでも書いた通り、以前腹膜炎で手術しているため、普段は医者嫌い・薬嫌いでめったに病院には行かないのですが、何かあってからでは困るということで、近くにある大学病院の消化器内科を訪れました。
当日は問診を受け、検査のため血液・尿を採取、また念のため腹部超音波検査を予約して次回診察を予約。この時は軽い腸炎だろうということで薬を処方され、しばらくすると症状は落ち着きました。
で、あまり深く考えず受けた超音波検査で、「子宮筋腫がありますが、ご存じでしたか?」と言われた時には「ええ?」とびっくり。「10センチくらいですが」「いえ、全然」。
驚く一方で、そうかあ、やっぱり筋腫があったのかあ、と思っていた自分がいました。

明確な自覚症状があったわけではありませんが、下腹部が出てきたと感じた時、丁度その頃読んだ雑誌の婦人科疾病特集で「下腹部が出てきた時は子宮筋腫か卵巣膿腫の可能性あり」という記事を読んでいて、そうなのかもしれないなあ、婦人科行かなきゃなあ、とぼんやり思っていたからです。
あとは、夏前から経血量が妙に増えていて、それも気になるところではあったのですが、それ以外に困ることはなかったため、受診することなく時間が経っていました。

でも、こうして現物の存在を知ると、これ以上放っておくわけには行きません。
しかも10センチ。
消化器内科の先生に「産婦人科で受診しますか」と聞かれて「もちろん」と手続きを依頼。念のためCTスキャンも予約してもらいました。

翌月産婦人科で初診。
漿膜下(しょうまくか)筋腫という種類のもので、子宮の上部にできているとのこと。大きさは10センチ程度。
念のためガンの検査もしておきましょう、と。筋腫はいろんな治療法があり、CTスキャンを予約しているので、その結果を見て今後どうするか考えましょう、ということでその日は終了。
2週間後CTスキャンの後に、初診の先生で2度目の受診。CTで見ると筋腫は12センチだった模様。ガンはなし。
自分の断面図を写真で見ると、下るにつれぼんやりした固まりが骨盤の大半を占めるようになり、その「ぼんやりした大きな固まり」が筋腫なのだそうで。

うわあ、こんなに大きいの?こんな大きいものが私のおなかを占めているの?

というのが見た時の最初の感想。
腸や子宮が端っこに追いやられていて、かわいそうなくらい。

さて、筋腫の治療法としては、大きく

・薬物療法
・手術

の2つに分かれ、筋腫の種類と患者の年齢や妊娠出産の予定の有無などのライフスタイルにより実にそれぞれさまざまの対応があります。
貧血などの症状がない場合は経過観察を取ることもあり、閉経が近い時は薬物療法を取ることもあるようですが、私くらいの年齢(30代から40代)で筋腫が8センチを超える場合は手術を薦めているそうです。
で、手術にも

・開腹して子宮全摘出
・開腹して筋腫のみ摘出(筋腫核出術
腹腔鏡で子宮全摘出
・腹腔鏡で筋腫のみ摘出
・膣から子宮全摘出
・膣から筋腫のみ摘出
・膣から子宮鏡を入れ筋腫を切除(子宮鏡下手術)

といった様々な種類があります。
また、最近は動脈塞栓術という、筋腫に栄養を送る動脈を塞いで収縮させるという治療法もあります。
この中から自分に合った方法を、先生と相談して決めていくことになるわけです。

この病院では、腹腔鏡(内視鏡)は腫瘍の大きさが8センチが限界と見ているいうことと、私の場合一度開腹手術をしているため癒着のリスクがあり、先生としては開腹しての手術をすすめるとのこと。子宮を残すか摘出するかは本人の判断次第。子宮を残せば再発の可能性とガン罹患の可能性が残るということ。生命に関わるものではないので、急いで決める必要はなく、ゆっくり考えてください、とも言われました。

いや、しかし、あの写真を見たら、「今すぐ取って下さい」と言いたくなりました。
CTで見る分にはほぼ球形らしく、そんな直径12センチのまんまるなものが自分の体の中にあるなんて。
腸の動きが悪くなることがあったのは、もしかしたらこれも関係していたの?と思うくらいの占有率。

ということで、筋腫を持つ病院勤務の友人に話を聞いたり夫とも相談したりしながら、開腹するなら若くて体力のあるうちがいいだろうと思い、近いうちに手術しようと決めました。
職場の上司と相談し、比較的休みやすい年度末の時期を選んで手術日とすることで、病院にも手術の予約を入れ、あとは入院に向けて準備をしていくことに。

病院そのものは、初診の先生のきちんと説明してくれる様子が信頼できると感じたことと、家から近いということで、特にセカンドオピニオンは取らずにそのまま続けることにしました。あとでホームページを見ると手術の実績数が掲載されていて、私と同じ開腹の核出術は年間50件近く実施されていて、安心。本来はこういうのも事前に見ておくべきだったのでしょう。
大学病院のため、診察のたびに先生が変わり、自分の主治医が誰なのか手術直前までわからない、といったことがあったり、初診の先生に「手術するなら筋腫のみの摘出で考えたい」と言っていたことが伝わってなくて子宮全摘出だと思われていたり、といった少々の行き違いはありましたが、何とか無事入院の日を迎えることができました。

事前にやった各種検査は下記の通りです。

・MRI撮影
・血液/尿検査
・心電図
・胸部/腹部レントゲン
・自己血採血400cc(筋腫核出術の場合出血が多く、輸血の可能性があるため、本人が希望する時は自分の血を事前に採血しておくことができます)

2月末から3月初めに入相診察と呼ばれる診察で入院に向けて具体的な話をし、この時にやっと主治医の先生が誰か判明。チームで対応している、ということで、一度診察を受けたB先生と入相診察をしてくれているA先生、他2~3名で受け持つとのこと。
この時点で全摘出と核出術(筋腫のみの摘出)の間で迷っていたため、A先生には双方のメリット・デメリットを詳しく聞きました。

<全摘出メリット>
・子宮筋腫を完全に根治できる
・子宮ガンの可能性もなくなる
・摘出にあたり大きな血管だけをふさげばいいため出血が少なく、手術時間も短い
<全摘出デメリット>
・妊娠が不可能になる

<核出術メリット>
・妊娠が可能になる
<核出術デメリット>
・子宮筋腫の再発の可能性がある
・臓器を残すためガンの可能性が残る
・筋腫につながる細い血管が多いため、出血量が多くなりリスクが高くなる
・手術時間が全摘出に比べて長くなる
・子宮から筋腫を剥がしとるため、その跡に血腫ができて、治まらない場合発熱することもある

私自身は妊娠の必要性は感じていませんが、最終的には「切らなくてもいい臓器を切除するのはどうか」という気持ちから、子宮は残して筋腫のみを摘出する核出術を選びました。

入相診察のあと看護師さんから入院に当たっての手続きや持ち物などの説明を受け、いよいよ入院日を迎えることになります。

尚、家族の同席が必要になるのはどんな時なのかと確認すると、入院当日の主治医からの手術内容説明の時と手術終了後の家族への結果報告の時だと言われ、入院当日は夕方5時に病院に来てもらい、手術日は休暇を取ってもらうよう夫に頼みました。

入院前に参考にした本:
医者に聞けないことまでわかる 子宮筋腫」(主婦と生活社・監修 北出真理)
子宮筋腫専門の本。わかりやすく丁寧に書かれていて、経験談も多く、基本的な知識を得るには充分でした。

入院前に参考にしたサイト:
M子の子宮全摘体験記
子宮筋腫摘出手術体験記

どちらも私とは違って全摘出をされた方の体験記ですが、手術に当たっての入院の様子や術後の回復についてなど、参考にさせていただきました。M子さんの方は医療従事者プラス主治医が旦那様ということで、MRI画像や手術時の様子、筋腫や傷の写真などかなり詳しく出ています。

以下続きます。

子宮筋腫手術体験記 (2)入院初日・2日目(手術2日前、1日前)
子宮筋腫手術体験記 (3)入院3日目(手術当日)
子宮筋腫手術体験記 (4)入院4日目~6日目(手術後1日~3日)
子宮筋腫手術体験記 (5)入院7日目~9日目(手術後4日~6日)
子宮筋腫手術体験記 (6)入院10日目~退院(手術後7日~10日)
子宮筋腫手術体験記 (7)退院後の生活

2008/11/16追記:
OFFICE CUEの副社こと鈴井副社長のブログ記事「婦人科検診終了!」を読んだら、検診で筋腫が見つかったとのこと。
まだ3cmくらいなので経過観察を、と先生に言われたそうですので、もし何かのご参考になればと思いトラックバックさせていただきます。

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コメント

初めまして。
2週間後に入院・手術を控えて体験談を書いている方を探していたら、発見、症状、大きさが本当に自分のときと同じで、思わずコメントさせていただきます。

私もこの本を読んで色々考え、医師と相談の結果ホルモン治療の後、切開手術で核摘出することになりました。
体験記、ゆっくり読ませていただきます。

質問させていただくこともあるかも知れません。
宜しくお願いします。

投稿: swana | 2006/11/27 00:22

>swanaさん
コメントをありがとうございます。お返事遅れて申し訳ありませんでした。
手術直前なんですね。私の体験記が少しでも何かの参考になれば幸いです。
何かご質問等あればプロフィールに載せているメールアドレスまでいつでもどうぞ。

投稿: くりおね | 2006/11/30 00:33

昨日で手術からちょうど1年たちました。
手術前は不安でしたが、くりおねさんのHPで情報を得たおかげで心の準備が出来ました。あらためて感謝申し上げます。最近は手術のことを忘れるくらい元気ですが、寒くなるとときどき傷跡がうずきます。でもこのおかげで体をいたわることの大切さも分かったので、あまり無理しなくなって、かえってよかったかなとも思っています。くりおねさんも、寒さ厳しき折、どうぞご自愛くださいませ。

投稿: Hiro | 2006/12/03 22:41

>Hiroさん
あたたかい言葉、ありがとうございます。

この次のエントリに入院前のHiroさんからコメントをいただいて、もう1年になるんですね。無事1年を経過されたと聞いて私もうれしいです。
お互い傷跡をいたわりながらこれからもゆっくり日々を過ごしていきましょうね。

北海道も本格的な寒気が入ってさぞかし冷えていることと思います。どうかご自愛ください。

投稿: くりおね | 2006/12/04 22:20

私も3日前に筋腫の手術をしました。
それまで色々と参考にさせていただきました。 やはり今は手術してよかったと思っています。

情報提供にとても感謝しております。

投稿: よんたん | 2009/12/21 12:58

>よんたんさん

コメントをありがとうございます。
手術直後なのですね。経過は順調でしょうか。事前準備にあたり私の記事をお読みいただいたとのことで、少しでもご参考になれたならこんなにうれしいことはありません。
手術は大なり小なり心身への負担が大きいです。快癒をお祈りしています。

投稿: くりおね | 2009/12/24 23:07

こんにちは。私もまったく同じです。まず仕事で疲れているところ、無理に飲みに行ったら、体調をひどく崩しました。しばらくしたら治るだろうと思いましたが、体調不調・微熱がずっと続き、下腹部に固くぽっこりで膨れ上がっているに気付きました。病院で診察してもらって結果、尿・血液検査は全部問題ありませんでしたが、9cmの子宮筋腫 (intramural fibroid・筋層内筋腫)が見つかりました。英国に住んでいますが、こちらでは筋層内筋腫の場合、(出産するまで)手術しない方向が多いみたいですが、日本の病院では(妊娠する前に)取った方がとのことでした。4か月間もまだ微熱が続いており、体調が不安定です。通常35.5Cの体温が大体36.5~36.7Cまでに上がります。まあイギリスでは37度が平均体温なので、またこれを説明するもの大変です。私も色々な病院で「筋腫と微熱は関係ない」と言われました。また体調が悪いのも「たぶんウィルスが体に残っているんだ」関係ないと言われました。しかし筋腫が膀胱を圧迫しているのは確かで、熱の症状もこの影響だと考えずにはいられません。有難うございます。

投稿: イギリスの空の下で | 2012/01/12 21:40

>イギリスの空の下でさん

お返事遅れて申し訳ありませんでした。また、コメントありがとうございました。

9cmの筋腫を持ったままというのは気になってしまいますよね。英国のお医者様と日本のお医者様でそんなに考え方が違うとは知りませんでした。

微熱が続いていらっしゃるとのこと、どうかお大事に。

投稿: くりおね | 2012/01/26 15:48

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